隠し事がある生徒会と、隠し事がある紫の話
家族、家庭の捏造あり
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kn side
今日も今日とて、生徒会室に5人。
そろそろこの学園に居る不良をどうにかして欲しい、との声が多い。現在は要の[不良]とやらについて話し合っている。
進行は生徒会長ことNakamu。
nk「先生からこの子の話は聞いたけど…」
br「まさか最近話題の不良くんとはねぇ」
その彼の話を聞いた所、一筋縄では行かなそうだ。
と言うのも先程Broooockが述べた通り、最近学園内で話題になっている不良集団…と言うのだろうか、そのボス的存在をどうにかしろと。
明らかに生徒会でやる内容じゃ無いだろ、とも思ったが出来る限りの事はしなくてはならない。それが生徒会。最早、先生方の奴隷な気もするが。
kr「とりあえず、そいつの概要読みあげるね」
sh「うい」
2年5組、星雷紫音。生徒、教師までもの物を盗んだり、数人の取り巻きと他不良の計十数人人程度を率いる。学園外での盗み等は見つかっていない。本人が物を盗む、暴力を振るう等の行為は見られて居らず、取り巻き等に暴行の指示をしている所は見かけられていないし、巻き込まれた生徒からの報告も無し。
何かしらの事情がある可能性が高い為、出来るなら話し合いで解決してもらいたい。
kr「…だとよ、俺らの仕事かよこれ。」
kn「それ。まぁ同級生の方が話しやすかったりするのかな…?」
sh「だとしてもだよな…」
nk「じゃあ、皆把握した所で作戦会議始めようか」
結果的には隣のクラス、4組であるBroooockと俺が放課後校舎裏に呼び出し。万が一取り巻きやらに手出しされそうになったら即座に離れ、後日に持ち越し。
校舎裏で5対1の話し合い、と言う事になるがまぁいいだろう。無理だったら職員室に駆け込もう、という事になり今日は解散。決行は明日。
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br side
話し合いを試みる為に5組へ。恐らく取り巻きであろう人が2人居るがまぁ大丈夫。
br「…行こっか」
kn「だね」
一直線に近づいて行けば、何?と言いたげな表情の本人と明らか喧嘩腰の取り巻きさん。
正直怖いです
mb1「何、あんたら。」
mb2「何用?帰りたいからさっさとしてくんね」
kn「君達に用はないんだよね」
キッパリ言うのねきんさん…
sm「…じゃあ何、俺?」
kn「そう、君に話があるの。」
mb1「了承するとでも思ってんの?」
mb2「生徒会だか知らんが無駄に時間は使いたくな…」
sm「話、とは?」
mb2「紫音さん…!?」
mb1「生徒会っすよ、どーせロクでも無い話なんて聞く価値ありませんって」
sm「俺が気になるんだよ。先に帰っててくれ」
mb1「…まぁ、それなら先帰りますけど」
mb2「気をつけて下さいね」
sm「あぁ」
そうして取り巻きの2人は帰って行く。案外すんなり話してくれるとは。
sm「んで?何の話、生徒会さんよ」
kn「ちょっと、今から校舎裏に来てくれない?」
sm「…何をする気だ?」
br「話し合いたいだけだよ。本当にそれだけ」
sm「まぁ、構わん。先行ってるから早く来いよ」
そう言って立ち去っていく。
kn「意外と良い奴?」
br「かもねw」
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nk side
2人から承諾されたとの報告を受けて5人で校舎裏に行けば、律儀に待っている彼が目に映る。
sm「…何、態々5人来て。」
nk「ちょっとね、最近君に対しての苦情と言うか、どうにかして欲しいって声が多くてさ」
sm「そんな理由で「はいそうですか」って辞めるとでも?」
流石にそんな上手く行く訳が無いのは重々承知の上。まず目的としては「何かしらの事情がある可能性が高い」その事情を聞き出すこと。
kr「そこでさ、1つ聞き出せって言われてる事があるんだよ」
sm「答えられる範囲なら答えるが?」
意外と答えてはくれるらしい。ゆっくり問い詰めて行く予定ではあるがどうなるか。
kr「君、取り巻き達と誰かをターゲットに暴力振ってるらしいじゃん」
sm「そうだな」
kr「でもね、君本人から暴力振られた人は居ないし、指示してる所を見た人も居ない。窃盗も同じく。盗んだ物は君に行ってるらしいけど、君は傍から見れば何もしていないよね」
sm「確かに間違っては無いな。それがどうしたんだよ」
kn「それに、学園外での窃盗やらには一切関与していない。君の仲間や他の不良達が勝手にやってるだけ」
sm「…何が言いたい」
nk「君は好きで不良やってんの?」
さぁどう答える?
sm「好きでやってるが」
sh「じゃあ、不良になったきっかけは?」
sm「…ノーコメント。」
br「へぇ、言いたくないんだぁ?」
sm「生徒会に言う必要も無いだろう」
br「ならさっきの回答に答えたのは?」
sm「…ただの気分だ」
煽りには乗ってくれないみたい。
ならどうするか。とりあえず質問攻めにして置こう。
nk「ならどうやってここまで登り詰めたの?」
ここまで、とは学園で噂される程まで。
sm「ただ不良始めて、気づいたらなってた。なりたくてなった訳では無いが。」
kr「じゃあなりたくなかった?」
sm「寧ろこっちの方が好都合。」
kn「やっぱ事情があって不良になったんだ?」
しれっと失言しているが…。上の立場の方が好都合と。まぁ下の立場は使われるだけだろうしね。
sh「別に内容に寄っては先生とかには言わないつもりだけど。失敗で終わらせるし、事情が解決出来る事なら協力する」
sm「…言わない保証も、協力する保証も無い。それに学生なんて大した事は出来ないだろ」
それもそうだ。相手からしたら言わせるための口実かも知れないのだから。
nk「じゃあ君は何がして欲しい?」
sm「言ったろ、学生なんだからそこまでの事は出来ないって。」
br「僕ら生徒会だよ?お金が必要なら経費とかでどうにかなるし誤魔化せる」
sh「やろうと思えば誰かを退学にも出来る」
kn「それに証拠隠滅やら偽装だって可能。」
kr「実は生徒会ってこんななんだよ。んで、それでも出来ない内容?」
sm「…無理だな。」
nk「内容だけでも教えてよ、根本的には解決出来ないかも知れないけどさ。改善方法とかあるかもじゃん」
sm「他言無用。それを守ってくれるなら。」
nk「勿論。約束するよ」
『なんたって生徒会だからね』
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sm side
昔は一般的な家庭だった。
俺が8歳の頃、両親が酒に溺れて、養育放棄…所謂ネグレクト。小学生の子供1人の力じゃ、生きていける訳が無かった
食事も満足に与えられない。睡眠もちゃんと取れない。両親のストレスが溜まっていたり、少しでも気に触る言動をすれば殴られる。
そのまま高校2年になって、今でも状況は変わってない。当然お小遣いも無いから金が無くて、無いと食い物が買えないから取り巻き達が盗んできた物を少し貰って。
暴力系は彼奴らが勝手にやってるだけ。寧ろ殴られ続けてきた俺からすると暴力なんて振りたくない。
好都合なのは取り巻きと仲間から色々貰えること。リーダーを言い訳によく他の不良に絡まれるから、って家庭での暴力も誤魔化している。
彼奴らには家庭の話をして居ないから。
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sm「…家庭の事情は、生徒会さんにはどうにも出来ないでしょ。」
nk「…いや、出来るね。」
sm「は、どうやって?」
nk「生徒会は関係ないけどさ、俺らの家庭は比較的裕福な方だからさ」
nk「シェアハウスしよーぜ!!」
は?何を言ってるんだ此奴は。確かに俺は親から離れられるが、他の奴らは…
br「いいねぇそれ!」
sh「いーじゃん、楽しそう」
kn「皆乗り気だねw。俺も賛成だけど」
kr「6人が住むってなると広い家必要だね」
sm「……は?」
お前らはそれでいいのかよ??
これ俺がおかしい?
nk「紫音はどう?」
sm「いや、まぁ俺は家出た所で何も言われないし良いけど…そんな簡単に決めれるもんなの?」
kn「早くても1ヶ月前後はかかっちゃうと思う」
sm「いや、そこじゃなくて……」
kr「ん?俺の父さん大工だから家の心配も要らないけど」
sm「だから…もういいや…」
br「じゃあ決定〜」
nk「色々考えとかないとね」
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sh side
シェアハウスをしてから2ヶ月ちょっと。あれからも色んなトラブルとかはあったが、長くなるので割愛。
2ヶ月も経てば紫音…ことスマイルも馴染んで来ている。
kr「おいスマイル担当サボってんじゃねぇ!!!」
sm「俺料理出来ないもん!!!!」
kr「いいから手伝え!!」
sm「俺に料理担当回してくんな!!!」
br「いや〜仲良くなったよねぇ、勿論僕らとも。」
sh「な、最初は癖か知らんが話しかける度睨まれてたし」
kn「まぁ本人曰くそういう目付きなだけだったんだけどね」
nk「スマイルも生徒会入ってくれたしね!」
kn「あれは学園で暫く話題になったよね。」
br「そりゃ有名な不良が急に生徒会になったらねw」
kr「お前らー、昼食うぞ〜」
nk「はーい!」
sh「腹減ったわ、早く食おうぜ」
今日も今日とて平和な6人の生徒会達でした。
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8/15の作品だってさ。
♡100で次出します…お願い(>人<;)((
コメント
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まじで神作なんだけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 続き待ってます(*´ω`)