krsm
「味」
・krさんタバコ吸ってる設定
※ご本人様とは関係ありません
sm 視点
何もかも呑み込んでしまいそうな深夜に
ふと目が覚めてしまった
こうなるとしばらく眠れないので恋人が眠っているベッドから出ようとする
kr「う~ん…」
その反動でか
きりやんが寝返りを打ち俺の袖を”行かないで”と訴えるように掴む
そんな様子に笑みを浮かべてベランダへ向かう
少し肌寒いなとか今起きてる人いるかなとか
そんな些細なことを考えながら下を見る
sm「…綺麗だな」
そこにはいつもより少し特別に感じる夜景が広がっていて
昼には見れない景色につい魅了されてしまって
しばらく夜景を眺め続けていた
sm「このまま溶けちゃいたいな、」
ふとそんな言葉を零した瞬間
kr「こんな時間に何やってんの~…」
どこかふわふわした声が背後から聞こえてきた
声の方を向くと
珈琲とライターを持ったきりやんの姿があった
sm「ごめん、起こしたか?」
俺が起きた反動できりやんを起こしてしまったか心配になって尋ねるが
kr「ん~や、普通に目覚めただけ」
そう言って珈琲を渡してくる
sm「え、わざわざ淹れてくれたの?」
kr「ま~ね~…こういういい感じのムードの時は見合ったアイテムが無いとね」
sm「…ちょっとよく分からんが、ありがとう」
感謝を述べて珈琲を流し込む
sm「!、あっつ!!」
kr「w、美味しい?」
sm「美味しいけど、熱すぎ…まじで淹れたてかよ、」
猫舌パワーを発揮している俺を見て嘲笑いながらどこからか煙草の入っている箱を出す
sm「お前が吸ってるとこ見るの、久しぶりだわ」
kr「だろうね、お前も肺悪くしそうで怖かったからしばらく喫煙してたの」
sm「じゃあなんで今更?」
kr「そりゃぁ、いい雰囲気で吸う煙草が1番美味いからに決まってるでしょ」
kr「美味しいもの食べたくなるのは人間の本能でしょ?」
そう言いきりやんは煙草を吸い、すぅと白い煙を口から吐き出した
そんな姿に思わず格好いいなと思ってしまった自分がいた
kr「なに、そんなまじまじ見て」
sm「いや…美味いのかなぁって」
俺の思考に悟られないように嘘をつく
kr「…じゃあ確かめてみる?」
sm「え?」
またきりやんは煙草を吸った
だが今度は俺の顔に近くに来て
すぅ、と煙を吐いた
sm「っ!けほ、こほ…」
kr「どう?美味しい?」
sm「美味しい訳が無いだろ!受動喫煙じゃん最悪…」
kr「はは、体にめっちゃ悪いやつね」
何笑ってんだてめえと言いたくなる心を抑えて
残った珈琲を一気に飲み干す
sm「ムードが台無しだよ、ほんと」
kr「別にいいじゃん?それとも…」
そう何かを言いながらきりやんがこっちに近づいてきた
またあれをされるのかと思い身構えていたら
ちゅ、
とリップ音が鳴り響いた
kr「…こっちの方が良かった?」
sm「は、」
にこにこしながら聞いてくるきりやん
kr「さっきよりは味、感じられたと思うんだけど…」
sm「~!!」
どんどん自分の顔が赤くなっていくのを感じる
sm「何も味しなかった!!もう寝る! 」
kr「えちょ、スマイル?」
照れ隠しをするようにベランダから出て
乱暴にコップをシンクに置き
ベッドに顔を埋めた
sm「…なんであんな事平気で出来んだよ、」
本当にあいつは何をしてくるか分からないから困る
まぁでもこんな日が偶にはあってもいいのかな、と思い
微かに残った煙草の苦味を味わうことにした
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