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※ormnです。
※オメガバース世界線、書きたいとこだけ
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【めんside】
突然だが、俺の恋人は非常にお洒落だ。
アクセサリーなどの小物使いはもちろん、服のセンスもピカイチで。
自分の魅せ方をよく理解しているんだと思う。
「今日誰もおらんから、うち遊びにおいでよ」
そう言われて上がった家の家具などのセンスもまぁとても良い。なんならいい匂いもする。
「飲みモンとか持ってくるな、好きにしとって」
おらふくんは、俺にお洒落を求めることはない。
ただ自分が好きだからそうしているのだと、めんはそのままがええんよと笑ってくれるので、今までは何不自由なく過ごせていた。
そう、今までは。
『……ッ?』
アルファとオメガ。
第二の性と呼ばれるそれに当てはまったのは随分昔の事だった。
幸いなことに俺はどうにも症状が弱いらしく、特に薬を飲むこともなく他人から当てられることもなく過ごせていたのだが。
最近アルファであるおらふくんとなんやかんやあってお付き合いを初めて、どうやら体質に変化が起こってしまったらしい。
『んだよ、これ……ッ!身体、あつ……』
経験したことの無い熱量に、心臓が爆発しそうで。
これがヒートってやつなのか?自分の中のやけに冷静な俺が考える。
だが、この20年ちょっとの間全く縁のなかった異変に、少しずつ俺の理性が持っていかれる。
あぁ、駄目だ。俺一人じゃ。
きょろきょろと周りを見渡せば、おらふくんの私物があちらこちらに見える。
近くにあったブランケットを被れば、おらふくんの優しい匂いがして、心做しか心が落ち着いた気がした。
巣ごもり。
知識だけ頭の片隅に残っていた言葉を思い出す。
服や布団で巣を作るんだっけか。
でも、どうやって?
おらふくんに褒めてもらえるような巣を、俺は果たして作れるのだろうか?
考えてもしょうがないとクローゼットを開けた瞬間、俺は硬直する。
これ、絶対高いやつじゃねぇか!!!!
そこに並んでいたのは、俺の知らない生地でできたいわゆる高級ブランドの服で。
ちょっとでもシワができようものなら発狂してもおかしくないような服ばかりだった。
『ど、どうすれば……?』
巣を作りたい。でも、これを使えばきっと怒られる。
ブランケットを被ったまま、俺はその場にへたり込むしか無かった。
【おらside】
飲み物を取ってくるとリビングに向かうも、肝心な飲み物があまりない事に驚愕したぼくは、近くの自販機でペットボトルを購入した後におやつをいくつか持って自室へと足を運んだ。
「……?」
ふわり、いい香りがする。
自分の匂いでも、おやつの香りでもない。
発生源はどうやらぼくの自室。
「めん?めーん?」
コンコンとドアを叩くも反応がない。
何かあったのかと扉を開けた瞬間、ぶわりと広がった香りにぼくは目を見開いた。
「っめん!なにがあったん!」
ブランケットに包まってはらはらと涙を流すめんにかけよる。
『どうした?どっか痛いん?』
甘い香りに頭がくらくらするが、それよりもめんの心配の方が上回ったぼくは、背中をさすろうと手をかけようとした。
瞬間、ビクリと肩を跳ねさせこちらを見ためんに、息をのんだ。
「おらふ、くん、ごめ、おれぇ……!」
話を聞いてあげたい気持ちと、今すぐにその涙ごと食べてしまいたい欲がないまぜになる。
『……ッ!!!め、ん、大丈夫やから、な?』
何とか堪えて優しく言葉をかける。ここで欲に呑まれたらめんを悲しませてしまいそうで。
『なんで、泣いとるの?』
「おれ、おれ……うまく、できなくて」
『なにができんの?』
「す、つくりたくて……でも、服、ダメにしちまう」
『……えっ』
まさか、あのめんが?
全然ヒートがなくて、それでもそばにいられるだけで十分に幸せだった 。
そのめんが、今、ヒートで苦しんでて。
あぁ、どうしよう。
『かわいい……!!!』
「……はっ?」
どうしようもなく愛おしくて思わず抱きしめためんの身体は、ヒートのせいか酷く熱を帯びていて、汗から香る濃厚な番の匂いにゴクリと喉が鳴った。
『ええんよ、初めてやもんな、ブランケットじょーずに被れて偉いなぁ!』
ぎゅうぎゅうと抱きしめるぼくに、おずと手を回すめん。
『んふふ、ここの服はぜーんぶ使ってええよ、ぼくのものはめんのものみたいなもんやし』
あれと〜これと〜と指をさせば、目を泳がせた後、俺からスルリと離れ服を丁寧に盛っていく。
できた山は初めてとは思えないくらい綺麗な巣となり、建築のプロは伊達やないなぁとひとりごちる。
『ん、上手』
巣の真ん中に丸まっためんを撫でる。
「……ありがと」
ふわりとはにかむめんに、心臓がどきりと音を立てた。
『……なぁめん、ご褒美、欲しい?』
我ながらズルい質問やと思うけど、この後のことを考えればお叱りのひとつやふたつ、甘んじて受けようと思う。
同じくらいの熱量を持った瞳と瞳がかち合う。
さぁ、今は素敵な巣を作ってくれた彼を目一杯褒めることに集中しよう。
次も素敵な巣を作ってくれるようにな。
未着用のプチプラ服
『めんがいっぱい巣を作れるように安い服いっぱい買うたから、今度は安心して作ってな!』
「なんでそういうとこばっかりノンデリじゃねぇんだよ!」