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ある静かな夜、初音ミクは小さな町の丘の上に立っていました。彼女の長いツインテールがそよ風に揺れ、目の前には無数の星が輝く夜空が広がっています。
ミクは手に持ったマイクをぎゅっと握り、少しだけ寂しそうな表情を浮かべていました。
「みんなの歌を届けるのが私の役目だけど、今日はなんだか…私の声を聞いてくれる人が少ない気がするな。」
その時、遠くから小さな光が近づいてきました。それは小さなロボット、星型の「ホシボくん」でした。ホシボくんはミクのそばに浮かび、キラキラした声で言いました。
「ミク、大丈夫だよ!君の歌はちゃんと届いてる。ほら、見てごらん。」
ホシボくんが指さした先には、町の灯りが少しずつ揺れていました。よく見ると、それは人々がミクの歌に合わせて小さなライトを振っている姿でした。
遠くの家々からは、ミクのメロディに合わせて歌う声が聞こえてきます。
ミクの目は驚きで大きく見開かれ、やがて優しい笑顔が浮かびました。「…ありがとう、ホシボくん。私の歌が、ちゃんと誰かに届いてるんだね。」
その夜、ミクは丘の上でマイクを手に持ち直し、星空に向かって歌い始めました。彼女の声は風に乗り、町中に響き渡り、さらに遠くの星々まで届いているかのようでした。
ホシボくんも小さな光を点滅させながら、ミクの歌に合わせて踊ります。
そしてその日から、ミクはどんな時でも歌うことをやめませんでした。たとえ小さな声でも、誰かに届くことを信じて。