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今日はエイプリルフールか…

せっかくだし、千空ちゃんになんか嘘でもついちゃおっかな〜?


「あ、千空ちゃーん」

「あ゙?なんだ、朝からお元気いっぱいじゃねーか」

「……そう見える?」

「?、急にどうした…?」


周りでは元気そうに振舞って、千空ちゃんの前でだけわざと深刻そうな顔をする…

そうすれば、千空ちゃんは軽くあしらわずに心配をしてくれる…!


「俺、ね……千空ちゃんに話があるの」

「話?」

「……ごめんね!千空ちゃん…」

「俺やっぱり、別れたい」

「……は?」

「合わなかったんだよ、俺と千空ちゃんは」

「だから………」

「おい、本気で言ってんのか…テメー…」

「っ、ゲン…」


千空ちゃんの体を押して、手を振り払う。

こんなに深刻そうな雰囲気を出すと、こっちまで嫌な気分になってくるなぁ…

申し訳ないから、もうネタばらししちゃおっかな


「……なーんて、千空ちゃん!」

「ひっかかっ……」


「………え」


地面にポタポタと落ちる水滴、

目元に手を当て、水滴を掬う仕草、

か細い声…


「千空、ちゃん……」

「泣いてるの…?」


初めて見る姿だった、まさか、千空ちゃんを泣かせてしまうなんて、

慌てて駆け寄り、強く抱きしめる


「っ、んだよ……別れるんだろ…っ」

「ごめん、ごめんっ、千空ちゃん…!」

「嘘なの、あれ。エイプリルフールだったから…」

「……は?」


顔を上げて俺を見つめる千空ちゃんの目は、これまでに無いほど潤んでいて、瞬きをすると涙が溢れた

俺は、とんでもないことをしてしまったらしい


「うわぁぁぁ、ごめんねぇ!千空ちゃん!」

「ついていい嘘と、悪い嘘が、あるだろーが…っ」

「はい……」


幸い周りに人がいなかったから良かったが、コハクちゃんがいたら俺はただじゃ済まなかっただろう

そうだよね、普段強がってても中身は思春期真っ只中の高校生なんだから…

そりゃあ、人が居なくなったら悲しむよね


「…あ」


ましてや、家族まで失ってるのか…


「……本当に、ごめん。」

「…お詫びに、俺の愛情が伝わるまで…」

「……ベッド?」

「…千空ちゃんの体動かなくなっちゃうけど…」

「……いい、ゲンがいてくれるなら」

「二度とあんな嘘つくんじゃねーぞ」

「ふぁい…」


「大嫌い、ゲン」

「ゑ」


唖然とする俺を見て千空ちゃんはいつものように「クククッ」と笑う


「エイプリルフールなんだろ、今日」

「……あっ」

「なんだ、そういうことか…」


「俺も大嫌いよ、千空ちゃん」

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