週末、まりあと出かけることになった。
「お試し恋愛」っていうよくわからねぇ関係のはずなのに、最近のまりあはなんか、俺のことをちゃんと見てる気がする。前みたいに「恋を学ばなきゃ!」っていう感じじゃなくて、もっと自然に。
……だからって、俺が特別な感情を持ってるわけじゃねぇけど。
「公園、行きたいんだって?」
「うん、最近、気になってたの。」
まりあが言う。
公園なんて、別に特別な場所でもねぇし、デートって感じでもないけど、まぁいいか。
俺たちは並んで歩きながら、公園に到着した。
思ったよりも人が少なくて、静かだった。
まりあは周りをキョロキョロ見渡して、ふわっと微笑む。
「なんか、落ち着くね。」
「……そうか?」
俺は適当に返しながら、まりあの横顔をちらっと見る。
……なんか、最近のこいつ、表情がやわらかくなったよな。前はもっと、作ったような笑顔ばっかだった気がするけど。
俺たちはベンチに座った。
風が少し吹いて、まりあの髪が揺れる。
……なんか、変な気分だ。
「まりあ。」
「うん?」
「お前、最近変わったな。」
「変わった?」
「うん。前よりも笑うようになったし、リラックスしてるっていうか…楽しそうに見える。」
本音だった。
最初は「お試し恋愛」とか言って、ルール決めて、必死にメモ取ってたくせに。
今はもう、そんなの関係ねぇみたいに自然に笑ってる。
まりあは少し驚いた顔をした後、ふわっと微笑んだ。
「そうかな?」
「そうだよ。」
「……ありがとう、李斗。」
「別に、俺が言いたかったわけじゃねぇけど。」
言った瞬間、まりあがまた笑った。
くそ、なんでそんな顔するんだよ。
「李斗、これからも、こうやって…一緒にいる時間、増えたらいいな。」
「……あぁ。」
俺は適当に頷いたけど、内心はちょっとだけ、動揺してた。
「お試し恋愛」なんだろ?
なのに、まりあの言葉は、まるで本物みたいで──
俺は、少しだけ目をそらした。
このままで、いいのか?
いや、そもそも俺は──
「なぁ、李斗。」
「ん?」
「これから、どこ行く?」
まりあが、無邪気に俺を見上げてくる。
俺はわざと肩をすくめて、適当に返した。
「さぁな。お前が決めろよ。」
「えぇー?また私?」
「当然。」
まりあはふくれっ面をしながらも、楽しそうに考え始める。
……ま、もうちょっと、この関係を続けてみるか。
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