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俺には弟が居た。俺にとって大事な存在だった。
第三話 失われた繋がり
俺の弟はある日、帰らぬ人になった。原因は分からないが、飛び降り自殺だった。弟以外にもう1人いたらしいが、その子との関係はどうでもよかった。俺はたった1人の大切な弟を亡くしたんだ。
弟がどんな悩みを抱えていたか、兄の俺は知る由もない。ただ、悲しかった。胸にポカンと穴が空いたような感覚だった。
それから俺は学校を休むようになった。世間の言葉で言うなら、うつ状態だったんだ。
ーーー
松平「だから集まりに参加したんだよね」
松平「あんまり長々と話すのは好きでは無いからここまで…」
成海「松平くんは弟さんが好きだったんだね」
松平「ブラコンとかそういう感じではないけど、家族としては好きだったよ」
成海とは高校で1番初めにできた友達だった。まさかこの集まりで会うことになるとは思っていなかったから、相当驚いた。
だが、ここで会うということは成海も悩みを抱えていると言うことだ。驚いたが、笑って成海と一緒にここまで来た。
成海「大切な人を失う辛さ、僕にもわかるよ」
松平「そっか…」
俺は同情なんて求めていない。そんなものいらない。正直に言う。前から成海のことは少し苦手だった。第一印象はよかったんだけど、最近の成海は気持ちが悪い。
春風「じゃあ、次は私が話そうかな」
春風「私の話は皆さんにとって胸糞が悪いかもしれない」
春風「だから、聞きたくなかったら耳を塞いでいて欲しい。」
春風さんは淡々とした口調でそう言った。そして淡々とした口調のまま話を始めた。