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エピローグ
このあとの青年について、私帝王の魂が、読者のみなさんにざっとだが話しておこう。青年は論文の草案作りに着手した。それは、これまでバラバラにイメージしていた力学に関するものだった。平行して、クタイと共にボーリングシャツを販売するビジネスをはじめた。世の中が不況から好景気になったとき、青年は塩漬けにしていた株が上がっていることに気づいた。彼は売却益をビジネスに投資した。ビジネスが軌道に乗り始めると、最後に残った自動車部品の仕事を辞めた。青年は、趣味と仕事が一つになったと喜んだ。
クタイとボーリングをやりながら、青年は物理法則について考え続けた。研究と遊びが一つになっていることを青年は喜んだ。論文がまとまった頃には、彼はもはや青年とは言えない年になっていた。クタイはその内容を読んで驚いた。そして、自らの研究室の部下を使って考証、論証を繰り返した。
元青年はビジネスを売却すると、学会側からの要請に従い大学に戻った。彼の描いた力のビジョンにクタイ側からの詳細なデータが加わるうち、理論は学会の有力な説の一つへと押し上げられていった。
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