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『穀潰しが!!!』
なんでそんなこと言うの、、?
『そこら辺で野垂れ死んだ方が世間様のためよ!』
そっか、僕は生きてちゃいけない存在なんだ
だから、、生きてていいよって言ってもらえるように
『守らなきゃ』
ーーーーーー
「んっ、、、」
この夢を見るのは何回目なのだろうか。
もう慣れてしまって怖くもなんともなくなってしまった。
いつもより冴えた目で今の時間を確認する。
ピントがあうまで少し時間がかかったが、どうやら朝の6時のようだ。
出勤時間まであと2時間もあるが、いつもよりゆっくりのんびり準備して、時間に余裕ができるようにする。
「・・・鏡花ちゃんは、、そっか、与謝野先生のところか」
起きても見当たらなくてびっくりしたが、彼女は与謝野先生とナオミちゃんと一緒に泊まっていることを思い出す。
そうなれば久しぶりの自炊をしようじゃないか。
「こうみえて実は意外と自炊できるんだぞ」
と誰もいない静かな空間に声が木霊する。
今日のご飯は材料があまりなかったため
安定の茶漬けとなった。
自炊?冷凍のご飯チンしてお茶漬けにしただけですけど、、
自炊に入るのか、、?
まあ自炊ができる、というのは嘘じゃないのでいいとしよう。
いつもよりゆっくりと食べると、茶漬けの温かさがよくわかった。
全身が温かくなって、朝からとてもいい気分になる。
みんなもっと茶漬けの素晴らしさに気づいてもいいと思うんだよなぁ、なんて思いながら箸をすすめた。
いつの間にか食べ終わっていて、少しだけ名残惜しさを感じた。
ふと時計をみると、指していたのは6時45分。
まだ全然経っていないじゃないか
「ゆっくり準備したはずなんだけどなぁ、、」
と零す。
とりあえず探偵社に向かうかぁ、と考えをまとめ、少しだけ重い荷物をもち靴をはく。
・・・あれ?鍵は?
まずいまずい、鍵がない。
どんな手を使ってでも鍵を見つけなければ!!
なんて漫画のようなセリフを心の中でかました後、本気で鍵を探した。
机の上、布団の下、至る所の隙間、、、
一向に見つからない。
そろそろ冷や汗が首筋を伝っていく。
ん??そういえば
鏡花ちゃんが持っていったんだっけ、、?
昨日の記憶を脳から引きずり出す。
たしか、、
「鏡花ちゃん、もしも与謝野先生の家で忘れ物どかに気づいたら帰ってこれないから、、」
「はい、これ」
「・・・鍵?敦は持ってるの?」
「持ってるから平気だよ。楽しんできてね」
「うん、、ありがとう、敦っ!」
うん、、うん、、、
戦犯は僕かぁ〜。。
そうだ、昨日彼女に渡したんだ、、
鍵持ってるって嘘ついて、、
「アアアアアアアアァァァァ」
と唸りながら床に丸くなる。
とりあえず太宰さんに電話するか、、?
「・・・・・・」
まあ出ませんよね
国木田さんにもかけてみるか、、
「・・・・・・なんだ小僧」
「!!!!!国木田さん!!」
「うるさいぞ敦、、で、何用か」
「それがですね国木田さん!!1つしかない鍵を!!鏡花ちゃんに渡しちゃって家を出れないんです!!!」
「・・・は?」
「・・・・・・小僧、安心しろ。その寮は武装探偵社の私有物だ。
まあ変な輩でもいない限り漁られはせん。」
「でも国木田さぁん、、」
「じゃあな、到着時間に遅れるから切る。また後で」
「ちょ、国木田さ」
「・・・・・・・・・」
「・・・はぁ、行くか、、」
どうやら鍵を閉めなくていいらしいので、半ばヤケクソで鍵を閉めずに飛び出した。
ふと時刻が気になり、携帯をひらく。
文字は7時ぴったりを示していた。
あんなに探したはずなのに、、
時間って感覚と全く違うんだなぁ、そうしみじみ感じた。
結果として、まだ1時間も余裕がある。
とりあえず探偵社に向かうか?
それとも寄り道をするか。
せっかくなら寄り道をしたいが、生憎検討がつかない。
探偵社に向うしか選択肢はないのだ。、
「ふぅ」
と一息つく。
あとで書いてください自分
「おはようございます」
そう小さく声をかけると、意外な人物がいた。
「・・・太宰さん?珍しいですね、こんな時間に」
「・・・あぁ、敦くんじゃないか。」
いつも勤務時間の30分以上遅れてくる人がこんなはやくに職場で椅子のうえに座っているなんておかしい。
夢?夢なのか?
ああ、そうか。
だからこんなにも体がふわふわするのか。
「いやー、私も少しははやく来て皆を驚かせてみようかな〜と思ってねぇ、」
「国木田さんびっくりしすぎて気を失ってしまいそうで心配ですよ」
「ふふっ、たしかに国木田くんの反応は面白そうだ。
そうだ敦くん、ある策を思いついた。」
「・・・といいますと?」
「その名も、、『吃驚!太宰首吊り自殺〜!!』」
「・・・は?」
なにを言っているんだこの人は。
「いやー、此処の天井はいいからねぇ、首吊り自殺が得策だと思ったのだよ」
「・・・人の気もしれないで」
「・・・敦くん?」
「・・・いいですよ、やってやりますよ
どうせならそのまま死ねばいいんじゃないですか?」
と貼り付けた笑顔を向ける。
「いっつもどんな気持ちで太宰さんを川からあげてるか分かりますか?分かりませんよねどうせ。そんなに死にたいなら死ねばいいじゃないですか!!!」
なぜか今日は感情が剥き出しになってしまう。
いつもいつも人に心配かけて死にに行ってしまうのが
僕は辛いんだ。
なのに、なのにそうやって巫山戯て。
折角の機会だ。言ってやる。
「僕がどれだけ太宰さんを心配してるのか知りもせずに自殺ばっかして!!おかげに美女との心中!?ふざけないでください!!!」
「太宰さんの、、太宰さんのっ、、、」
いいかけた途端、目頭が熱くなるのを感じる。
「ひぐっ、、ぐすっ、、もうしらない!!!勝手に死んじゃえばいいんだ!!!」
そう言い捨て、探偵社をあとにする。
後ろの男は、戸惑ったような、少し悲しそうな顔をして
出ていく彼を追いかけようとはしなかった。
「・・・はぁぁあ」
大きすぎる溜息をつく。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
今になって後悔が僕のことを責めてくる。
「・・・今、何時だ、、」
ふと思い、携帯をカバンの中から抜き出す。
先程涙を流したあとの目には携帯の光が毒で、反射的に目を細めた。
時刻をみると、携帯の文字は7時45分を示していた。
朝は時間に余裕があるからとゆっくり準備していたが、今になって後悔する。
あのときもっとはやく動いていれば遅刻なんてしなかったのに、、、
「・・・ていうかここ何処だよ!!!!」
と大声を発する。
泣きながら走っていて、滲んだ視界では何処だか判別できるわけがなく、、いつの間にか洞窟についていたのだ。
狭い空間のため、声が思った以上に響き耳が少しばかり痛くなる。
「・・・はぁ、、これからどうしよう。」
「どうせ夢の中だし、好き勝手しようかな」
「・・・それとも、、帰って太宰さんに、、謝る、か」
究極の2択に頭を悩ませる。
そうして頭を掻き乱していると、後ろに気配を感じた。
「・・・っだれ」
「!?!?!」
『喋るな。殺すぞ』
急に口を布のようなもので塞がれる。
その布からはいやな甘い匂いがし、思考回路が鈍っていくのを感じた。
そこで、僕の意識は途絶えた。
「・・・・・・・・・っ、此処は、、?」
目が覚めたはいいものの、ここが何処なのか検討もつかなくて焦る。
身動きを取ろうとしてもそれは叶うことなく。
拘束されていた。
「人虎」
「っ!?芥川!?!なぜ御前が此処に!?」
「五月蝿い。それは僕の台詞だ。」
どうやら、芥川と僕は地下に投獄されてしまったようだ。
なぜか妙に冷静だった。
夢だから?もうこういうことに慣れてしまっているからか?
孤児院での記憶が蘇り、目の前が暗くなる。
「人虎、此処から抜け出す方法を探すぞ。無事出ることができたら殺してやる。」
「っは、殺させてやるか。芥川、御前も手伝え」
「命令をするな。」
そう眉間に皺を寄せ、明らかに機嫌を悪くする。
「・・・はぁ、兎にも角にもまずはどうやってこの拘束を解くか」
丁寧に手錠までかけてある。
続きはまたいつか!(´>∀<`)ゝ