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悪役のあなたは私のヒーロー

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悪役のあなたは私のヒーロー

4 - とある東南アジアの国と極東にある島国

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2024年03月31日

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※リメイクしました。

⚠️WW2後のアジア中心の話です。

⚠️旧国注意!

⚠️日本と日帝は別々に出てきます。

⚠️陸自=日帝です。

⚠️史実を無視してることが多いです

⚠️カンヒュでは国として捉えてしまわれがちですが、実際は人が動かしているため、その国の全ての人が善、悪であるという解釈は避けるようお願いします。

それでもよろしければ⤵︎























後日ーー


東南アジアの独立したての国である彼は、

砂浜で海を眺めながら考え事をしていた。


「 国として独立できたはいいが。

これからどうやって発展すれば良いのだろうか。 」


その時、遠くに人影が見えた。

目と目があった瞬間、

その人は俺に向かって走ってきた。


『 お元気でしたかー? 』


彼の顔に描いてある日章旗。

彼の小柄な体と性格にあった、無地の和服。

優しそうで、吸い込まれそうな黒い瞳。


彼には見覚えがあった。

何故今まで忘れていたのか分からない程、よく顔を合わせていた人物で、僕の親みたいな存在。


「に、日本さん…、!?日本さん!

僕、勝ちましたよ!戦争に、勝ちました!」


『 良かった…本当に良かった。 』


そこにいたのは、

独立を約束した人物で、僕に心を開いてくれた数ある人の1人、日本さんだった。

走ってきたからか、彼は額に汗を浮かべて少し呼吸が荒かったが、その顔はとても嬉しそうだった。


『 私では力不足で、あの子の力を借りてしまいましが、約束。果たせて良かったです。 』


「 約束……、 」


そうだ、

あの時僕は、

殖民地、戦争、統治、過激、独立

いろんなことに押しつぶされていたからか、

誰も信じられなくて、自分をも見失ってて、

日本さんをも信じられなかった。

しかし、どうしても独立したかった僕は、

思い切って日本さんに思いを伝えた。

さらに、日本さんも了承してくれた。


なのに、なのに…、

あの日以降、日本さんは僕の前から姿を消した。その後すぐ、日本さんが負けたという知らせを聞いた。

しかも、オランダも僕のところに戻ってきた。

このまま、独立は出来ないのかと思っていた。

彼の約束は上辺だけだったのかと、

また絶望した。


けれど、そうか、

日本さんも、

あの日の事を覚えてくれていたのか。


安心したのと同時に、涙が込み上げてきた。


「 そうですね。

本当に、……、ありがとうございましたッ!」


『 泣かないで下さい!こちらこそ、あの子も貴方と話して楽しい時間を過ごせたと思いますよ。』


「 それは……、はい。そうだと良いです。

それで…、彼は、日帝はどうなったんですか?」


『 それは、私の口からはお話しできません。 』


「 そう、ですか…。

すみません、変な質問をしてしまいましたね。

これからは、僕も一国の国として、日本さんと仲良くしていきたいです。よろしくお願いします。」


『 はい!よろしくお願いします。 』


2人微笑みあった。

目元は若干赤く、

僕の心は温かかった。


『 そういえば、名前は決めたのですか? 』


「 名前…まだ決めてませんでした。」


『 では、名前が決まったら、聞かせてくださいね。』


「はい!もちろんです。」


「では、また必ず、会いましょう。」


カタコトなインドネシア語。

けれどもどこか懐かしく暖かみを感じた。


去っていく日本さんの背中は、

僕にとっては大きいはずなのに、

どこか、

小さくて、悲しくて、寂しくて、

このまま会えなくなってしまうのではないのかと不安にかられた。
















-数十年後-


とある東南アジアの国の空港に一便の飛行機が停まる。

そこから降りてきた人に誰かが手を振っていた。







空港内にて


「日本さーーん!」


その声は前聞いた時よりも何倍元気がよく、

遠くでもよく通る声だった。


日本『あ!インドネシアさん!』


インドネシア「日本さん、名前覚えてくれてたんだね!」


日本『ええ、勿論!貴方から名前を聞いた時私凄く感動したんですから。』


インドネシア「そんな〜!日本はいつも大袈裟だね!」


インドネシアを含めた東南アジアは、今世界にも一目置かれている国である。


綺麗な青い海を背景に、

風に靡かれているインドネシアの旗を見上げる。


日本『……こう見ると凄く変わりましたね。本当に凄いです!』


インドネシア「へへ、ありがとうございます!でも、日本さんのおかげでもあるんですよ。」


日本『……え?私の…?』


インドネシア「僕、独立の時日本さんと日帝さんがいなければ…、諦めてたかもしれない。

でも、貴方達がいたおかげで、ここまでこれた。

僕が独立した後も戦後とは思えないくらいに成長した貴方は私達の目標だったんだよ。

…本当にありがとう!」


こちらに満遍の笑を浮かべている彼は、今までで1番輝いていた。


日本『!、こちらこそ!

私もインドネシアさんがいなければ…、ここまでやってくる事が出来ませんでした。

私からも、ありがとうございます!』


インドネシア語は前より上手くなったか分からないけど、彼の満足そうな顔を見ると

自分まで嬉しく思えてしまう。

多分…、

いやきっと、私の思いは届いたはず。


日本『 日帝さんも、隠れて来ないで出てきて下さいよー! 』


インドネシア「 ……え? 」

そう言われて振り返ると、そこには隊服を着た彼がいた。

前とは全く違う服で、模様も少し違うが、彼の目は相変わらず綺麗な赤色だった。


『 日本さん……、その名前で呼ばないでっていってるじゃないですか。

そして、久しぶり、インドネシア。

今はその…、陸自衛隊として国を守っているんだ。また、会えてよかったよ。 』


インドネシア「 良かった……。ほんと、何年心配しましたと思っているんですか。 」


そういうと涙が出てきた。

約束を忘れたいなかった事、彼が生きていた事、今までの苦労が実った事

色々な思いがこみあげてしまった。

しかし、笑顔だった。

悲しい涙ではなく、嬉し涙。

彼らは、再会に暖かな思いに包まれた。


これはとある東南アジアの国と

極東にある島国の話。

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