テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
20××年4月16日、平凡な夫婦の元に、1人の子供が産まれた。
それは「私」にとって最悪の日であった。その日を呪い、恨むくらいには。
子供の名は、花と言った。
花はすくすくと健康に育ち、めんどくさがりで、マイペースではあるが、優しく、人を思える少女に育った。
花の母、美咲はそれをとても嬉しく思った。
美咲は、厳しくも優しい、母親だった。時に厳しく、時に優しく愛を持って花を育てていた。しかし、美咲は感情のコントロールが聞かない事があり、度々、厳しく叱りすぎてしまう面もあった。
そんな美咲の夫、誠はいつも家を空けるほど仕事が忙しく、たまに帰って来て、花を甘やかして去っていくような生活をしていた。
美咲は、その生活をよく思っていなかった。
実際、花を育てているのは私なのに、どうして誠が花を甘やかすのを止めるだけで、いつも悪者扱いされなきゃいけないのよ
そんな不満を抱えながら、日々花の世話に励んでいた。
美咲の努力が報われたのか、紆余曲折ありながらも、花を私立の中学校に通わせることができた。
しかし、美咲の子育てはそう上手くはいかなかった。
花が中学二年生になった頃、花の成績が著しく落ちたのだ。
美咲は花を問い詰め、叱りつけた。いったいどうしたらこんな点数がとれるのか、信じられない、こんな成績を取るような子に産んだつもりは無い、と
花は全く反省しなかった、悲しみもしなかった。慣れていたからだ、怒られ、叱りつけられ、呆れられることに
それと同時に分かっていた、自分は出来ない子なんだと、努力も才能もない、母の期待にさえ答えられない子なんだと
花は、正直、私立の中学校に入りたいわけではなかった。私立への憧れなどもなく、ただ、母に言われたから、そうしないとうるさいからという単純な理由で受験していた。
そんな事も重なり、公立より比較的進度の早い中についていけず、取り残されてしまい、とうとう花は落ちこぼれてしまった。
当の本人は全く気にしていなかったが、美咲は激しく動揺し、前よりずっと強く当たり、教育するようになった。
だが、それは花を思ってのことだった。
花もわかっていた、しかしそれを知ってもなお、頑張る気にはなれなかった。
自分でも分からなかった、なぜこんなに頑張れない、やる気が出ないのか
あんなに母を泣かせて、厳しくさせているのに
そう思った時、ふと気付いた、私は、母を思う感情や、愛が薄れてしまっているのだと、いつも怒られているせいで、何をしても怒られるんだろうなとネガティブな思考になるし、母への期待もとっくに無くなった、だからなのだと
これは自分が落ちぶれたことを必死に隠したい言い訳だったのかもしれない、けれどそう思っていないと、自分を殺してしまいそうで、そう思うしか他になかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!