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嘘つきは恋のはじまり!?

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嘘つきは恋のはじまり!?

5 - 偽りの恋人・2(rbsha)

♥

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2024年06月23日

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朝だ。


やかましく鳴る目覚ましを止め、俺はベッドから緩慢な動作で起き上がる。


「ッあ〜……………」


どうにも今日は寝覚めが悪い、なぜだろうか。いつもは鳥の声とともに起きるくらい早起きなのに。あくびを一つすると、俺はまたベッドに腰掛け、目を瞑る。浮かんできたのは、腐れ縁の幼馴染、いや、親友の…





「ほんまに?……………ッ、嬉しい、」

「お、俺もロボロのこと、好き…、付き合お、」




やわらかくこちらへ微笑んだ彼の、桜色に色づいた頬と艷やかな唇が印象的で、俺は…………




「うわ〜〜〜〜〜ッ!?!???!」

うるさーい!と怒鳴る母親の声が階下から聞こえた。









「はあ〜……………………」


まだ5月だというのに、容赦なく照りつける太陽。爆速で朝食を食べることで余裕のある朝を手に入れた(?)俺は、学校への道を牛歩で進んでいた。


「いや、どんな顔して会ったらええねん…」


昨日のことを思い出してはまたため息をつく。ああ、こんなつもりやなかったのに。たしかに恋人は欲しかったけど、同性の、しかもあんな奴と付き合うなんて!告白した俺が悪いのはもちろんなのだが、やり場のない怒りがふつふつとこみ上げてくる。


「ローボロっ♪おはよー」

「ゾムぅお前…っ!元はといえばお前のせいなんやぞ!!!!」

「うわーなになになに!??いた、痛いってロボロ!?!」


後で存分に仕返しをしてやることを心に決め、俺は今度こそ学校へ走り出す。


「ちょ、え、ロボロ!?なんやねんお前!!!」


涙目のゾムが後ろで何やら喚いていたが、気にするだけ無駄や、お前はゆっくり反省せえ!









「あ、ロボロ〜おはよ!」

「っ、ああ、おはよ………」


教室に入ると、友人と騒いでいたシャオロンが手を振ってくる。緊張していただけに、いつも通りの態度に拍子抜けした。彼は友人と二言三言話すと、俺の席へすいすいやってくる。


「なんや、今日来るん遅かったやん」

「まあ……ちょっと寝坊して」

「ロボロが寝坊すんの珍しいなー、いつもジジイか!ってくらい早起きやのに」

「誰がジジイやねん」


よかった、いつもと同じだ。正直、明らかに態度が変わっても合わせられる自信がなかったので、少し安心した。シャオロンはこちら向きに自席に座ると、すらりと細い足をぶらぶらさせている。


「なあー、今日の放課後、空いてたりせえへん?」

「今日?まあ、空いとるけど…」

「じゃあどっか寄ろーや」

「ええけど、………なんで俺?」


生来明るく元気な性格のシャオロンは、とにかく友人が多い。なにも俺やなくても、スケジュールが合いやすいだろう、部活の友達とかと遊べばええのに。俺が首を傾げると、シャオロンは不満そうに唇を尖らせる。


「なんでって、お前………」

「はあ?」

「俺は、ロボロと遊びたいから言ってんの!」

「やから、別にわざわざ俺を誘わんでも」


シャオロンは悔しそうにこちらを睨みつける。


「………やーかーら、…デート、しようって!」

「…っ、ああ…!」


そっか、俺とこいつは昨日から恋人、なんやった。あまりにも友達として一緒にいた期間が長すぎて、すっかり忘れてしまっていた。


「てか、お前声でかいわ」

「はあ〜?…………」

「誰かに聞かれでもしたらどうすんねん」


勘違いされたら困るやろ、という言葉をすんでのところで飲み込んだ。勘違いもなにも、コイツの中で、俺は唯一の恋人なのだ。それがたとえ、俺にとっては、その場限りの嘘だったとしても。


「…別に俺は、聞かれてもええけど。」

「え?」

「なあ、そんなに俺と付き合ってるん、言いたくない?」

「や、そういうわけじゃ…」


…最近気づいたが、俺はコイツの顔に弱い。大きな、潤んだ琥珀色の瞳で見つめられると、なんでもしてあげたくなってしまうのだ。調子に乗るから、絶対に本人には言わないけれど。


「…なーんてな!お前そんな困った顔すんなって〜」


俺が言葉に詰まっていると、シャオロンはにぱっと笑った。さっきまでの切なげな表情はすっかり消え去って、いつもの太陽みたいな笑みが戻ってくる。


「シャオ、」

「てかそもそも、俺ら元からこんな感じやったしなー。今更デートとか言ったところで、誰も気にせんやろ」

「…いや、俺はお前とデートしてたつもりないねんけど」

「ええーー!?」


ロボロくんちゅめたーい、と泣き真似をするシャオロン。


「なにお前ら、またいちゃついてんのかよ〜」


からかい混じりに声をかけられ、彼はそちらに顔を向ける。


「なー聞いてや、ロボロが冷たいねん〜〜」

「おーよちよち、シャオロンちゃん可哀想でちゅね〜」

「どしたん話聞こか〜?」


更にわいわい騒がしくなる彼らを横目に、俺はHRの準備を始める。1限目の数学、いつも寝てるアイツとは違って、俺は真面目に受けるからな。


「いやほんまに冷たいやん」

「おもろ、シャオロンお前何してん」

「ええ〜………なんもしてないけど…」


ちらりと彼の方を見ると、ちょうど目が合った。…まあ、とりあえず放課後は空けとくことにするか。








____________________










お久しぶりです。(3ヶ月ぶり…?)色々多忙にしており、中々更新できていませんでした。すみません!また少しずつ書けたらいいなあ〜



閲覧ありがとうございました〜!次のrbshaはドキドキ☆放課後デート編です、ではまた〜










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コメント

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ユーザー

とんでもなく可愛いです…!! ほんとにrbさんshoさんに弱いんだろうなあといい微笑ましい感じがめっちゃ好きです……!!! 学生。っていう青春とか儚さとかが入り混じった感じの雰囲気の再現が素敵すぎます…!! RoNiさんのペースで素敵な作品見せていただけたら幸いです…!!

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