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こちらnmmn作品となっております。意味、ルールが分からない方はこちらでお引き取りください。
※ご本人様とは一切関係ありません
srng / 捏造
以下要素を含みます。今回かなり短いですがそれでも構わない方は先に進みください。本編伏字表記ございません。
少し前の配信からネタをお借りしています。
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「助け、くるかなあ」
深夜、浜辺、灯すのは小さな焚き火の炎のみ。男二人きりの砂浜で彼がそう呟いた。
無人島に連れてこられたと言っていい。実際それ以外相応しい言葉が見つからない。だって気がつくとここに居たから。
直前の記憶は無く、ただバッグの中には水の入ったペットボトル2本にサバイバルナイフ。それから止血帯、そしてトランプ。強欲だけどもっと入れておいて欲しかった。
お互い訳も分からないまま、とりあえず場を整えるために動いていたらあっという間に夜になってしまっていたのだ。水は元々バッグにあったし、何より森は自然が栄えている。上手くいけばある程度のものが得られる。肝心の食料については、今のところ何とかなりそうだが、尽きるのもそう遠くないので早いうちに目をつけるべき。
「助け、起きたら来てるかもよ」
そう言って彼の手からカードを1枚抜き取る。手札を見ればクローバーの3が揃ったので組んだあぐらの上に置く。
私たちが何をしてるかって?それはもう、見ての通りトランプです。
荷物の中は全てサバイバル生活に関係のあるもの。だけど不思議なことに、ひとつだけ暇つぶしのようなものがあった。修学旅行の荷物が紛れ込んだかのようで二人で顔を見合せた。もし誰かに無人島まで来て何してるのか聞かれたら、やれと言わんばかりに置かれたそのカード達を放っておく訳にもいかないだろ、そう言ってやる。
本当のことを言うと、事のきっかけを作ったのは私。
実を言うと私は人よりだいぶ睡眠と相性が悪くて、普段の慣れたベッドでさえも夢は毎日のように見るし寝た気になれないことばかり。中途覚醒の常習犯。そんな私がこんな広い、暖かい季節といえど夜間は冷えるであろう海の浜辺で寝れると思うか?私だって奇跡を信じて最初は寝ようとした。けれどもこの波の音があまりにも無理。あと普通に怖い。いや、もっと怖いのは相方の方。音を立てないように寝れずに苦しんでいた私を見るや否や、「そんなことだと思った」、それからカバンをゴソゴソ漁ってトランプを取り出す。
「凪ちゃん、勝負だ」
なんて笑っていうんだから。困惑する私を置いてアイツは器用にカードを切り出すんだからされるがまま。何か眠気を促進させるものが出てくると思いきや、頭を使うものだ。いやむしろ頭を使って眠気を呼ぶために?
ポーカー、ババ抜き、スピード、七並べ。思いつく限りのゲームをしても二人きりなのですぐ終わってしまう。でも何だか不思議とそれが面白おかしく感じてきて、段々口元が緩んでいった。
「…ねえ、あなたは眠くないの」
「寝てもいいけど寝て起きて凪ちゃんが死んでたら困るでしょ」
「別に死なないから大丈夫よ」
確信は無い。ここにいる以上、何が起こるかわからない。明日本当に起きたら死にかけてるかもしれない。
そんな冷静に言えるなんて肝が据わってる?違う、何より私は運が良かった。一緒に流された相手がまさかの昔からの知り合い兼相方であり、そいつは体力もあるし知恵もよく働くし私より沢山のことを知っている。
出会った頃は人間始めたてみたいになーんにも知らなかったのに、いつの間にか私のことなんて追い越してどんどん前へ行くんだから。雛が巣を立つ時の親鳥ってこんな気持ちなの?まあそんなことは置いといて、そんな最強のようなあなたが居れば何とか生きていける気がするし、もしもの時は死んでもいいかなあって。昔、「一緒に死んで」とか何とかかんとか言ったのを思い出す。あなたは覚えてるのかなあ。
「ねー凪ちゃん」
「なあに」
「呼んでみただけ。」
セラ夫が私の手札から一枚カードを選ぶ。私の陣営からスペードの6が引き抜かれた。
「ねえセラ夫。」
「ん?」
「助け、来るかなあ」
「くるといいねえ」
波の音と二人の笑い声が響く。
クローバーの3:試練
スペードの6:試練を乗り越える
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お久しぶりです。今回はあまり深く心理を追求させていないので、それぞれがそれぞれの解釈で楽しんでいただけたら幸いです。
文字自体、書いているのですが、R指定のあるものが中途半端なところで終わっていることと曲パロ長編しか書いておらずなかなか載せることができません;;突然切りあげることになってもよければ攻めた内容のものも載せていきたいと思ってますт ̫ т
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