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「太宰さん……僕と、一緒に逃げませんか?」
「…………」
僕がそう言うと太宰さんは驚いた顔を見して数秒固まっていた
「……敦くん?」
「はい」
「君、今なんて言った?」
「一緒に、逃げようと言いました……」
「それは……冗談で言っているのかい?」
「僕は本気です」
太宰さんは僕の言葉をすごく疑っているけど、僕はこんな事、嘘でも言わない……
本気だ……
太宰さんは死にたいと言っていたけど…僕は生きていて欲しい……
だから……
「僕と逃げましょう」
「…………」
太宰さんは黙ってしまった……
「私は……」
太宰さんは数分経って喋りだした
「私は…君と一緒に生きて行ける程、強い人間ではないよ」
「それでも……」
「それに…私は生きて居ては行けない人間なのだから」
「最後まで……私が生きる理由なんてないのだよ……」
太宰さんはそう言うと悲しい笑顔を浮かべた……
「それなら……」
「なんで、そんなに…泣いているんですか?」
「!」
太宰さんは自分が泣いていることに気づいていることに気づいていないようだった
「本当に……貴方は死にたいんですか?」
「……」
「本当は…生きていたいんじゃないですか?」
「……そんな……訳」
「駄目ですよ……太宰さん」
僕は出来る限りの優しい声で太宰さんに言った……
「生きている理由がないなんて言ったら……」
「人は…皆幸せになる為に生まれてきたんです」
「僕はそう思います」
「……それは綺麗事だよ……敦くん」
「少なくとも私は幸せにはなれなかった……」
「なら!僕が今までの分幸せにします!!」
僕は自分でもびっくりする程大きな声が出た
太宰さんほびくりと肩を震わしていた
「なんなら……僕が貴方の生きる理由になります」
「君が……?」
「はい」
「僕が貴方の生きる理由になれば、僕か死ぬ迄生きていてくれるでしょう?」
「……どうしてそこまで……」
「生きて居て欲しいから……」
「きっと、中也さんも、芥川だって貴方に生きていて欲しいと思ってますよ」
これは事実だ、中也さんは刑が早まったと言っていた時…すごく険しい顔をしていたし芥川は見れば分かる程
「僕だけが嫌なら中也さんと芥川の分まで……」
「おい」
「「!」」
僕と太宰さんは突然掛けられた声に同時にびっくりしてしまった
声を掛けてきた張本人は
「何手前だけカッコつけようとしてんだ?」
「ちゅ、中也さん!?」
中也さん……と
「人虎殺す」
殺気に満ち溢れていた芥川だった
「ちゅ、中也さんあの、これは……」
「敦……其奴を逃がすって事は、脱獄を手伝うってことだ」
「……分かってます」
太宰さんを逃がす……犯罪者を逃がすということは、犯罪に手を貸す様なものだ……
知られれば僕はただじゃ済まない
「でも……僕は……」
「俺達も連れてけよ」
「……え?」
「だから……俺と芥川もその脱獄を手伝ってやるって言ってんだよ」
「え……でも」
「手前だけで…太宰を守り切れるのか?」
「……」
中也さんの言葉に僕は黙るしかなかった……
実際…僕は自分を守ることが精一杯で太宰と自分を一緒に守り切れるとは思えない……
「それに…手前にばっかりいいとこ取りされてるからな」
「人虎殺す……」
「お前はさっきからなんで僕を殺すしか言わないの?」
「それより、早く行くぞ」
「行くって何処に……」
「逃げんだろ?」
「夜中中に日本から遠いところまで逃げる」
「船でですか?!」
逃げると言っても此処には僕達が此処に来る時に使った船しかないのだ、万が一海の上で追われた場合逃げ場がない……
「安心しろ…万が一追手が来ても俺と芥川が何とかする」
「!それなら……」
「ちょっと待ち給え」
さっきまで黙っていた太宰さんが突然喋り出した
「私は逃げるとは言っていないよ?」
「私は大人しく死に……」
「そんなに死にてぇなら……俺が殺してやる」
「ちゅ、中也さん?!」
中也さんの突然の問題発言に僕と芥川は驚きで固まってしまった
「……フフ」
「それは……中々いいね」
中也さんの発言に固まっていた僕達とは裏腹に太宰さんは落ち着いている
「……全く君達はとことん私を狂わせるのだね」
「太宰さん……」
「仕方ないから…少しの間は君達と生きてあげるよ」
「!!!」
僕はその言葉が嬉しくて太宰さんに抱きついてしまった
「うおっ!」
「なっ!手前!」
「……中島敦…貴様」
芥川の声と共に異能が僕と太宰さんを引き離した
「貴様…今ここで屍にしてくれる」
「いや、今のは勢いで……」
「問答無用!!」
「だから聞けって!!」
「そうだ、中也 」
「あ?」
「君では私を殺せないよ」
はい!!!
これにて「君達と過ごした時間」は完結です!!
ここまで見てくれてありがとうございました!!
もう3話からすごく話が合わなくなって訳の分からないお話になったと思います……それはほんとにすみません反省してると思います……なんでもないです!!
この小説は終わりますが、みたい人がいれば続編と番外編でも書こうかな〜
まぁこれ以上は長くなりそうなのでこれで終わります!
次の小説でお会いしましょう!!*˙︶˙*)ノ”