テラーノベル
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元貴 side …
「そうして、今に至る」
「…は、?」
涼ちゃんは全てを話しきったあと、ふわりといつもの涼ちゃんのように笑って見せた。
「…なに言ってッ、……意味わかんないッ、」
涼ちゃんが僕のことを好きなのも、若井が死んだのも、全部全部信じられない。もしかしてこれは夢なのかも。そうだよ、全部夢だったのかも。若井が変わっちゃったのも、全部。
「……こんなの、…きっと俺の夢だよ、」
そう吐き捨てると、涼ちゃんは不思議そうに俺の顔を見てから呟いた。
「…夢だったらどれだけ良かったことか、」
夢に決まってる。俺は寝ぼけているんだ。若井は死んでなんかない。
ずっとずっと、”あの日”の優しい若井のままだ。
「若井は死んでない」
「死んだんだってば、…痩せ衰えて若井はもう死んだんだよッ、!」
涼ちゃんはなんだか苦しそうに言葉を詰まらせながらも笑った。
「「…若井に会いたい」」
俺と涼ちゃんは同じ言葉を口にした。はっとして彼を見上げると、彼は苦しそうに目を赤くさせていた。
「……なんで涼ちゃんが泣くの、?」
どうして涼ちゃんが泣くんだろう。泣きたいのは俺の方だ。つい呆れ笑いのような息が零れる。涼ちゃんの勝手な嫉妬で、若井を殺したんだろ?涼ちゃんが辛い理由だなんて、俺には1ミリも分かりやしなかった。
「…殺したのは涼ちゃんだろ!お前が泣く権利なんてないんだよ゛ッ、!!」
「返せよ!俺の若井を返せよッ、!!」
涼ちゃんに向かって溢れ出てきた感情を全てぶつけた。とてつもなく腹が立ってきた。こいつは自分の勝手な気持ち、嫉妬で若井を殺して、若井のフリをし続けたんだ。若井にだって、俺にだって痛みを与えたくせに。
「………返してよ」
結局最後に出てきた言葉はただそれだけだった。返して欲しい。あの頃の幸せな日々も、若井も。どうして若井が殺されなきゃいけなかったの?殺すなら俺を殺せばよかったのに。
俺は声を上げて泣きわめいた。悲しみや怒りが全部ぐちゃぐちゃになって、おかしくなってしまいそうだった。すると、そんな俺の姿を見た涼ちゃんは、俺の頬に手を当ててきた。
「…ごめんね、こんな顔させちゃって」
涼ちゃんの手は冷えきっていて、温もりは少しも感じなかった。涼ちゃんの手は頬から顎へと徐々に首元に向かっていった。
次の瞬間。突然ものすごい力で首を絞められた。
「ん゛ッ、!?……は、ぁ゛ッ、」
「もっと早くこうしておけば良かった」
ぎゅうっ、と更に彼の手の力は強まっていく。息ができない。苦しい。
「りょ゛ッ、ちゃッ、……ぐる゛ッ、し、…」
頭に血が上っていく感覚と、肺が酸素を求めているのを感じる。身体中の血管を通る血液が、ドクドクと脈打つのが分かる。こんな感覚、初めてだった。
「や゛め゛ッ、……しんじゃッ、」
視界がグワングワンと揺れて、終いには白く濁っていく。
ああ、俺、死ぬんだ。
段々と肌に触れているものの感覚が薄れていき、音が聞こえずらくなっていく。若井も死ぬ時、こんな感覚がしたのかな。
「ぁ゛ッ、…わかッ、…い゛、」
白くなった視界の中、ひとつの明るい人影が見えた。それは若井だった。懐かしくて、俺の大好きなあの笑顔をしていて、不思議と死への恐怖心が薄れていく。
こちらに手を差し伸べてきた若井の手を取る。その感覚はもう生きている感覚はしなくて、ふわふわとしていた。
「……は、は」
また若井に会えて幸せだな。
藤澤 side …
「……は、は」
元貴は最後に、微かに微笑んでからゆっくりと目を瞑った。
死んだんだ。僕がこの手で、殺したんだ。
ゆっくりと元貴の首を絞めていた手を見てみると、手は真っ赤になっていて、ジンジンと痺れるような感覚がした。
「…は、僕も死なないと」
僕は自身のネクタイを外し、首に直接巻き付ける。自然と怖さはなくて、ただただ早く楽になりたくて仕方がなかった。
「……ごめんね」
誰へ向けてのかなんて分からないけど、口から最後に出た言葉は謝罪だった。ネクタイを握りしめ、力強く引っ張る。それと同時に首が締められ、呼吸ができなくなる。
元貴もこんな感覚がしたんだね。ごめんね、最後までこんなに苦しい思いをさせて。
ねぇ、お願い。
「来世はちゃんと幸せにさせて」
それだけ言い残して、僕は更にネクタイを引っ張る力を強めた。
あけましておめでとうございます!!
元旦に最終話を迎えるって、
なんかいいですね😼
そうなんですよ!!(急ですみません)
これにて!「crazy clock」は
完結するんですよ!!!
本当にここまで読んでくれた読者の皆様には
感謝してもしきれないです😭❤️🔥
本当に本当にありがとうございました!!
皆様からの暖かいコメントがくるのが、
本当に楽しみでして……!
毎回お話を更新する度に
「どんなコメントがくるかな?」
とワクワクドキドキしてました😽
作者はですね、この冬休み、
冬休みの課題なんて投げ出して
新しいお話を考えちゃいました👍🏻
ちょーっとネタバレしちゃいますとね、
次のお話はですね、 皆さん待望の
若井さん受けです。
ちょっと言い過ぎちゃったかも🙊
とにかく楽しみにしててください!
では!また新しいお話で会いましょう!!
今年もよろしくお願いします😌✨✨
NEXT(新しいお話) ▶︎ ♡1,000
コメント
13件

完結おめでとうございます… すごく…すごくしんどかったけど、構成が凄すぎて読み応えがあって最高の作品でした!
初コメ失礼します! この作品初めっから最後までずっと泣いてました笑 こういう系の作品大好きなんです(((
コメント失礼します。なんと!今回が最終話ですか...。ずっと読ませていただいていた作品だったので少し寂しいです...。けど一話一話を重ねるたびに考察が止まらなくて、最後にこんな結末を迎えるとは予想できませんでした...。これからも素晴らしい作品を書き続けてください!新しい作品も楽しみにしています!