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─君が居なくなったあの日─

─これはアニポケダイパでのサトシのライバルであるシンジと、シンジと出会うまではサトシの旅の仲間の1人だったエカルが付き合った後のシンジ視点の物語─



シンジ:…エカル、どこ行くか?

エカル:シンジとならどこに行っても楽しいから…悩むなぁ…

シンジ:…///



…俺はシンジ。俺は今、隣にポケモンを出して彼女と出かけている。

俺は隣にユキメノコ、彼女はニンフィアというポケモンを出している。

…そのニンフィアというポケモンが色違いらしい。俺の彼女が俺の隣にいると、高確率で色違いが出てくる。

…嬉しいんだが驚くからやめて欲しい。まぁ悪気は無いからいいが…

…そしてサラッと恥ずかしいことを言いながら悩んでいるのは俺の彼女のエカル。

あまり言葉に出して言えていないが…エカルの事は大好きだ、何せ可愛いしな。

だがエカルは無理しすぎてる所がある、心配になるから少し休んで欲しい。つい先日「旅の途中にぶっ倒れた」とサトシから聞いた。

頼むから俺のいないところでぶっ倒れないで欲しい、心配になるだろ。

…と言葉で言えたらどれだけ良かったか…「あの時…俺が助けていれば…」



シンジ:…こことかどうだ?

エカル:わぁ…!綺麗…!ここにしよ♪

シンジ:あぁ。


エカルが白と水色の綺麗なオッドアイの瞳を輝かせながらカフェを見ている、すごく可愛…ゲフンゲフン、なんでもない。



エカル:〜♪〜〜♪♪

シンジ:…?エカル、この曲知ってるのか?

エカル:?うん、コンテストで使った曲なんだ〜

シンジ:…そうだったのか。…見てみたかったな、コンテスト衣装のエカル。

エカル:ぇ…と…///うん…///


恥ずかしいこと言ってきたからな、やり返して正解だった。

…照れてるエカルも可愛い。付き合った理由がお互い一目惚れに過ぎないのにな、ここまで愛着湧くとは思わなかった。




エカル:〜♪

シンジ:…可愛い。

エカル:…ふぇ…っ…!?//////



ボソッ、と言ってみたら聞こえてたみたいだな。顔が赤くなってる。すごく可愛い。

萌え袖の袖口で口を隠してる…大優しy…ゲフンゲフン、失礼。なんでもない、俺の独り言だ。




エカル:ん、最近事故が多いみたいだねぇ。注意喚起の張り紙が出てるや。

シンジ:みたいだな、俺達も気を付けるに越したことはない。

エカル:うん!


…なぁエカル…物凄く近い気がするんだが…??????しかも俺の腕に抱きついている…????当の本人は笑顔なんだ、可愛い。可愛いがそれは違う気がするな????

…まぁいいか、気にしないでいよう(?)


─エカルが横断歩道を渡ろうとするその時─


エカル:…ぇ…っ


──キキィーッ!!──


──ガンッ──


一瞬何が起きたのかが分からなかった、だが我に返って分かった。エカルがトラックに引かれてしまったんだ。

ドサッと倒れるエカルを見てふと我に返り、そして駆け寄る。


シンジ:っ…!エカル!

エカル:………


ぐったりと横になっているエカルを俺は抱き上げた。頭から出血している、強く打ち付けられたんだろう。


シンジ:エカル、!エカル、!!おい…!エカル…!頼む、目を覚ましてくれ、!エカル!!


俺はエカルの名を呼びながら必死に「目を覚ましてくれ」と願うしか無かった。

誰かがジュンサーさんを呼んでくれたみたいだ、幸いにもエカルを引いた運転手はその場に居たらしい。




シンジ:…あの日から何日…いや、何ヶ月経ったか。…ずっと、お前に面と向かって言ってやれなかった言葉…今言うよ。


──エカル、大好きだ。俺と結婚して欲しい。──



やっと、やっと言えることが出来た。本当はもっと早く言っておけば良かったと思った。だが後悔しても、エカルはもう戻ってこない。

なぜ俺は、エカルが生きてる間に言ってやれなかったんだろうな。


シンジ:…エカル…っ…

??:シンジ、泣かないで。


ふと聞き覚えのある優しい声が聞こえた気がした。この声の持ち主を俺は知っているが、聞き間違いだろう。


??:ボクはずっと、貴方の傍に居るよ。


またあの聞き覚えのある優しい声だ。やはり聞き間違いじゃない。

俺はふと顔を上げた。その視線の先には、半透明になって現れたエカルが居た。


シンジ:…ぁ…ぇ…?エカル…なのか…?

エカル:…ふふっ、そうだよ。久しぶりだね。


ニコニコと可愛い笑みを浮かべた半透明の見覚えのある姿。俺が最愛の彼女の姿を見て間違えるはずがない。その姿は正しくエカルだった。


シンジ:エカル…!エカル…!!

エカル:わっ!…ふふっ


エカルの姿は半透明だが触ることが出来た、その瞬間俺は涙が止まらなかった。

泣きながら俺はエカルに抱きついていたんだ。泣きじゃくっている俺をエカルは優しく抱きしめてくれた上に撫でてくれた。

俺が落ち込んだ時によく優しく抱きしめて撫でてくれた、あの時と全く同じだ。




少しして俺は泣き止んだ。気持ちの整理も出来たからだろう、涙が自然と止まっていた。まだエカルは居てくれていた、本当ならずっと一緒にいて欲しい。だがエカルを困らせる訳には行かないから、そんな思いは抑えておく。


シンジ:…エカル。今だから言う、お前に言いたいことがあるんだ。

エカル:…なぁに?


優しい笑みを浮かべて返事を待っているエカル、その笑みは悲しいくらいに優しかった。


シンジ:…エカル、俺はお前の事が大好きだ。だから…俺と結婚して欲しい。

エカル:…もちろん、ありがとう。


俺がそう言った瞬間、エカルの体が消えかけている事に気付いた。


シンジ:は…?

エカル:…シンジ、ボクと付き合ってくれてありがとう。楽しかったよ。

シンジ:待て、!お前ポケモンはどうするんだ、!?

エカル:シンジ、お願いがあるの。ボクのポケモンを、受け取って欲しい。

シンジ:は…!?待て、!お前のポケモンはお前のだろ、!?

エカル:…シンジ、ボクね。いつかこうなる日が来るって分かってたんだ。それに、ボクのポケモン達は物分りが良いからすぐにシンジに懐いてくれるよ。


どんどん消えていくエカルの姿。俺はお前に言いたい事とか、してやりたい事とかがまだあるのに、先に行くなんてやめてくれ。

あぁ、そうしている間にエカルは腹部まで消えかけている。このままだと消えてしまう。そうだ、この際言ってしまえばいい。もう、エカルと会える事は出来ないんだ。なら言ってしまうのが1番だろう。


シンジ:っ…!エカル、俺はお前の事が…!ずっと、ずっと!大好きだ、!お前以外の奴なんか要らない、!俺はお前が隣に居てくれればそれで充分なんだ、!!頼むから消えないでくれ、、エカル、!!

エカル:…ありがとう…シンジ…でも…もうダメみたい…ボク、シンジの彼女で…本当に良かったよ。


それだけ言い残して、エカルは消えた、俺も言えることは全部言った。なのに何だ、この心の空白は。何かが欠けたような、そんな気がする。

そして俺は夕日に暮れる空を見ながら、ふとこう思う。



─あぁ…俺は…愛する人を失ったんだ─

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初めまして!見てると素敵で切ない!

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