「にゃんにゃんしたって誤魔化せない♡」
「ごめんよぉ、入道君。」
そう云い、連助の前に現れたのはふよふよ浮いている布の姿をした妖怪、一反木綿の柳田。事の始まりは柳田が良く滞在している学園の実験室からちゅどーんなる音を聞いた連助が駆け付けたところからだった。柳田の後ろ、穴がぽっかり空き、空が良く視える様になった実験室に連助は頭を抱えた。
「それで、なんだって?」
「うん。たまたま近くを通った泥田君が爆発に巻き込まれて薬の効力が中途半端に効いちゃったみたいなんだ。今は脅えて隠れてて…」
どうやらこの元実験室には連助の友人、泥田耕太郎が居るらしい。連助は柳田に実験室に入っても安全かを確認し、耕太郎を探しに実験室に入って行く。すると案外直ぐ見付かった。しかしその代わり連助の知っている以前までの耕太郎の姿はそこには無く、代わりと云ってはなんだが連助の親友、秋雨玉緒に似た様なものが耕太郎の躰にはあった。猫の様な耳、尾、牙。それに加え、連助を警戒しているのか毛が立っており、瞳孔が開いていた。
「はい、泥田確保ー。」
しかし猫の扱いには慣れている為、耕太郎は容易に捕まえられた。耕太郎自身も「いやそこはもっと手古摺るべきだろう。」と驚いている様子であり、尾が垂れ下がっていた。猫を扱い慣れた連助の手は耕太郎にはとても心地が良く感じた。
「お、実験成功だ。」
「お前の実験が失敗するなんてはなから想ってねぇよ。莫迦布が。善い加減にしてくれよ。」
当たり前でが連助は相当キレている様子だ。
それを感じ取ったのかなにか、耕太郎の尾が再び上がり振られる様になった。これはまずい。そう想った連助は顎の下部分を巧みに撫で始めた。ゴロゴロ。そんな音が鳴ったと想えば尾は振られぬまま上がり続けている様子。甘えた状態、良好だ。
「入道君に懐いてるみたいだね。取り敢えず俺は警戒されちゃってるからもう下校時だし泥田君任せていいかな。何かあれば連絡してよ。」
「は?言い訳…」
ひゅん。風を裂く音が耳に飛び込む。
逃げられた。連助がそう想うまでにそう時間は有しなかった。「上手くいかない。」そんな一言を零しながら連助は人知れず耕太郎をなんとか寮まで連れ帰ったのであった。
――「で、お前は何食うンだよ。」
夕飯時、連助は未だ一言も鳴かぬ耕太郎に尋ねた。
すると耕太郎はくぁっと欠伸をするだけで何も応えない。ただ丸まり、ベッドで寛ろいでいる。大層な御身分だこって。連助にそう想わせた耕太郎の凄さは猫並だろう。
「しっかし、お前が食うのはキャットフードなのか?それとも普通の料理か?いやしかしキャットフードの方がリスクが無いな…」
幾ら猫と云えど一目で耕太郎だと認識出来る程には耕太郎だ。耕太郎は呑気に喉を鳴らしているが連助はそれに構う暇も無い。「玉緒からキャットフードを貰ってこよう。」玉緒なら耕太郎を見せても、いや、耕太郎を見せた方が判る事が多いやもしれない。
「じゃあ泥田。ちょっと行ってくる。」
「直ぐ戻ってくるから。」そう言い残し扉の取手に手を掛ける。すると耕太郎が先程には想像も出来ない速さで連助に駆け寄ってきた。「にゃあん、にゃあ。」耳をパタパタとさせながら寂しそうに鳴く。今までうんともすんとも鳴かなかったのに。連助は耕太郎の変わり身に痛く驚いた。
「結局行けなかったなぁ。もしかしてお前腹減って無いのか?」
当然ながら無視。
先程まであんなに鳴いていたのが嘘の様だ。
それならば。と連助は思い立ったかの様に「よし」と声を上げ、耕太郎に帽子とタンスから引っ張り出してきたズボンを半ば無理矢理履かせた。耕太郎は少々不服そうだがこれで一見してみればただの耕太郎である。声さえ出さなければ。自身も帽子を被った後、連助は耕太郎の手を引っ張り、玄関まで走った。
「泥田、散歩行くぞ!!」
「ふん、ふんふんふん。」
鼻歌混じりに歩く連助はご満悦。
片手には二人分のカップラーメンにキャットフードが入ったコンビニ袋、もう片手には耕太郎の手と不満に想う点がトントン拍子に解消された為である。
「さて…帰ってきたは善いが……食わねぇなぁ。」
カップラーメン、キャットフード、どちらも出したは善いものの一向に食う氣配がしない。さてどうしたものか。連助が困っていると柳田から連絡がきた。連助はメール画面を開き、その文を確認する。
「入道君度々ごめんよぉ、食事の事なんだけど。」
「あぁ、今丁度困ってたとこだよ。」
ナイスタイミング。
どうやら柳田直々の説明がある様だ。
「今判った事なんだけど薬の副作用があるらしくてね、一ミリ位申し訳無いと思ってるよ。」
「お前の一ミリは俺達からしたら百万だわな。」
「あ、今薬の説明書送るね、俺そういうの口にする性格じゃないからさ。読んでね。」
ツーツーツー。
突如のガチャ切り。
連助はなんなんだと思いながらも柳田からの説明書を待つ、すると数分して説明書が送られてきた。どうやら食事の部分に赤戦を引いてくれていた様だ。連助は赤線に沿い、文章を読む。以下、原文まま「食事は薬の副作用により、性のみとされる。」連助はスマホを床に叩き付けた。連助の膝に乗っかりリラックスしていた耕太郎は一瞬肩を震わせた。しかし直ぐにまたリラックスし始めた。
「性のみぃ……?」
連助の膝の上には耕太郎が乗っている。
無防備にも耕太郎は連助に腹を見せ、ゴロゴロと喉を鳴らしていた。連助は少し迷ったがしかし、説明書の文字がまるで連助を洗脳するが如く脳裏に過ぎる。いざ云われてみると連助はこの状況が如何に都合が良いかを思い出した。それこそ猫化等、耕太郎が良く読んでいる淫猥本の物語の様ではないか。連助は唾を呑みそして、いつの間にか耕太郎へと手を伸ばしていた。
「ん”ふぅッ…♡に”ゃぁああッッ゛……ッ♡」
尾を刺激してやると気持ち善さそうに声を上げる。涙目の耕太郎の涙を連助が舐め取る。
「ふに”ゃあぁお…ッ”_♡」
薬の副作用に感度差が関係しているのかは知らないがいつもより数倍は感じている様に見えた。連助の大きな一つ目に映るは想像よりも淫らな猫の姿。
「にゃッ”_ぉんッ゛ッ…ッ”……♡♡」
突き出された尾の根を指で挟み、少し力を入れ上下に素早く動かす。
「なあ”“ぁッッおッ”♡♡」
耕太郎の焦点が合わない瞳はチカチカと輝り、連助はその様子をうずうずしながら見守っていた。早く挿れたい。が、しかしそんな訳にもいかない。もう少し解かさねば。連助はやっとの想いで耕太郎の肛へローションを垂らした。すると自身の指にも垂らす。そしてその指を二本耕太郎の肛へ勢い良く挿れた。
「にゃ”…?!ぉッッ゛♡」
二本の指で掻き乱す。
すると耕太郎の善がり声が聴こえる。
可愛らしく愛おしい。
「ぉお”ッにゃ…ッッ゛ん……♡♡」
ぱち”ゅッん、ぱし”ゅッッッ゛ん
「ふ゛にゃッ…”にゃ_、ッん.♡」
連助の陰茎を挿れてから段々夜が更けてきた。
深夜十一時五十四分。連助は疲れ等忘れて腰を振っていた。耕太郎は何度もしつこく腰を振られ疲れきっていが追い討ちでもかけられる様に快楽に浸らされている。
「ぉ”にゃ゛ッ♡♡」
耳を触られまた声を漏らす。
しかし止まらず次は腰に指を落とされる。
トンットンッと連助は耕太郎の腰に指を何度も降ろす。
「ぅにゃッ゛_、にゃ”お.ッッ”“..♡」
耕太郎の可愛らしい鳴き声が連助の耳を包む。
連助はそれを愛おしそうに眺めては目を逸らす。
ゴジュッ”..♡
「ぁッ..へにゃ”._、♡♡♡」
尾をピンッ、と立たせたのを合図に耕太郎は自身の陰茎から水飴を吹き出した。「ふぅッ゛_、ふぅ..” ♡」荒い息を整えていると次第に陰茎から吹き出る水飴も止まり出す。連助はそれをしかと目に止め、またゆっくりゆっくりと動き出す。
「ぅッ..゛はぁ”..♡」
耕太郎はもう体力が尽きたのか、だらんとしていて気だるそうである。連助はそんな状態の耕太郎を知らぬとし、大きな瞳からズラした。しかし氣になる点。耕太郎の猫化はいつ解けるのか。時刻は早くも零時ピッタリ。お決まり展開であればもうそろそろ解け始めても可笑しくは無い。というより解け始めている氣がしている。連助の大きな瞳ではズラしきれない。耕太郎の猫の様な細長い瞳孔。治り掛けている氣がしてならないのだ。ベッドの直ぐ下にある先に叩き付けたスマホ。連助は迷った。連絡すべきだろうか?
「…ご都合展開、利用するに損は無いか。」
否、この手のご都合には慣れている。
連助の対応力とあればなんとかなるだろう。
それに連助は己の頭が良く回転するのを知っている。それならば、怪しげな狂科学者より自身を信頼するに限るか。
「なぁッ゛.♡ぉ_”“♡♡」
連助は考えた後、再び腰を揺らした。
ベッドは意味有りげに軋む。
ギシギシと音を立て関係を再認識させる。
――「可愛い猫になってまで俺と交尾したかったんだしな?」
コメント
3件
わ 凄い好物に近い小説を見つけてしまいました 😭😭💕 猫化かわいすぎです😻 あ.え.ぎ.声 の中に線?みたいなのが入ってるの好きです😖😖💘 お腹いっぱいですご馳走樣でした 😇💖
喘ぎ声のレパートリーで悲鳴を上げました🫶🏻