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※強めの幻覚
※全て妄想の産物
※最早夢小説の域に達しています
※苦手な方はブラウザバック推奨
帰りのホームルームの終了を鐘の音が告げる。
いつものように荷物をせっせとカバンに詰めて帰宅RTAを始めようとしたところで、教室の騒音に紛れて前の方から椅子の動く音がした。
それに少しビビりながらも、自分には関係ないだろうと椅子から立ち上がろうとしたところを、彼の声が引き止めた。
「ね、キミ」
声のする方に視線を向けると、前の席の彼が椅子をくるりと半回転させ、その桃色の瞳がこちらを見上げていた。
「放課後ひま?」
口の端をにやりと上げ、悪戯っ子のように笑う。
突然の質問に言葉が詰まり、カバンの紐を強く握るしかできなくなる。
「放課後デートしない?気になってるカフェあってさ」
内藤くんのスマホ画面に映るとあるカフェのツイート。
あ、ツイッター黒画面だ。謎の親近感を感じつつも、デートという言葉に変に意識してしまう。
ていうか顔ちっか。睫毛なが。唇ぷるぷる。無理かも。
「……んふ、顔あか。カワイー」
揶揄うようにニヤケ顔を見せる内藤くん。
「で、返事は?……一緒に来てくれる?」
好きな人に誘われて、断る理由なんて無いだろう。
「……俺で、よければ」
「あは、やったあ」
嬉しそうに笑うから、心臓が余計うるさくなって、勘違いしそうになる。
「……飲まないの?」
「ぃ、や……のむ、うん……飲みます」
大きないちごパフェを頬張りながら、首をかしげる内藤くん。
かすかに震えた手でドリンクのカップを掴む。
何故こんなにも冷静さを失っているのかというと。
眼の前の彼が、ついさっきカップル限定メニューのいちごパフェを平然とした様子で注文したから。
俺このいちごパフェ食べたくてさ、と笑って。
まだ頭の処理が追いついていないというのに、彼はまた爆弾発言をする。
「ひとくち食べる?」
赤いいちごと真っ白なクリームの乗ったスプーンをこちらに差し出してそう言う。
間接キスだということを意識してしまうと、パフェよりもその銀色のスプーンの方が甘美に映って。
「いい、の」
「いーよ。ほら、あーん」
おずおずと、出されたスプーンを咥える。
あー、やば。好きな人と間接キスしてる。やば。
「おいしいでしょ」
「……ウン」
ドキドキのせいで味なんて正直分かんなかったけど、胸焼けはしそうだった。
「楽しかったよ。またデートしようね」
なんて言って笑う内藤くんに、また好きが加速する。
いつになればこの片想いを辞められるのだろうか。
コメント
2件
はい来ましたさーもんさんの俺桃!! 最高すぎます!!! こんな可愛い桃さん好きにならない人なんていないですよ😭 俺桃…いいっすよね…👍