テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
リクエストありがとうございます!🙇♀️
おにしょたじゃないかも…、、、
ごめんなさい、!
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
夕方、アパートの廊下。
ドアが開く音と同時に、
小さな足音がぱたぱた近づいてくる。
「すちお兄ちゃーん!」
呼ばれるより早く、こさめがすちの
腰にぎゅっと抱きついた。
すちは少し驚きつつも、
もう慣れた動きでその頭に手を置く。
「おー、今日も元気だね」
「だってお兄ちゃんに会うの久々
なんだもん!」
こさめは顔を上げてにこにこ笑う。
家庭環境が複雑で母親はすちが引き取って
父親はこさめが引き取る感じで
二人が引き離されたが両親にちゃんと
許可を取ってよく遊びに来ている。
そして会った時毎回抱きついて
離れようとしない。
「なに、また宿題?」
「ちがう。今日は一緒にテレビ見たい」
「お母さんに聞いてからね」
「もう言った!いいって言ってた!」
勝ち誇った顔をするこさめに、
すちは「はいはい」と肩をすくめる。
部屋に入ると、こさめは当たり前みたいに
すちの隣に座り、
腕にぴったりくっついてくる。
「お兄ちゃん、あったかい」
「こさめも温かいね…」
そう言いながらも、腕は引かない。
こさめは満足そうに体重を預けて、
テレビに目を向けた。
血は繋がながっていてもずっと一緒
に は いられない。
だから会う許可をもらった時毎時間
毎時間を大切にしている。
顔を合わせて、名前を呼ばれて、
「お兄ちゃん」としてそこにいる。
それだけで十分みたいな距離で、
今日も二人は並んで座っていた。
テレビを見ていたはずなのに、
こさめの視線はずっと画面じゃなくて、
すちの方だった。
「……お兄ちゃん」
「ん?」
呼ばれて顔を向けた瞬間、
こさめはぐっと距離を詰めて、
腕を両手で抱え込む。
「今日さ、さっき知らない人と
話してたでしょ」
「ああ、隣の棟の人?」
それを聞いた途端、こさめの眉が
少しだけ下がる。
「こさめ、あの人やだ」
「なんで」
「だって、お兄ちゃんのこと見てた…
あれ…っ狙ってるよ!」
すちは一瞬きょとんとしてから、
思わず笑う。
「見てただけだよ?」
「やだ」
小さく、でもはっきり言い切る。
こさめはさらに腕に力を入れて、
まるで逃がさないみたいにしがみついた。
「お兄ちゃんは、
こさめのお兄ちゃんでしょ」
「まあ、そうだけど」
「じゃあ、他の人に取られたらやだ」
取る、なんて誰も言ってないのに。
すちは少しだけ言葉に詰まって、
それからゆっくり、こさめの頭を撫でた。
「大丈夫。取られないよ」
「ほんと?」
「ほんと」
その一言で、こさめの表情が一気に緩む。
ぎゅっとしていた腕の力が、
今度は安心した重さに変わった。
「じゃあ、ずっと一緒にいよ」
「それは……まあ、今はな」
「“今は”じゃやだ…ずっと!!」
「欲張りだな」
そう言われても、こさめは離れない。
むしろ満足そうにすちの肩に額を預ける。
ただ、当たり前みたいに
自分の居場所だと思ってるだけ。
それが一番厄介で、
一番かわいいってことを、
こさめ本人だけがまだ知らなかった。
ーーー
玄関の方から、がちゃりと鍵の音がした。
「すちー、こさめくん迎えに来たって」
お母さんの声に、
空気が一瞬で変わる。
こさめはぴくっと肩を揺らして、
すちの服を掴む指に、
ぎゅっと力を込めた。
「……もう?」
「みたいだね」
すちはそう言いながら立ち上がろうと
するけど、こさめは離れない。
「やだ」
小さく、でもはっきりと言う。
「こさめ、帰らない」
「今日はここまで」
頭を撫でようとすると、
こさめはその手を両手で捕まえてしまう。
「お兄ちゃん、また明日?」
「うん、また明日…頑張って俺も
許可取るよ」
「ほんとに?」
「ほんと」
でもそれでも不安そうで、
こさめはぎりぎりまで距離を詰めてくる。
玄関の方から、
「こさめー?」とお父さんの声。
びくっとして、
こさめの顔が一気に曇った。
「……やだな」
「何が」
「お迎え来るの」
すちは一瞬考えてから、
しゃがんで目線を合わせる。
「じゃあさ」
「?」
「帰る前に、ぎゅーしてく?」
その一言で、
こさめの表情がぱっと明るくなって、
次の瞬間には思いきり抱きついてきた。
「ぎゅー!」
「はいはい」
少し強めに抱き返すと、
こさめは満足そうに顔を埋めてくる。
「お兄ちゃん、こさめのだからね」
「はいはい」
軽く流すみたいに返しながらも、
すちはその言葉を否定しなかった。
名残惜しそうに離れて、
玄関まで送る。
靴を履きながら、
こさめは何度も振り返る。
「明日も来るから!」
「待ってるね」
ドアが閉まって、
静かになった部屋。
すちは少しだけ立ち尽くしてから、
自分でも気づかないうちに、
ぽつりと呟く。
「……ほんと、可愛いな」
それがただの世話焼きなのか、
それとももう少し違う感情なのか。
まだ、本人もわかっていなかった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
次の日。
学校から帰ってきたすちが、
靴を脱いでまだ二歩も進まない
うちだった。
「すちお兄ちゃん!!」
ドア越しじゃなく、
もう部屋の前から聞こえてくる声。
「早っ……」
ドアを開けた瞬間、
昨日と同じように、いや昨日以上の勢いで
こさめが飛び込んできた。
「おかえり!」
「ただいま……って、どうしたの」
「今日、すぐ来た!」
誇らしげに言うこさめは、
靴もきちんと揃えて、ランドセルも
背負ったまま。
「宿題は?」
「終わらせた!だから来ていいって
言われた!」
すちは思わず笑って、
こさめの頭に手を置いた。
「えらいじゃん」
「でしょ」
撫でられると、
こさめは自然に距離を詰めてくる。
昨日よりも迷いがない。
“来ていいか”じゃなく、
“来るのが当たり前”みたいな顔。
「今日はね、お兄ちゃんと先に遊ぶって
決めてたの」
「他の友達は?」
「あとで」
すちは一瞬だけ言葉に詰まるけど、
結局なにも言わず、ドアを開けてやる。
「じゃあ入って」
「うん!」
部屋に入るなり、
こさめはすちの後ろをついて歩く。
「昨日ね、帰ってからさ」
「うん」
「明日になれば、また会えるって思ってた」
それが“寂しかった”の言い換え
だってことを、
こさめはきっと気づいてない。
ソファに座ると、
こさめは迷いなく隣、しかもかなり
近い位置に座る。
「お兄ちゃん、今日は誰とも話さないでね」
「なんで」
「こさめが先だから」
独占欲ってほど強い言葉じゃない。
でも、順番を譲る気がない目。
すちはため息まじりに、
でもどこか柔らかく言う。
「はいはい」
「約束?」
「約束じゃないけど……まあ、いいよ」
その返事だけで、
こさめは満足そうに笑った。
今日も一番に来て、
一番近くに座って、
一番最初に名前を呼ぶ。
それが当たり前だと思ってる顔が、
少しだけ、すちの胸に引っかかった。
こさめはやっとすちの方を見て、
少しだけ潤んだ目で言った。
「一番じゃなきゃ、やだ」
急に我慢してたものが爆発したみたいに
子供のわがままを言う。
そう言ってしまえばそれまでなのに。
「こさめが一番に来るの」
「こさめが一番に話すの」
「こさめが一番に、お兄ちゃんに会うの」
一つ一つ、確認するみたいに。
すちは少し困った顔をして、
それから、こさめの頭に手を置いた。
「……順位つけるもんじゃないでしょ」
「でも……」
「でも、待ってたのは、ちゃんと嬉しいよ」
その一言で、
こさめの表情が少しだけ緩む。
「……ほんと?」
「ほんと」
でも、こさめはまだ納得してない顔で、
小さく言う。
「……ありがとう」
その言葉は、
独占でも恋でもないのに、
居場所を取られるのが怖いっていう、
すごく素直な感情だった。
すちはその重さに、
少しだけ、気づき始めていた。
コメント
3件
前回のお話も今回のおにしょたもほんま主さんの書き方上手すぎて尊敬します👶🏻💮 🍵🦈でRはどっちでもいいので嫉妬系書いていただけませんか😭💖 🍵🦈大好き過ぎてずっと見てますお願いします🙌🏻♡
うへへへへへ((殴 可愛いいいいい尊いい
188