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傷ついた心、君のせい

第31話 - 第31話ケンカ

2025年04月25日

#恋愛

#高校生

#青春

ハルマキ

その日、三咲は智也とまた一度、顔を合わせることになった。彼女は何度も心の中で考えて、どうしても彼に会わずにいられなかった。しかし、会った瞬間、彼女の中で抑えていた感情が爆発しそうになった。
「どうして、こんなことになっちゃったんだろう？」三咲は自分に問いかけたが、答えが見つからなかった。智也のことを好きだと言ったその瞬間から、すべてが変わってしまったように感じていた。

智也が近づいてきたとき、三咲は彼の顔を見て言葉を発した。「どうして、私にあんなことを言ったの？本当に、私の気持ちを考えたの？」

智也は少し戸惑いながらも答えた。「三咲、俺だってわからないんだ。君の気持ちは嬉しいけど、でも今は…」

その言葉に三咲の心がまた痛むのを感じた。「じゃあ、私はただの勘違いだったってこと？私が好きで、告白したのに、何も変わらないってこと？」

その言葉に、智也はついに声を荒げた。「違う！俺だって君の気持ちを無視したくはない。でも、俺の心は…」

「心は？」三咲は声を震わせながら続けた。「あなたの心なんて、どうでもいい！私はあなたに好きだと言ったのに、あなたは答えをくれない。どうしてそんなに優柔不断なんだよ！」

智也の顔が一瞬曇った。彼はすぐに冷静さを取り戻し、深く息をついた。「三咲、俺だって悩んでるんだ。だけど、今はすぐに答えを出せない。」

その言葉を聞いた瞬間、三咲は怒りと失望で胸がいっぱいになった。彼女はもう我慢できなくなり、その場で怒鳴った。「じゃあ、もういい！あなたがどう思おうと、私はあなたに期待しない。もう、私の気持ちは諦める！」

その言葉が智也に刺さったのか、彼の目が一瞬鋭くなった。「三咲…それが本気で言いたいことなのか？」

三咲はしばらく黙って立っていた。彼女の心の中で、智也に対する怒りと悲しみが交錯していた。そして、最後に一言だけ言った。「はい、もう終わりです。」

そのまま三咲は振り返り、歩き去った。智也はその背中を見送ることしかできなかった。彼の心にも複雑な思いが渦巻いていたが、何も言葉を発することができなかった。

その後、二人の間には深い溝ができてしまった。お互いに傷つけ合った言葉と行動が、二人の関係をさらに遠ざけていった。