テラーノベル
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ナムサノ?サギュ?で学パロ!
ナム→→→←?サノ
꒰ ♡ ꒱ - - - - -
薄々気づいてた。
いや、ずっと前から気づいてた。
「ナムス~!」
「ナムギュです⋯💧」
⋯何度この会話をしただろうか。
ヒョンは絶対に俺の名前を呼んでくれなかった。
「ナムス、これ美味いぞ!」
「⋯そうっすか、」
「⋯⋯⋯?」
ヒョンの頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。
ヒョンには何度も、何度も何度も何度も何度も教えたのに⋯⋯覚えてくれない。
もう教える気力も無くなる。
「⋯⋯なぁ、ナムス、お前怒ってる⋯?」
「⋯⋯別に、
怒ってないですけど」
「いや、怒ってるだろ?
⋯⋯俺なんか悪いことしたか?してたら謝るから⋯」
「⋯⋯もういいです」
「ぉわ、ナムスちょっとま_」
もうその言葉の続きを聞きたくなかった。
ヒョンの軽い謝罪も、いつものからかいも、
俺の中の何かを逆なでするだけだった。
そして逃げるようにその場を去った。
次の日、俺は誰とも口を聞かなかった。
ヒョンの顔も見たくなくて、
昼休みは図書室で過ごした。
教室に戻ると、ギョンスが心配そうに近づいてきた。
「ナムギュさん、今日は兄さんと居ないんですね⋯?」
「⋯⋯まあ、うん」
「いつも一緒だったのに、何かあったの?」
と心配そうにミンス。
「⋯⋯なんでもねえよ」
「どうせあんた達のことだし、喧嘩でもしたんでしょ?」
「⋯⋯俺もう帰る。」
「⋯⋯あぁ、はい、じゃあまた明日。」
下駄箱で靴を履きながら、ため息が盛れた。
(くそ、なんでこんなにイライラしてんだよ、)
⋯全部ヒョンのせいだ。
ヒョンの笑い方、声、口癖
⋯⋯ヒョンは俺のことをちゃんと見てくれない。
「チッ、、」
「ぁ”~~くそ!!、」
カバンを下に叩きつけそうになって、
寸前で踏みとどまった。
俺は……いつから、こんな感情を持つようになったんだろう。
名前を間違えられるのが、
ただの“ミス”じゃなくて、
“無視されてる”ように思えてしまう。
それは、ヒョンの存在が、俺の中で
“ただの先輩”以上になってる証拠だった。
その翌日。
朝の教室は静かだった。
ヒョンは、自分の席に突っ伏していて、
いつものうるさい声が聞こえなかった。
俺は席に座って、ちらりとヒョンを見る。
なんか、変だ。
「⋯⋯ナムギュ」
唐突に、名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
“ナムス”じゃない。
ちゃんと、“ナムギュ”。
聞き間違いかと思って、もう一度見ると、
ヒョンが、こっちをまっすぐ見ていた。
「⋯名前、呼べるじゃないですか」
俺の声は、皮肉を含んで、少し冷たくなった。
ヒョンは、少し俯いて、息を吐いてから言った。
「覚えてたよ、ずっと前から」
「は?」
「名前、間違えて呼んでたの⋯⋯わざとだった」
言葉が出なかった。
目の前のヒョンが、いつもの“ふざけたヒョン”じゃなくて、
俺の感情を、ちゃんと見ようとしてるように見えたから。
「お前の反応がさ、面白くて。
いっつもムスッとして怒ったフリするから、
可愛いな〜って思ってた」
「っ⋯⋯」
「けど、昨日の顔、見て……なんか、
あぁ、俺⋯⋯悪いことしちゃったかも、って」
「⋯⋯」
「ナムギュ。ごめん」
俺は、言葉が出なくて、ただヒョンを見つめていた。
「許してもらえないなら、それでもいい。
でも、これからはちゃんと呼ぶよ。
お前の名前、何百回でも呼ぶから」
「⋯⋯ヒョンのばか」
「ばかでごめん。⋯⋯でもお前が好きだよ、ナムギュ」
⋯
その言葉に、俺は初めて
ヒョンの目を、まっすぐに見返すことができた。
ずっと前から気づいてた。
ヒョンのことが、好きだったって。
でも、ヒョンは気づいてなかった。
⋯⋯いや、もしかしたら気づいてたけど、
気づかないふりしてたのは、ヒョンのほうだったのかもしれない。
コメント
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最高すぎュ🫶