テラーノベル
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#曲パロ
RaK
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夕焼けがきれいな日。
俺は、悠佑を亡くした。
夕日に照らされながら、冷たくなった悠佑を呆然と眺めていた記憶だけが嫌になるほど鮮明に残っている。
俺はその時、どうやって生きていけばわからなかった。
・・・
今日は悠佑の命日だ。
同僚は、恋人の命日ぐらい休んでもいいのに。 なんて言われたが、流石に休むわけには行かなく、定時で帰らせてもらった。
いつもより、人が少ないような気がする電車の中。
悠佑のLINEに文字を並べる。
『やっほーあにき!
今日は悠佑の命日やからって、定時で帰らせてもらったよ!
そんなに気を使わなくてもいいのにね〜
今から帰るから、もう少しいい子で待っててな』
既読なんて、一生つかない。
だけど、毎日日記のように送りつけている。
駅から出て、広い自宅へ向かう。
今日は、悠佑と初めてであった時と似たような気がする。
気怠い体を引きずるように家に帰る途中だった。
一人…一匹の声が聞こえた。
『みー』
某赤色の高音担当リーダーのような、高音が聞こえた。
その声は鳴り止まなく、繰り返される。
『みー』
声の主を探す。
あ、ここだ。
「みー」
愛媛みかん、と書かれている段ボールから声が出ている。
「みゃー」
段ボールを開けると、骨ばった長毛の黒い子猫が、弱々しく鳴いていた。
少し震えていて、怪我をしていた。
「猫さん…?」
そう声に出すと、耳がピコッと動き、重そうな頭をこちらに向ける。
「しゃーッ」
威嚇された。
それすらも愛おしく思ってしまって。
俺は広すぎる家で、この猫さんを買うことにした。
・・・
とりあえず、一番近い動物病院に連れて行った。
怪我している前足に包帯が巻かれている以外は至って健康らしい。
少し体温が下がっているからしっかり温めてあげてくださいね。との事だ。
「猫さん。 ここが新しいお家だよ。」
猫さんは段ボールの端っこで丸まって、出てくる気配がない。
さっき、コンビニでご飯を買ってきたから、開けてみる。
「猫さーん 出てきていいよぉ ごはん食べますかー?」
猫缶を、猫さんの目の前に置いてあげる。
その時。
「しゃーッ」
手には当たらなかったが、猫缶に猫パンチ。
「おー。」
怒られてしまった。
どーしよー。
とりあえず、食べてもらえるように、ちゅーるをお皿の上に垂らして、猫缶の中身も移してあげて、ちょっと遠いところに水と一緒においてあげた。
「お兄さん寝るから、一人でゆっくりしててな。」
そう言って、俺はベッドの中に入っていった。
・・・
「にゃーー!」
ベッドに飛びついてくる、黒い猫、もとい ”はるか” くんが起きてと言わんばかりに顔を舐めてくる。
あにきを彷彿とさせる破天荒さで、元気な性格とちょっと小柄。
本当は甘えたなのに、いつもはツーンとしていて、撫でても嫌がらないけど、喜びもしない。
だけど、自宅ワークや、読書、スマホなどをやっていて、しばらくかまってないと、邪魔しないで、隣でおすわりしてくれる。
悠佑の悠の字を取って、はるかくん、と名付けた。
「おはよ はるかくん」
「にゃっ!」
ドカ笑顔のような表情(妄想)を浮かべるはるかくんがなんとも愛らしい。
「朝ごはんですかー?」
「にゃ!」
尻尾をぴーんと伸ばして、寝室から出ていくはるかくん。
はるかくんが大好きなご飯を置くと、はぐはぐとご飯を食べ始める。
俺のご飯を作り終わる頃にはもう食べ終わっていた。
はるかくんが、俺のご飯をちょいちょいと触ろうとする。
はるかくんの好きなことの一つ。
「これは、俺のご飯なので、あげないですよー」
・・・
はるかくんは、俺の家の中での一番のお気に入り場所がある。
それは、
「はるか? またそこおるん?」
悠佑の仏壇の前だ。
座布団に座って、悠佑の写真をずーっと眺めているのが最近好きなこと。
「…はるかくんは、俺のお嫁さんが好きなのー?」
俺は、座布団に座って、はるかくんを足の上に乗っける。
「悠佑〜はるかくん、あにきに興味津々なんだって〜 なんで〜?」
そうはるかくんに尋ねると、そっぽ向いて廊下に出ていってしまった。
「あらら。」
今日の朝ごはんを仏壇に線香と水と一緒に置く。
「あにき、おはよーね 今日ははるかくんと一緒にお墓行くからね、まっててな」
リビングに行くと、はるかくんがキャットタワーで寝ていた。
「はるかくーん! お散歩、一緒に行こっか。」
「にゃっ!」
猫用のリードをつけると、変な感じがするのかカリカリと後ろ足で取ろうとする。
「よしっ! はるかくん、いこっか!」
「にゃーぅ」
リードを手に巻き付け、抱っこして外に出る。
拾った時と、病院に行く時以外外に出したことがないからキョロキョロと周りを見渡している。
「今日はね、あにきのお墓参りにいくんだよ〜」
降りたそうに暴れ始めたから、ゆっくりと降ろしてみる。
色んなところの匂いを嗅いで、トコトコと歩いていく。
「ここだよ〜はるかくん」
あにきのお墓を洗っている時、はるかくんは、ウロウロと居心地が悪そうにしている。
洗い終わり、手を合わせる。
そうすると、はるかくんが俺の足にすりすりと、すり寄ってきた。
「どーしたん。 今日はいつもより甘えたやねぇ。」
撫でてあげると嬉しそうに目を閉じる。
「んふふ。 かわええな〜 あにきにも見てほしかったわぁ」
「…なーぅ。」
彼の寂しそうな声は、俺の耳に届いていなかった。
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