『はやくっ…ぁぅ〜!』
引っ切り無しに動く俺を電車の中の人達はじろじろ見てくる。今現在、電車が停止中で、今現在運悪くトイレに行きたい。変わらない景色をずっと眺めていると、尿意がさらに増す。
『ぁんッ…やっ』
小さい子達にも、見られてるっていうのに尿意が止まらなく、ずっと足をもじもじする。
とりあえず、人の少ない車両に行こうと思い、ダッシュで歩いて行く。
『はぁッ…んぅ』
漏れる、やばい、なんて思ってた時にはもう遅くて下着が濡れている。
次の扉が目の前。この車両は人が割と多いから、早くその扉を開けて前を思いっきり抑えたい。もう、無理かもしれない。こんな人が多いところでするとかありえないが、膀胱が限界と信号がきている。
『でちゃッ…ぁあッ、』
じわじわと生温い液体が下着の広範囲に広がっていく。もう無理。電車が汚れるよりマシだと思い、まだ液体が入っているペットボトルを手に取る。中身を全部飲み干し、しゃがんでスラックスのチャックを開け、ボトルの飲み口にそれを当てがう。
『んっ…』
じょぼぼ、と大きめな音を立てる。
周りに見られてる…。思えば思うほど恥ずかしくなっていき、顔に熱が帯びる。
『…ぁ、』
水流の太さを変えずに出てくる。そういえば今日一回もトイレに行っていない。
『、ぅ…』
ペットボトル半分ぐらいの量になってから、徐々に水流の太さが、細くなってきた。こんな恥ずかしいこと小学生でもやらないのに、高校生がやるなんて。
『ぁ…やッ』
もうペットボトルの中身がいっぱい。でも、まだ出てて、止まりそうな感じは少しもないもない。がさがさと鞄を漁り、出てきたのは袋。気分が悪くなった時に使えるよう、エチケット袋は入れていた。黒色だし、バレないと思う…
少し力を入れて水流を止めた後、ペットボトルを外し、袋をつける。恥ずかしいが、途中のものを我慢できるとは思えなかったから、仕方ない。
しゅ〜、かさかさ
恥ずかしい、恥ずかしすぎる。自分が高校生であるのにこんな音を立てて、トイレ以外の場所でするなんて
『っ…』
『…』
高校生になって、こんな失態を周りの人に見られるなんて、恥ずかしすぎる。これからは、トイレ行ってから電車を乗るようにしよう…
ガタン
電車が動き出した。
今日の出来事は一生言わないようにしよう。
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