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ゲートをくぐった先には黄昏時の空と、緑の川があった。
「ここが、魔界か。ヒルデさんの言ってた協力者の城が北にあるらしいが、北がどこかわからん。」
「お前ら、それぐらい把握しとけ。北はあっちだ。」
えっ?この烏喋れるのかよ。
「君、喋れるんだね。」
「いや、実際には喋ってはないな。まぁ、神の加護ってやつだ、お前らの頭の中で勝手に翻訳されてる。」
「なぁ八咫丸、城まで案内してくれよ。多分、俺達じゃ迷うからな。」
「そうしてやりたいが、この世界の魔界に来るのは数千年ぶりだからな、協力者の名前や顔、方角ですら分からん。」
おい、あの女神なんでこんな奴お供にしたんだよ。あともっと休みやれよ。
「まぁ、仕方ないよ。自力で探すしか無いね。」
『あーあー、ヒルデです。この世界は、星菜さん達の住んでるのた世界とは、別の世界の魔界ですから常識が違います。北は日が沈む方向で、協力者はフリードっていう女性で、水色の城に住んでるから、頑張ってください。 』
ちょっと待て。俺達の住んでた地球の世界にも魔界があるのか。ヒルデさんって何者なんだ?魂を導く女神。もしかして、全世界の創造主だったりして。ま、違うか。
「日が沈む方向だよね。そこに向けて出発進行!」
晴夏の合図に、俺達二人と一匹の旅が始まった。
「お腹減ったー!ここらへんに食べれる物無いの?」
「美味しい物は、そこの木の実だ。イチゴに近い味だ。」
刺された実は、ドラゴンフルーツの形でイチゴの赤さがある。
「美味だ。甘赤イチゴと同じ甘さだ。」
「甘〜い!八咫丸は食べないの?」
幸せそうな顔をしながら、晴夏は八咫丸に聞いた。
「この味は好きじゃなくてな、フルーツ系は苦手なんだがこれが一番苦手だな。」
大人なんだなぁ。何か近づいて来る 。敵襲か、野生の動物か。どちらにせよ危なすぎる。
「やあ、君たちがヒルデさんの使者だな、話は聞いている。私がフリード、この魔界の八陸魔王の内の一人だ。」
フリードと名乗る女性は、氷色のドレスに身を包み氷柱の杖を背負っている。
「着いてこい、城まで案内してやろう。」
フリードさんは、そう言いながら日が沈む方に歩いていった。
「あなたが、協力者ってことは聞いてるんですがなぜなんです?」
「ヘルニアは、私と双子の妹だ。今、表に出てる奴は偽物だ。あいつが、監禁なんてすることがない。あるとすれば私ぐらいだ。」
アウトだろうが!どの世界に双子の姉を監禁する奴がいるんだよ。
「そんな妹だが、優しいやつだ。」
優しいやつが、監禁ってするのだろうか。重度のシスコンとかでなければしないだろうな。