WW2のアジア中心の話です。
⚠️日本と日帝は別々に出てきます。
⚠️日帝好きな人は注意
⚠️日本語がおかしいかも知れません。
⚠️史実を無視してることが多いです
※カンヒュでは国として捉えてしまわれがちですが、実際は人が動かしているため、その国の全ての人が善、悪であるという解釈は避けるようお願いします。
それでもよろしければ⤵︎
『……、ハッ、あっ…
すみません、ありがとうございます!』
目と目があった瞬間、
日章旗が描かれているその人は、先程まで彼に委ねていた体を起こし、再度、こちらの方に体を向かせた。
数秒こちらを見た後、ゆっくりと口を開ける。
『…独立、出来ましたか?』
少し心配そうな顔をしていた。
「はい、お陰様で。」
目の前の心配そうに、
生まれたばかりの雛を見るようにこちらを見つめている彼に、
心配しなくても大丈夫だと言わんばかりに微笑む。
『良かった…本当に良かった。』
しかし、効果は逆に効いてしまったのか、彼の目には涙が浮かんでいた。
彼の顔に描いてある日章旗。
小柄な体に、優しそうな瞳。
それに、少し涙腺が弱いところ。
見覚えがあった。
何故今まで忘れていたのか分からない程、よく顔を合わせていた人物で、僕の親みたいな存在。
「に、日本さん…、!?日本さん!
僕、勝ちましたよ!戦争に、勝ちました!」
そこにいたのは、
独立を約束した人物で、僕に心を開いてくれた数ある人の1人、日本さんだった。
日本『ええ、あの子の力を借りてしまいましが、約束。果たせて良かったです。』
「あの子…、もしかして、日帝さんの事ですか?」
日本『そうです!
良かった…、術は成功したようですね。』
「じゅつ…?術って、どういう事ですか?」
術というあまりいい響きではない言葉に反応する。
そう言えば、
日帝さんも体に取り入れられたとか、
そんな事を言っていたな…。
日本『昔、少し術の知識だけ齧っていた時があって、その時に覚えたものです。
インドシナさんが、あの時、すごく真剣な顔で、独立の約束をしたものですから、それが頭から離れずにここにまた来たんです。
しかし、私は戦争に負けてしまい、力が無かったので、日帝に手伝ってもらったのです。』
「…そうだったんですね。」
そうだ、
あの時僕は、
殖民地、戦争、統治、過激、独立
いろんなことに押しつぶされていたからか、
誰も信じられなくて、自分をも見失ってて、
日本さんをも信じられなかった。
このまま、独立したかった僕は、
思い切って日本さんに思いを伝え、日本さんも了承してくれた。
なのに、なのに…、
あの日以降、日本さんは僕の前から姿を消した。その後すぐ、日本さんが負けたという知らせを聞いた。
しかも、アイツも僕のところに戻ってきた。
このまま、独立は出来ないのかと思っていた。
けれど、
そうか、
日本さんはあの日の事を覚えてくれていたのか。
安心したのと同時に、涙が込み上げてきた。
「本当に、……、ありがとうございましたッ!」
日本『泣かないで下さい!こちらこそ、あの子も貴方と話して楽しい時間を過ごせたと思いますよ。』
「はい、そうだと良いです。」
「これからは、僕も一国の国として、日本さんと仲良くしていきたいです。
よろしくお願いします。」
日本『!、よろしくお願いします。』
2人微笑みあった。
目元は若干赤く、
僕の心は温かかった。
日本『そういえば、名前は決めたのですか?』
「名前…まだ決めてませんでした。」
日本『では、名前が決まったら、聞かせてくださいね。』
「はい!もちろんです。」
日本「では、また必ず、会いましょう。」
カタコトなインドネシア語。
けれどもどこか懐かしく暖かみを感じた。
去っていく日本さんの背中は、
僕にとっては大きいはずなのに、
どこか、
小さくて、悲しくて、寂しくて、
このまま会えなくなってしまうのではないのかと不安にかられた。
-数十年後-
とある東南アジアの国の空港に一便の飛行機が停まる。
そこから降りてきた人に誰かが手を振っていた。
空港内にて
「日本さーーん!」
その声は前聞いた時よりも何倍元気がよく、
遠くでもよく通る声だった。
日本『あ!インドネシアさん!』
インドネシア「日本さん、名前覚えてくれてたんだね!」
日本『ええ、勿論!貴方から名前を聞いた時私凄く感動したんですから。』
インドネシア「そんな〜!日本はいつも大袈裟だね!」
インドネシアを含めた東南アジアは、今世界にも一目置かれている国である。
綺麗な青い海を背景に、
風に靡かれているインドネシアの旗を見上げる。
日本『……こう見ると凄く変わりましたね。本当に凄いです!』
インドネシア「へへ、ありがとうございます!でも、日本さんのおかげでもあるんですよ。」
日本『……え?私の…?』
インドネシア「僕、独立の時日本さんと日帝さんがいなければ…、諦めてたかもしれない。
でも、貴方達がいたおかげで、ここまでこれた。
僕が独立した後も戦後とは思えないくらいに成長した貴方は私達の目標だったんだよ。
…本当にありがとう!」
こちらに満遍の笑を浮かべている彼は、今までで1番輝いていた。
日本『!、こちらこそ!
私もインドネシアさんがいなければ…、ここまでやってくる事が出来ませんでした。
私からも、ありがとうございます!』
インドネシア語は前より上手くなったか分からないけど、彼の満足そうな顔を見ると
自分まで嬉しく思えてしまう。
多分…、
いやきっと、私の思いは届いたはず。
暖かな思いに包まれた。
あの時の乾パンの味を思い出す。
これはとある東南アジアの国と
極東にある島国の話。
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