🤍×主人公
お着替え中に🤍さんに少しイタズラされちゃう主人公のお話
(R15くらい・少しリョナ要素有、時系列バラバラ・解釈違いあるかも)
なにか長い夢を見ていた気がする、淡い記憶を瞼裏の墨のような黒が塗りつぶしていく。それは眠気か、はたまた瞳のレンズの曇りが視界の移動を制御する。グイッと半円型の黒を押しのけ、視界を確保する。
いざこうして意識を覚ますと、ドバっと突然痛覚の波が脳へと伝達が許可され、下唇をちぎれそうな程噛み締め声をぐっと抑える。
どうやら、腕を負傷していたようで、肉ごと持ってかれた腕には血の滲んだ包帯がグルグルと渦をまくように貼り付けられている。妙に丁寧で少しのズレひとつない。他にもよく見たら、腕以外の部位も切り傷やら擦り傷が酷く、とても目にできるようなものでは無かった。
「い”ッ…」
板一枚上で身の苦しさに身体をよじらせる音が個室にひびきわたる。
ベッドの布にピタッと触れるだけでも、傷口からのヒリヒリとした痛みが全身を襲う。いくら口から出る悲鳴を抑えようとも、それにも限界がある。こんなに辛い時間が続くなら、いっそ死んだ方がマシだ、などとネガティブな思考が脳を支配する、これが俗に言う生き地獄、というものかと身をもって体験する。
幸い、足や膝元などは傷一つなく純白を保っていたようで、ヨタヨタとやじろべえのようにバランスの取れない身体を死者のように這って個室のドアノブに手をかける。
鉄のギギッという不快な音までが傷口を一つ一つ刺激していく、ほんのあともうちょっとだと言うのに。そして、ドアの隙間から目に飛び込んだのは、豆電球の鮮やかな山吹色。
「ッ !! あなた、傷 動く 止まる !! 」
そして、そのひ弱い閃光に反射するシルバーグレーの細くしなやかな髪の毛。満身創痍の私を目にして助けてくれたのだろう、安堵で腰が砕けるようにへなりと倒れる。
しかし、この世界でなぜ私を助けてくれたのだろう、今まで出会った怪異なんて、一部を除いて害しかない奴らばっかだったというのに。
いきなり、警戒する猶予も与えずにヒョイっと身体が浮いた、少し冷たい指の感触と浮遊感で思わずハートがぴょんと跳ねる。自身の何倍も大きい両手で抱えられ、母猫に連れられる子猫のように介抱され、先程気絶していたベッドへ視界が近づく。
「…ありがとう…。」
彼は口を三日月形に歪ませ、私の髪の毛を手の甲でわしゃわしゃと撫でる。安心感と心地良さが身体全体につたわり、全身が暖かくなる。
ぎしっと音を立てて鉄骨が数辺ある程度のベッドへ再び身を預ける。
「服 いる 渡す すべき、 ? 」
そう心配そうに彼は口を開く。そういえば、この着せてもらってる服も自身の血か、はたまた何処かしらで貰った物なのか、自分でも分からない。お初にお目にかかった人物が血だらけの布一枚だったら、まあ普通の感性だったらそりゃ気がかりもするか、と頭の回らない脳でぼんやりと思い浮かべる。
どうやら、新しく衣を持ってきてくれるらしく、この不快感のあるレインコートからいち早く逃げたかった私は彼に服を委ねることにした。
少し経って数分、鉄の扉が揺れ、ひとつの影が現れた。私のために用意してくれたのであろう、光にも負けないくらいの真っ白けな白布が手に握られている。
ボロボロと今にも零れ落ちそうな身体を無理やり持ち上げて、太陽にも負けないくらいの満面の笑みで彼を迎え入れる。
悩ましそうな視線をこちらに送る彼が、不思議でたまらなかった。なにか身体にでも付いているのか、と自身の手足を確認するが、ただ浅い傷が数個ほどと、ただの肉塊となった右腕だけ。
「… 服 動く、可能 ? ではない すべき ? 」
心配してくれているのか、ガラクタのようになった身体を見てそう告げる。いくら外傷が酷いとはいえ、着替えを手伝ってもらうなんてもってのほか。罪悪感が身体を巡る。
しかし、依然このままではいくら足掻こうと私一人では膿と返り血だらけのこの醜い上衣を処理できず、猫の手も借りたいと言うところだ。泣く泣く彼に協力してもらうことを告げ、彼にこの身体を全面的に任せることした。
「あなた ! 傷 痛い、 ではない ? 」
服の錦糸が身を擦る度、後ろめたそうに口を動かす。袖に手腕を通すとき、妙に互いの距離が近くて、胸がどくんと大きく脈を打つ、自分でもモヤモヤが止まらなくて胸がむずがゆい。
「痛い ではない、OK 」
顔全体が真っ赤に火照る、なんでこうも不運なのか、布が自身の膨らみに引き寄せられるように重なり合う。
こそばゆい感覚が全身に広がって、羽をむしられた鶏のように皮膚の表面に鳥肌が浮かび上がってくる。
「ん…、」
その拍子に、赤子のように小さく声を上げる。最小限に抑えた筈が、これも運の尽きか、彼の耳にバッチリと届いているではないか。
欲情でもするものかと考えていたものの、想像とは断然違う反応が返ってくる。我が親を見つめる仔犬のように上目を遣いこちらをじっと見つめ、そのふっくらとした唇を動かした。
「あなた、痛い ? 」
ホッ、と警戒心を無に返し、安堵で肩を下ろす。当然、線をなぞるような丁寧さで衣替えをしてもらっていたとはいえ、多少の刺激は身体には伝わる。
ここでホラを吹くのも大人気ないので、自身の心に正直に口を開く。
「ここ、少し … 。右 」
水分を出し抜いたようなカラカラの人差し指でその右の腕をグイッと差し出す。膿の滲んだ包帯が二重、三重と巻かれていて、ジンジンと身体を蝕むような痛みが襲う。
鉄と生物が腐ったような、ムッと鼻にくる匂い。まるで人間の一部ではないように見えるそれを目にして、彼は無言で無機物だらけのこの部屋を立ち去る。
まだ着替えの途中だと言うのにどこへ消えたかと思えば、数十秒もしない間に幸の薄い灰混じりの包布を手にしてドアノブを捻った。私は、おかえりなさいと少し会釈をし、彼をベッドに腰かけるように催促した。
「ここ、 すべき 別の。OK ? 」
「うん、」
古臭いベッドにひとり座る私の横にピッタリとくっつき座る。露出した白布を指差し、そのまま白い指でぴとっと触れ、雪のように白く冷たいその骨ばった指の薄肌で撫でる。私は軽くうんと承諾し、その心ゆるびを思う存分堪能する。
幼き日の母に寝かしつけられているような、懐かしい思い出がドバっと頭に広がって、自然に身体の強ばりがひゅっと抜けていく。ほんの少しの安寧に、自然に瞳が瞼の裏にひょいと隠れる。
ほんの数十秒の出来事だった、突如、驚く程ふにっとした暖かみのあるものが唇に触れた。ほんのわずか、口腔に甘くどろりとした流動体が口内を満たす。
これが接吻だと脳が認識するまで、あまり時間は要さなかったようで、頭に白い花火が散るように脳がショートする。不意に甘い声が漏れ、身の回りへの視界がどんどん狭くなる。
これはなにかの実験なのか?と思わせるくらいの深い接吻に、子猫のように身を捩らせる。
「ん”っ…ふ…ぁ、////」
喉からひり出すのも限界なくらい、隙間まで彼のすべっこい舌に満たされていく。目に見えるものが全て銀色の世界で、頬にきめ細かい髪の毛がサラサラとあたる。
子供がするような軽いキスではなく、映画のワンシーンのような、相手をじわじわと貪り食べるような野犬のような口付け。彼の甘い口付けに、匂いに、光景に、全てに見惚れ、それに陶酔する。
「ぁ…んふっ、…はぁッ…は、///」
彼が入口から熱を出しても、口からは吐息とどちらのものか検討も付かない唾液だけが溢れ出る。一呼吸整える為に、不規則に口をはくはくと上下に動かす。
ちょっとだけ、脳に疑問が浮かぶ。何故私のファーストキスを奪ったのか?という問題が妙に引っかかって仕方がない。過呼吸も落ち着いた頃、彼の耳に語りかける。
「手、心配 治療…遊ぶ、ごめんなさい … 。」
要するに、包帯を交換する時に痛みがないよう考えた結果がこれだったという、それは意外にも幼稚な訳で、ふふっと笑がこみ上げると同時に、少しの羞恥で顔が赤く紅潮する。
後ろめたそうに人差し指同士をくっつけて許しを乞う彼が愛おしくて、イタズラ返ししたくなるくらい。
何かを思い出したかのようにハッと身体を跳ねさせる、そういえば今は下着一枚、通りで肌寒いと感じたかと思えば、まだ着替えのきの字もしていないでは無いか。彼も私の反応を見て気付いたのか、せっせと肩から腕へと布を通す彼が可愛くて仕方なく、抑えていた笑いをドバっと解放する。
「あははっ、急がなくていいよ 。」
口を半円にして笑う私に気付いたのか、むんと頬を膨らませ着替えをサッと終わらせる。不機嫌になったりご機嫌だったり、意外な一面もあるんだな、と浅く考える。
シルバーの髪を揺らし、二本の足で地に足をつけて私を見つめたと思えば、ひょんな事を言い出す。
「口、 また したい… 可能 ? 」
ぼっと身体が火照り、微笑が照れ笑いへと変化していくのを感じた。いいよともダメとも言えないこの質問に、数秒の沈黙が空間を包み込む。
彼の頬に手を伸ばし、両手でそっと掴みとる。ほんの少し暖かみのあるその肌を一掴みして、彼に呟く。
「ダメ、今度は 私から ね。」
そうささやき、また口元へと磁石のように吸い込まれていく。
リクエスト絶対こんな内容じゃないですよねすみません…🙇🏻♀️ ՞
もうちょいで這いばいさん受けの方もかけそうかな…書けるか?
もう少しお待ちください〜…👉🏻👈🏻💦
深夜テンションで書いたので下手だし適当だし色々違和感あると思います、ご了承ください。
銀髪さん×主人公はいいぞ。
それだけ
ばいもち〜
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