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僕と君、君と僕…この世界には2人だけでいい、2人で駆け落ちしよう、そう言えたらどれだけ良かっただろう?どれだけ地獄が辛くても僕達は未成年だった…一緒に死ぬことしか出来なかった自分が不甲斐ない。
最初で最期に君に恋をした、恋をしていた…僕は一生分の愛を君にあげていた、とても切なくて、哀しくて、辛くて、甘かった。
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こちらは番外編となります。[ 初衣の過去 ]
第4章-君と見た星空
_ピコン
深夜2時になる頃、ピコンと音を立て画面に光が写る。
『 起きてる?こんな時間にごめんね、今お母さん達に殴られて追い出されて…辛いから少しだけ逢えないかな…死にたくなっちゃった 』
文だけなのにれぐの手は震えるのが分かった、外は少し冬になりかけてる、寒いだろうと思いブランケットを持ち待ち合わせ場所へ行く。2時だと言うのに外は少し明るく星が出ていた、とても綺麗な星空だな_
薄暗い街道に照らされるベンチに座っている彼女、れぐ
『 ごめんね、待たせて、寒かっただろう?これ持ってきたから被るといいよ、それでも足りないなら僕の今来てるパーカーを貸すよ 』
彼女の負担にならないように優しく声掛けた、
『…ありがとう、ねぇ、ういちゃん これ、… 』
彼女の手が震えてるのは 寒いせい?それとも…
『 こ、れ…睡眠薬? 』
…怖いせいだろうか?
『…ん、私何のために生きているんだろ?愛を受けるはずの親から酷い扱いされて学校には友達いるけど、本当の友達じゃなくて皆私を同情の目で見たり冷ややかな目で見るし…私耐えられない。…私ね死ぬ時は大好きな人と一緒に死にたいの…ごめん、嫌なら嫌でいいよ』
彼女にこう思わせたのは…紛れもなく周囲の人達だろう、死にたい、一緒に死にたい、優しさのはずなのに心まで凍てつかせたのだろうか?…俺はそれでも愛している
『 俺れぐの為なら何でもできるよ、れぐとずっと一緒がいい、一緒に死のう 』
俺たちは最期になるから、と夜中の2時半、薄暗い街頭の下何度も身を寄せキスをした、死ぬのが怖くないと勇気づけるように…
『 こんな私でごめんね、愛してるよ…ううん、愛してた 』
愛してた…照れ隠しに顔を赤くしながら笑う君の顔も泣きながらなんでも話してくれる顔も、誤魔化し笑いも、今みたいに切なく悲しそうに笑うれぐの顔も…もう最期なんだな、
『こんな私、なんかじゃない。_俺も愛していたよ 』
夜の空、星が消えていく中俺たちの愛は消えなかった、消えようとしなかった。れぐに渡された睡眠薬を手に取り何錠も飲む、彼女も…。
『 愛してる 』 2人の声が重なる
苦しそうに顔を歪ませる彼女の手にキスを堕とした。
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第4章-君の遺したもの
数週間後、嫌な音が耳を貫く。規則正しい心音、ツンっと鼻につく薬品の匂い、…俺は生きた、生きてしまった。彼女は、れぐはどうなった?
目を開けると、顔を真っ赤にして泣いていた家政婦がいた、どんなに俺が目を覚まさなくても、寝ていても目の前にいるのは家政婦だけだ、俺の親はいない…
『 うい様?!あぁっ….目を開けて下さりありがとうございます…っ』
俺がなにか言いたそうに口を開けても声が出ないせいで伝わらない…そんな俺を見て家政婦はなにかを察したのか重い口を開ける
『…れぐ様はお亡くなりになられました、とても強い遺書を遺して、いきました。お葬式、火葬はもう済んでいると、お聞きしました』
嘘、だろ…っ、俺は自分を置いて彼女を殺したも同然…だろう?
叫びたくなるような悲しさだった。涙ぐみながら家政婦は俺に渡した。
世界一愛している俺の彼女、れぐの遺書だった。
『 4月9日 夜中2時半 私は今これを泣きながら書いています。泣くって事は少し死に対して恐怖があるのかな?こんなに辛くて死にたいのに死に対して恐怖があるのはきっと、ういちゃんが居てくれるからだよね。でも私はさっきういちゃんにとんでもない事をしちゃいました、メールでね死にたいなんて送っちゃったのにういちゃんは怒るどころか私にプランケットまで出してくれて身体も心も暖かくなって少しだけ、生きたいなんて思えた、けどそんな気持ちはほんと少しで家に帰ってみれば辛いことだらけ、私死のうと思った、ここまで生きた私偉いよ、偉すぎるよ…本当にここまで生きて来るのに辛すぎたし苦しすぎたし、生きた心地がしなかった。私は綺麗な星になります、好きな人と一緒に好きな星になって、一緒に居るって決めたの、私はういちゃんが好き。もし私だけが生きたらあと追うから、待っててね… この手紙がういちゃんに届くか分からないけど最期に、言うね。 愛してるよ 』
震えた字で所々雫が落ちて、俺はなんで生きたんだろ、生きちゃったんだろう…今すぐ君のもとへ生きたい。死にたい、死にたい、死にたい、何度そう願っただろう、100回を超える死にたいを思う頃には俺は退院していた。俺の目の前にはれぐの遺影、れぐの大好きな食べ物、飲み物…俺は、どうしたらいい?今すぐ君の元へ逝きたいのにまた生きたら嫌われそうで、そんな俺の妄想。俺は強く遺影を抱いた、本物のれぐにハグするかのように強くハグして写真のれぐの口にキスをした。
第4章-スノードロップ
3ヶ月後
それから俺は状態も良くなっていって学校へと復帰した、いつもと何ら変わらない風景、人、いつもと違うのは俺の隣に君が居ない。
れぐが好きだったあの星より遥か彼方へ彼女は行ってしまった、死にたいじゃなくて生きたいって思えるように勉強も頑張った、キラキラ輝いている俺を見て俺が死んだ時怒ってくれよ_俺はもうれぐのことを忘れたく思い、一人称を俺から僕に変えた。
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ふとれぐの写真を見ていると橋の下に綺麗な1本のスノードロップと倒れている人がいた。駆け寄ってみると…
『 きみ…っ、きみ_ 』 応答が無い、僕は急いでスマホで救急車を呼ぶ。健康じゃない痩せ具体、白くて細い腕にたくさんのあざ、傷、
この人もれぐと同じなのか…?
搬送された後、彼女の名前は 『ステラ』だとわかった、もうれぐみたいな人生をこいつには歩んで欲しくない、歩ませたくない…そう思うと同時に僕は、君に、ステラに…恋をした。
今思えば、同情やれぐと同じ人を放っておけないって気持ちでステラを好きになったんだろう。君がいつも僕に言っていた優しいは同情だったけど今はこんなにも君を愛している、普通じゃない出会い方だけど_僕はスノードロップじゃない君を愛している。__あの時ステラの横にあったスノードロップ…ステラは親から逃げるために飛び降りたのか?…なんで咲かないはずのスノードロップがここに…?親の、気持ちなのか?
『 その汚いスノードロップと一緒に死になさい 』
『 貴方の死を望みます 』
僕は全部のパズルが繋がると同時に恐ろしくなったのを今でも覚えている。
スノードロップ 番外編 君の遺した奇跡
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