テラーノベル
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三人が帰るとリビングが一気に広く感じられる。
「なにする?まだトランプする?」
半分の人数じゃさっきまでの楽しみも半減する。
「僕、池見に行きたい」
「じゃあ行ってみようか」
「うん、なお、上着着て」
今度は裏庭の池を見に行くことになった。
裏庭というのは道路に面した側からは裏になり、さっきいたリビングや居間の窓からも見えない小さな庭だった。
おじいちゃんが僕たち孫の遊び場にと作ってくれた、小さな池があるだけの、塀に囲まれた小さな庭。夏にはプール替わりに水遊びも出来る。
みんな入るには狭いけど。
「なんにもいないな…」
池には何も飼われていないので当然だ。
「水遊びって感じじゃないしね」
それどころかみんなジャンパーを着てる。
結局、池を見に行く、は本当に池を見るだけでまたリビングに戻って来た。
「とりあえずテレビでも観る?」
ぽちぽちとチャンネルを変えているとお笑い番組がやっていたのでそれにしてみる。
2人が他に、と言わなかったのでリモコンを置いた。
しばらくテレビを観ていたが、やっぱり暇なのか直樹くんがつまんないと言い出す。
僕も気持ちは同じだった。せっかくいとこと会ってるのにテレビなんて…
「あっ、じゃああれは?押入れ探検?」
「えぇ…押入れ探検?」
押入れ探検というのは、二階のお部屋にある押入れに普段はいっぱいに入っている布団が、誰かが泊まる時だけ部屋に敷かれてスペースが出来るから、そこに入って懐中電灯で探険気分を味わうというもの。
まだ小さかった直樹くんが暗さに泣いてからしばらくやってなかった。
「なお、まだ怖いの?」
「んん…わかんないけど…」
「じゃあ一緒に入るから、まだ怖いか試してみようよ」
怖がったらそこで止めたらいい。このままテレビを観てるより楽しそうだし。
「う~ん…じゃあ行く」
直樹くんが渋々OKしたので僕たちは二階に向かう。階段の前がキッチンなんだけど、ちょっと覗くとお母さんたちが夕飯の準備をしていた。
おばあちゃんちの夕飯は早い。寝るのも早いからかな。
「あんたたちどこ行くの?二階?」
直樹くんのお母さんに聞かれる。
「うん、押入れ探検」
「えっ?なお、あんた怖いって泣いてたのに?」
「だ、大丈夫か確かめに行くんだ」
「空いてるとこだけにしなさいよ。他の入ってるもの出さないでよ」
「は~い」
一列になって階段を上る。この家の階段は急なので落ちないように気を付けて上らないと。
前の人が転げ落ちたらみんなで落ちちゃう。
無事二階に着く。すると目の前と右に扉がある。
ここは二つの部屋に見えるけど、中はつながっていて、間にあるふすまを閉めると二つの部屋、開けると大きな部屋になる。
今日は菜穂ちゃんちとうちが泊まるから、間にふすまがあると思う。
この目の前の扉から入って左の突き当たりが布団が入ってる押入れだ。
扉を開けると布団はもう敷いてある。
菜穂ちゃんはテレビの横にある懐中電灯を持つと、布団が入ってた押入れを開ける。右側の上下が空っぽだった。
コメント
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うわ、このエピソード、めちゃくちゃ懐かしい空気が詰まってる。押入れ探検、子供の頃にやりましたわ。直樹くんが「怖いけどやってみたい」って渋る感じが生々しくて、あの頃の緊張感が蘇る。池も「見るだけ」で終わるのもリアル。無駄に期待して、結局何もなくて戻る、あの感じがたまらない。家族の距離感や台詞の一つ一つが丁寧で、この世界に引き込まれました。続きで押入れ探検がどうなるか、すごく気になる。