テラーノベル
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題名 『沈むことのできない人魚』
小学6年生の最後の夏。
ボクは初めて見たんだ。
深海のような髪と瞳。
おとぎ話とは違う優しい 人魚に____。
母『翔太!』
『夏休みだからっていつまで寝てるの!』
翔太『いいじゃん…』
『休みの日くらいゆっくり寝かせてよ…』
母『こういう長期休みは生活習慣が乱れるの。』『着替えて早く降りてきなさい。』
翔太『はーい。』
翔太『またそうめん?』
母『暑いからね』
翔太『だったらかき氷食べたい』
母『今度夏祭りがあるんだってよ』
『その時に買ってあげるから』
翔太『今食べたい〜』
母『仕方ないな』
『央束さんのところに行って買っておいで』
翔太『やった!』
▶︎央束さんの駄菓子屋
翔太『央束さん!』
『かき氷ください!』
奥から出てきたのは50代後半の優しそうなお婆さんだった。
優しく落ち着く声で
央束『ショウちゃん。』
『久しぶりだねぇ…』
『今年で何歳になるんだっけ?』
翔太『来年から中学一年生になるんだ!』
央束『あら、ショウちゃんそんなに大きくなったんだねぇ〜』
『昔はこんなにちっちゃかったのに』
央束さんは指で少しの隙間を作った。
豆一つ分くらいの大きさ。
翔太は勢いよく喋った。
翔太『ボクそんなちっちゃくないよ!』
央束『だったかしら?』
『この歳になると忘れちゃうわね〜』
この駄菓子屋は向かいに海が見える場所で波の音が聞こえる。
ベンチに座りしゃくしゃくと音を立ててかき氷を食べる。
ブルーハワイの色が舌に移る。
央束『ショウちゃん人魚には気をつけるんだよ。』
翔太『人魚?』
央束『この時期は翔ちゃんくらいの子が連れてかれちゃうからね。』
翔太『どうして?』
央束『なんでなんだろうね。』
『ショウちゃん。海に行くんだったら気をつけなさいよ』
『海は綺麗でも簡単に人間の命を奪うからね。』
翔太『はーい。』
『じゃまたね央束さん』
央束さんは軽く手を振りまたお店の奥へと消えていった。
▶︎海沿い
翔太『昨日の嵐すごかったんだな〜』
『めっちゃ流れてきてる』
『サンダルだ』
そんな時奥の方に人の手が見えた。
翔太『え!』
『待ってろ今助けてあげるから。』
木の板、網などを取るとそこで気を失っていたのは綺麗な人魚だった。
翔太『人魚…?』
『…あ、水がなきゃだよね』
翔太は人魚の脇を掴み海の方まで引きずっていく。
人魚は目を覚まし指を動かすが翔太を襲う元気まではないようだった。
翔太『後少しだからね。』
海の中まで人魚を運ぶ
人魚は海に潜るが____ 人魚はすぐに浮かんできた。
翔太『潜らないの?』
人魚は翔太を見つめた
翔太『もしかして潜らない?』
人魚は頷く
人魚の体には深い傷跡が身体中にあった
翔太『怪我してるから?』
人魚はまた頷く
翔太は嵐で流れてきた救命浮き輪わ人魚の方へ投げた。
翔太『それに捕まって』
『ボクが安全なところまで連れてってあげる』
人魚はその浮き輪に捕まった
▶︎洞窟
翔太『ここボクの秘密基地』
『ボクと人魚さんの秘密だからね!』
人魚さんは頷く
翔太はリュックからさっき央束さんの駄菓子屋で買ってきたお菓子を出した
翔太『食べる?』
人魚は恐る恐るお菓子に手を伸ばした
人魚はそれを口に運ぶ
悪くはないようでむしゃむしゃと食べる
翔太『へへっ!』
『気に入ってもらえてよかった!』
『今度はもっとたくさん食べ物持ってくるから待ってろよ!』
そう言い翔太は帰って行った
人魚は1人洞窟の中に居た
そして自分の手を見ていた
鋭い爪、鱗
あの時あの人の子を食べることもできた
なのにしなかった
ただ助けてくれたからしなかった
それからも少年はこの洞窟に来ては食べ物をくれた
他愛ない話を聞いて
ある日少年から貝殻のブレスレットをもらった
翔太『人魚さんはにあげる』
人魚は翔太の頭を優しく撫でた
翔太は少し照れくさそうに笑う
▶︎お祭り
翔太『人魚さんは花火見ないの?』
人魚は首を傾げた
翔太『今回の花火大会はすごく綺麗なんだって!』
『よかったら一緒に見よう!』
人魚は優しく微笑む
翔太『やった!』
『じゃ、夜にまたここにくるね!』
『屋台の食べ物持ってくるからまってて!』
翔太は焼きそば、たこ焼き、かき氷などを買って人魚の元へ向かう
洞窟へ向かう途中海辺に何か光るものが落ちて見えた。
貝殻のブレスレット
あの時作ったブレスレット
貝殻が割れていた。
翔太は走った、花火が打ち上げられている中花火も見ずにただ人魚の元へ行きたかった
やっと洞窟の入り口に来ると人魚は大人達に捕まえられていた
大人『また子供を攫いに来たのか』
『早く殺せ』
翔太『やめて!!』
大人に飛び掛かる
翔太『この人魚さんは悪い人魚じゃない!!』
大人a『操られているのか…!』
大人b『大丈夫だ…怖くない』
『後でお祓いしに行こう』
大人c『子供を操るなんてよくもやったな』
翔太『違うの…!! 』
『待って!!』
『逃げて!!』
翔太の泣き叫ぶ声で人魚は海へと勢いよく逃げた
大人はその後を追って行く
翔太の鳴き声は洞窟に響き渡った
翔太『なんで…人魚さんは悪くないのに…みんなで人魚さんをいじめるの…』
翔太は手に持っていた貝殻のブレスレットを見た
翔太『…直さなきゃ…これを渡したら…お別れ』
『いてくれるといいな…』
翔太は素早く直し大人達が人魚を見つける前に人魚に会おうとする
波の音が響く____光の届かない底
翔太『に、人魚さん…』
人魚の姿が現れた
翔太『人魚さん!』
『良かった…』
『ボクてっきり…』
涙が溢れてきた人魚にまた会えた安堵とともにこれでお別れという寂しさを感じ直したブレスレットを人魚に渡した
翔太『早く逃げて!』
『ボクのこと…忘れないでね』
人魚『…』
人魚が何かを喋ろうとした時鈍い音が全ての音をかき消した
人魚の胸に銛が突き刺さっていたのだ
翔太『あ…な、どうして…』
『ごめんなさい!!』
『ボクがこんなもの返そうなんかしたせいで…』
人魚『…ありがとう…』
『返しにきてくれて…助けてくれて…』
『私の事忘れないで…』
人魚の瞳から涙が溢れた
その涙は真珠へと姿を変えた
人魚は銛を無理やり引き抜きそのまま海の中へと消えた
翔太は発見されるまでずっとそこにいた
貝殻のブレスレットと人魚の涙を手にして
翔太が見た人魚は沈めずにそのまま海に浮かんだまま死んでいた
翔太はそのまま大人に保護され両親の元へ返された。
そして何事もなかったように世界はまた回り日常が戻ってくる。
ただ手に残る貝殻のブレスレットそれに付け加えられた人魚の涙は光を失わず_____
初めてのノベル版での小説いかがでしたでしょうか
まだ未熟な部分もございますがどうか見てくださると嬉しいです
『沈むことができるない人魚』
ありがとうございました。
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#魔力
コメント
1件
読んだよ〜〜!!😭💕💕 「沈むことのできない人魚」、タイトルからもう切なさが滲み出ててヤバかった…。 翔太くんの純粋さと人魚ちゃんの優しさが刺さりすぎて、最後の別れシーンで涙腺崩壊したよ…。 「ありがとう」「私のこと忘れないで」とか、言葉少ないのにめっちゃエモい…。 貝殻のブレスレットと人魚の涙、ずっと大事にしたい気持ちになる。 続きがすごく気になる!最終回って書いてないし、まだあるんだよね?また読むの楽しみにしてるよ〜🌸✨