私は同級生からいじめを受けていた。
第二話 言葉の億劫
私には中学からの親友がいた。高校も一緒のところに入学をした。クラスは違うけど、親友と同じ高校に行けたことは嬉しかった。親友と同じ通学路を通って、同じ電車に乗って、同じ校門を超えて、同じ学校に入る。そして同じ帰り道を通る。それが何よりの幸せだった。
高校に入学して3ヶ月が経過した頃、クラスにも馴染んでいた。そう思っていた。私は高校を甘くみていた。中学の時みたいに、友達と喧嘩しても、先生から説教を食らってる時も、黙ってたら済む問題ではなかった。私は人と話すのがあまり好きでは無い。悪く言えばめんどくさがり屋だ。そんな子供じみた私をクラスの人達は癇に障ったのだろう。私はいじめを受けるようになった。
いじめは慣れていた。小学生の時もいじめを受けていたからだ。小学生の時は親友が助けてくれてたが、高校は親友まで、いじめっ子の味方だった。
いじめを受けていても、親友がいじめっ子の味方をしていても、私は学校に行った。私は親友の楽しそうにしている顔が好きだった。私をいじめている時の親友の顔は楽しそうだった。毎日学校に行けば親友の楽しそうな顔が見れると思うと、いじめなんて苦でもない。が、たまに親友は私をいじめてもつまんなそうな顔をする時があるので、その日は私もつまらなかった。
だが、ある日から私の親友がいじめられていた。なぜかは知らないが親友の楽しそうな顔を見れなくなったのは憂鬱だった。親友がいじめを受けるようになってから5ヶ月。親友は自殺をした。親友は元々メンタルがとてつもなく弱いので、私が考えていた結末と同じになってしまった。
生きる理由が無くなった私は、親友と同じところに行きたいと考えるようになった。私と同じ高校に通って、同じいじめを受けて、同じ気持ちを味わって、最終的には同じ場所に行きたい。これが私の出した答えだった。
ーーー
松平「それさ、きみも異常なところあるんじゃないかな?」
水越「それは知ってるよ」
松平「自覚はあるんだね」
春風「まあ、親友さんと会えるといいですね」
春風さんは微笑みながらそう言った。
成海「次は誰にします?」
松平「じゃあ俺が話すよ」
松平さんは少し寂しそうな目をしながら話をしようとする。彼がどんな理由でここに来たのか正直、想像もつかないが、彼の口から発する言葉を私達はじっくりと待っていた。
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