この作品はいかがでしたか?
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※注意
n番煎じ
春千夜愛され
原作フル無視
捏造
父親が屑だし春千夜が可哀想
OD表現あり
なんの前触れもなくsideが変わります
殺人、虐待等を表現している部分がありますので注意の上閲覧してください。
以上大丈夫な方のみ閲覧お願いします。
愛情とは。深く愛し、いつくしむ心である。
愛情の注ぎ方は様々だ、子供のことを事を第一に考え守り抜くことが愛情だと謳う人間がいれば、暴力で心と体を支配し依存させ一生離れることが出来なくなるようにするのが愛情だと謳う人間もいる。これは子供に限った話ではないが。
俺、三途春千夜は世間一般的に見れば愛されていない子、である。
***
三途は幼少期時代、父親からの虐待を受けていた。
虐待と言われれば最初に思いつくのは暴力であろう、ただ三途の父は暴力に飽き足らず性虐待へと走り遂には違法薬物を自分の息子に飲ませるという何とも知能指数を疑う行動を起こしていたのだ。
勿論、三途の体はボロボロであった。体には痛々しく少々グロテスクな殴り痕に刃物で抉られるように刺された刺し傷、無理矢理飲まされた薬物の依存性によって止められなくなった薬物の過剰投与。三途はこれを切欠に薬物中毒者になってしまったのである。
今の三途春千夜という男が出来上がったのにはもう1つ理由があった。三途の母親は大層優しい人であった、いつも笑顔を浮かべ我が子の頭を撫でたり宿題を見たり。美味しそうなお菓子を作って食べさせる事も多々あった。悪いことをすれば叱っていたし、危ないことをすれば焦ったような顔をして心配していた。
三途以外の兄弟には、だが。
三途が話しかければ汚物を見るような目を向ける、三途が母に触れれば声を張り上げ穢らわしいと服や体を洗い出す。母が冷たくなった理由は父の虐待。一度だけ母は虐待される三途を庇ったことがある、然しその行動が気に食わなかった父が母を殴ったのだ。故にそれが母の恐怖として体や脳に根が張り巡らされ植え付けられていた。当時は最愛の母親の態度が何故急変したのか理解が出来ず只管苦しかったということを今でも鮮明に記憶している。
そんな三途を兄と妹は遠巻きに眺めていた。母や父のように蔑んだ目をするわけでもなければ、憐れむ素振りをすることもなく。只々三途が泣いているところを柱の影からジッと見つめているだけだった。
だから三途は兄も妹も嫌いだった。保身の為に父親へ媚びを売っているところも、全部全部嫌いだった。
***
廃れた高層ビルの一室に数発の発砲音と声にならない悲痛の叫び声が鳴り響く。
恐怖のあまり小便を漏らしている人質であろう人物を目の前に楽しそうな表情を浮かべゲラつくその男こそ、狂いに狂った今の三途春千夜である。
胸上でバラバラに切られたウルフカットは鮮やかなピンクに染め上げられており、父親から刺された目立つ傷を付けている口からは昔では考えられない程の暴言が吐き出されていた。右手には銃、左手には瓶に入ったカプセル剤。部屋の奥に座る白髪の男が一言指示を出すと、発砲音と共に部屋に響いていた叫び声が一瞬で怖いくらいに静まり返った。
「お前、今日はやけに荒れてたけど どーしたの?」
「…今日は彼奴らを、いや 何でもねぇ…。」
「え、なに?教えてよ」
今日は三途が初めて人を殺した日、元い両親を殺した日だ。
関東事変、横浜天竺の初代総長である黒川イザナが死亡し武藤泰弘含むS62世代が捕まった2月の終わり。寒空の下で三途は両親を殺した。今でもあの光景が三途の脳裏に焼き付いて離れない。父親は原型を留めなくなるまで顔を殴り続け口元には三途と同じ傷を付けて殺した。ごめんねと謝りながら三途の足縋りつく母親は穢いと蔑んだ目で見下ろしながら即効性の毒薬を体内に打ち込んで殺した。殺して全部終わった筈なのに死ぬ間際に見た両親の殺意に溢れたあの目が今でもずっと三途の体に纏わりついているのだ。頭をぐるぐると巡る良からぬ思考を強制停止し梵天幹部の一人、灰谷蘭の言葉を無視してマイキーのもとへ足早に向かった。
「だからさぁ 、三途の様子がおかしいんだって。」
俺、灰谷蘭は少々焦っていた。
焦っているというより心配していると言った方が正しいだろうか。兎に角、三途が何かを隠すように発そうとした言葉を自分の中へ飲み込んだあの時の行動が俺にはどうも気掛かりだった。
普段の三途も頭のねじが数本抜け落ちてる程には荒れてるしとち狂っているが、今日は何時にも増して酷く荒れていた。普段は容赦なく脳天をぶち抜き楽に殺してやるのに今日はジワジワと痛めつけるようにナイフで皮を裂いてみたり、舌を切ってみたり。正直見てらんなくて途中で止めに入ったくらいだった。三途は頭のおかしい奴だが冷静で判断力もしっかりしており部下にきちんと指示も出せる優秀な上司なのである。頭はおかしいが。
そんな奴が中々マイキーの言葉を耳に入れず、只々楽しそうに裏切り者を痛ぶっていたのだ。三途が楽しそうに殺しをしているのはこれまでに数回見たことがあったから違和感が無い訳じゃないが大丈夫だとしてもだ。首領の指示は絶対、首領が俺の王だと信仰するようにマイキーを崇め称える三途がマイキーの言葉を一語一句聞き逃す筈がない。そんなこと見てきた中で一度もないのにどうしたんだという不安と心配が俺の心を侵食していく。
「おかしいって、なんでそう思ったんだよ?」
そう問うてきたのは同じく梵天の幹部であり主に金を扱っている九井一であった。札束を捲る手を止め俺の顔を見ると小さく首を傾げる。俺の様子を不可解に思ったのか竜胆や鶴蝶も作業を止め俺の方へ視線を向けた。俺は近くにあった革製のソファへドカッと体を預けると今日あったことを覚えてる限り説明した。
「三途がマイキーの言葉を聞き入れないねぇ、そりゃ 変だな。」
「だろぉ?ぜってぇ何か隠してるって!」
「うーん…キメすぎて聞こえなかったとか?」
「彼奴なら あり得るな…」
全員が頭を抱え悩んでいると、三途の実の兄である明司武臣が煙草の煙を吹かしながら共有ルームに入ってきた。あ、此奴なら何か分かるかも知れない。俺らが知らないことも知ってる筈。
そう考え俺は明司に声を掛けた。
「ねー 明司?今日は明司にとってどんな日?」
「…なんだその質問。」
「いーから答えて!!」
「ぁ…今日は三途が両親を殺した日だ、俺には関係ねぇけどな。」
は?
その場にいた全員が石像のように固まる。口をはくはくさせ動揺を隠せなかった。
三途って武藤以外にも殺してたの?しかも両親を?何故?
明司のことを見てみると呑気に煙草をスパスパと吸っている、弟に親を殺されて此奴は何も感じないのか?いや、別に俺だって親に関心がある訳じゃなければいつ死んでも特別何かを感じることはないし、自分の手で殺めることになっても訳ありならば躊躇なく両親を殺せる自信はある。が、仮にも此処まで育ててくれたのは親であり俺も人間で在るからにしてそれくらいの情はある…筈だ。
そんなことを考えていると、後は三途に聞けと共有ルームを出て行く。まだ聞きたいことは山程あるし、あの様子じゃ三途もほんとのことを話すとは思えない。しかし善は急げ、思い立ったら即行動、昔の人の言葉は実に偉大であるからにして、この行動が善かどうかは置いといてさっさと事情聴取と行こうじゃないか。
***
蘭は部屋に引き籠もりたい焼きを黙々と貪るマイキーを引っ張り出し、半ば強制的に三途の部屋へ連れて行く。マイキーは少々怪訝そうな顔を浮かべながらも此奴が弟以外の為に焦っているところを見るのは珍しいから、と大人しく蘭の後をついて行くことにした。
蘭とマイキーが到着した時には既に三途の部屋に幹部が揃っており何が起こっているのか分からない三途は、頭上にハテナを浮かべる。そりゃそうだ、部屋で珈琲を嗜みながらボーっと天井の角を眺めていたらいきなり竜胆からドアを勝手に蹴破られ幹部が揃いに揃って自室に入ってきたのだ、三途からしてみれば吃驚どころの話ではないだろう。後を追うようにマイキーまで自室へ来るものだから三途は何を言われるのかとごくり、喉を鳴らす。梵天を裏切ってはいない筈、幹部同士でマイキーが出てくる程の問題が起きた訳でもないし俺の管理する管轄内で問題や不備があったという報告がある訳でもない。じゃあなんで俺の部屋に幹部が勢揃いしているのだろうか、と三途の脳内は凄いスピードであらゆる考えを巡らせていた。刹那、そんな思考を遮断するように蘭がゆっくりと口を開く。
「ねぇ…俺らに隠してることない?」
「…あ”?隠してること?」
「今日さぁ俺に何か言い掛けたよね?あれ、何て言おうとしたの?」
「お前らに話す理由なん「理由とかどーでもいいから言えよ、春千夜 。」
蘭の口から自然と漏れ出たドスの利いた低声にびくっ、と三途が肩をビクつかせる。怯えるように下を俯いたのが気に入らなかった竜胆は三途の髪を掴み少々無理矢理であったが顔を上げさせると、青ざめた顔で涙を浮かべながら中切歯で唇を力強く噛んでいた、力を込め噛んだ場所からツーと血が流れ出る。そんな姿に満場一致で動揺を隠すことが出来ず、内心焦りが浮上していた。すると、三途の口が薄ら開き蚊の鳴くような声で「ごめんなさい」と呟いた、一度だけではなく何度も何度も呟く。俺らとは目を合わせず部屋の天井を一点に眺めながら感情が消えたようにごめんなさい、と。そのたった6文字が俺らの心を深く抉り掻き乱した。今まで三途のこんな姿をこの場にいる者は誰一人として見たことがなかった、幼なじみのマイキーでさえ見たことがないという。三途が両親を殺したのと何か関係があるのだろうか、竜胆の無理矢理髪を掴んだことで何かがフラッシュバックしたのだろうか。思いつくこと、考えることが多すぎて頭が回らない、蘭の脳は今にもパンクしそうだった。
「父さんと母さん、殺した…」
「何かされてたの」
「父さんは、俺を殴ったり無理矢理犯したり…ヤクをキメるようになったのも父さんがキッカケ…」
「母さんは、俺を放置して武臣と千咒だけを見てた……武兄達が羨ましかった」
口を開いたから何を言うのかと思えば、放つ言葉は幼少時代の悲惨な過去物語であった。初めて挿れられた時に後孔が裂けて痛かっただとか、母さんがたった一度だけ食べさせてくれた真黄色のオムライスが美味しかっただとか。淡々と昔のことを話していた。然し蘭達とは決して目を合わせずじっと何処か一点を見つめて、人生を放棄したような顔をして。何故だか分からないがきゅう、と胸が締めつけられ気づけば蘭は三途に抱きついていた。それに便乗するように他の幹部も三途に抱きついていく。その状況に三途は目をぱちぱちさせ時折動揺を表すような少々震えた声を漏らしていた。頭を撫で優しく声を掛け頬にキスを落とす。そして、
「好きだよ」
続き欲しかったら書きます、多分……((
2000くらい欲しいです🥺🥺
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