テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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第1話 - 🦖⚡.酔った恋人

220

2023年07月08日

#からぴち

#BL

#じゃぱたつ

#なおゆあ

#ひろうり

#もふどぬ

れをる。

🦖side

ふー。

俺は誰もいない部屋でひとり、大きく息をついた。

ほんの数時間前まで、賑やかだったこの部屋はメンバーが出ていってから変に静まり返っていた。

俺はどこか寂しくて、いつもより大音量で音楽をかけたりしてみたが、そうすると作業が捗らなくて結局消した。

いつもは、皆が帰った後もたっつんがいてくれて、作業中の話し相手になってくれる。

でも今日は、大人組が飲みに行くからって着いて行ったのだ。

俺も誘われたけど、今日中に編集をどうしても終わらせたくて断った。

その作業もなんとか終えて、今一息ついたのだ。

時計を見ると午後10時を指していた。

もう飲み会は終わったかなー。

正直俺も行きたかった。皆で飲みに行くなんて久しぶりだし、なにより…

酔ったたっつんはこの上なく甘えたで可愛いのだ。

「行けばよかったかなぁ…」

天井を仰いだその時。机に置いていたスマホが震えた。

着信画面を見ると、なお兄からだった。

「なお兄どした?」

『もしもしーじゃぱさん?編集ありがとうございます！、めっちゃいい感じですね！』

「結構がんばったよ！、皆は？」

『あー、いるんですけど、ちょっと困ったことに…いたぁ！僕の足踏まないでください！』

電話越しにガヤガヤ聞こえる聞き慣れた声たち。

「困ったこと？」

『そうなんですよ、みんなめちゃくちゃ酔っちゃって。僕ひとりで頑張ってるんですけど、強いて言うなら

保育園状態ですかねw』

「保育園ってw大の大人達がなにやってんだ」

『とりあえず、おつかれのとこ悪いんですけど。今から来てくれません？…あったっつんさん!

今じゃぱさんと話してるんですから!あ、ちょっと!』

ンダホの声が遠ざかったと思ったら、一番聞きたくて仕方なかった声に代わった。

『あ〜〜じゃ〜ぱ〜ぱっ！はやくきてや〜会いたいよ〜〜おれ、さみしくてしんじゃう〜えへへぇ〜』

そう言うだけ言って、たっつんは電話を切った。

………反則もいいとこ。

「来たよ…って、どういう状況⁉」

目的地についた俺は、なお兄の周りで寝ているたっつんとうりりんを目の当たりにした。

「なおきり保育園、お昼寝の時間であります(え?)」

まさにそんな様子だった。なお兄が保育士に見えて仕方ない。

「さっきまでのバカ騒ぎが嘘みたいでしょ?」

「ほんとにね。あれ、のあさんは？」

「2人は配信があるからって、さっき帰ったとこだよ。」

と言いながらなお兄は、周りで寝ている2人のほっぺを叩いた。もちろん優しくね。

「うりりんも酔ってたの珍しーですね」

「久しぶりだそうで、楽しんじゃったんだと思います」

ほんとだ、寝顔が幸せそう。

「ところでさ、ヒロくんからメール来てない?」

「はい!さっきまで絶えずメールが来てて、いま迎えに来てます!」

「ひぇぇ…ひろくん、こわぁ」

「てか、そんなことよりじゃぱさん。たっつんさんがじゃぱさんを呼べ呼べってうるさいんですよ〜。保育園1の問題児」

と言いながらたっつんのおでこをつつく。

トマトみたいに顔真っ赤だ。かわいい。

全く気づいてないようだけど。

「このまま僕がたっつんさんを家まで送り帰ったら、ゆあんくんに怒られちゃいますからね…

たっつんさんは頼みますね、彼氏さん」

そう言った後丁度ひろくんも来て、うりりんもなお兄も店を後にした。

さて、俺も帰んなきゃな。

「たっつん?」

「んー…？じゃぱぱぁ？」

「そーだよ、じゃぱぱだよ。帰ろ」

「…う、ん……じゃーぱーぱぁー」

まだ目があいていなくて寝惚けているたっつんは、そう言いながら俺の腰に抱きつくように近寄ってきた。

「どうしたの」

「んー？すきー…んふふ」

「俺も、すきだよ」

「へへー、おれはねー、だいすき」

むり、かわいい。なんだこの生き物は。

とりあえず帰らねば。いろいろヤバい。

たっつんの頭を撫で、背中におんぶして帰ることにした。

「よいしょっと」

家に着くとたっつんをフカフカのベッドの上に置いた。

「水飲む?」

「んー…のむ」

俺はコップに水を汲んで、たっつんに渡した。

ごく、ごくといい音を立てて水を飲むたっつん。

空になったコップを置いて、満足気に横になった。

「たっつん、これ貸すから着替えなよ」

そう言って俺は自分のパーカーをたっつんに渡した。

たっつんは大人しく自分の服を脱ぎ、パーカーに腕を通した。

「…でかいねぇ〜」

腕も足も俺より短いにたっつんは俺の服は結構大きかったから、かなり布が余っていた。

これが天使、、、かわいい。

「寝ていいよ」

「んー…じゃぱぱは…寝ないのぉ？」

「俺はソファで寝るよ」

「なんでぇ、いっしょに寝るんじゃ、ないんかぁ」

口を尖らせて不満そうなたっつん。

普段こんなことは言わない。まあ行かないし、たっつんもそれを分かってるから言うんだろうけど。

「だめ、今一緒に寝たら、おそっちゃう気がする」

酔ったところを襲うなんてひどいでしょ。

それに、たっつんはきっと記憶が曖昧だ。

行為も、一回一回を忘れたくないし、忘れてほしくない。

まあそんな思いなど知らないんだろうけど。

「……いいよ、おそって」

「えっ、は？何言って」

遮るように、唇に温かいものが当たる。

初めてだった。たっつんからキスをされるのは。

「…だめ、なん、、、か？」

だめ、もう、むり。

俺の中で何かが切れる音がした。多分、理性という糸。

俺は自らシルクにキスをした。

俺も男だ。

もちろん耐えきれるわけなんてなくて。触れるだけのキスでは物足りなかった。

「…んはっ……んふぅう…」

俺の恋人は必死に俺の舌を追う。

絡まりあって、貪るような深いキスをした。

服の裾を掴むたっつんの力はだんだん弱くなっていって、体がびくびくと震えていた。

「んぅっ……」

しばらく絡めあっていた舌を離す。

目がとろんとしていて顔も唇も真っ赤。

「ふふ……えっろ…」

「はっ、ぁ…んえ…？」

必死に呼吸を整えるたっつん。

俺はもちろんこの続きをしたかったが、あんまり無理させるのも可哀想だろう。

それに…勢いだけでたっつんの体をいただくわけにはいかない。

「たっつん」

「ん…？」

顔を上げたたっつんのおでこにキスをする。

「続きはまた今度。寝よう、ほらおいで」

横になって両手を広げる。俺の恋人はいつだって飛び込んでくるのだ。

俺はその小さな体をぎゅっと抱きしめる。

「じゃ、ぱぱ」

「なーに」

「すきや、で」

「俺も好きだよ」

「んふふ〜」

たっつんはそう言うと満足したのか、数分後には寝息を立てていた。

目を覚ますとまだ隣ですやすやと寝ているたっつんがいた。

とっても幸せそうな寝顔だ。

起こさないように布団を出ようとしたのに、たっつんは俺の腕を掴んできた。

「なーに、ねぼすけさん」

「まだ、起きなくて、いーやろ」

「まだ酔ってんの」

「酔ってねーけど、たまには、甘えさせろよ///」

なんなの、デレデレなんですけど。

酔ってても酔ってなくてもいい、とりあえずかわいい。

これは甘やかさない手はない。

そうして俺はもう１度布団にもぐり、世界一幸せな二度寝をするのだ。

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