テラーノベル
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飼われてとうに三週間が過ぎた頃
今まで若井にあった逃亡の意欲はとっくに燃え尽きており、ぐったりと脱力しているはずなのに、身体がやけに軽い
「おれ…」
「なんで、生きてんだっけなぁ…」
頭がちりちりと焼かれるように痛く、非力ながらも拳を握った
がちゃり、と鍵穴が動く音
それが玄関で聞こえると、いそいで立ち上がり玄関へ向かう
また殴られる
その恐怖で若井は堪らず足を早めた
「おかえりっ、おつかれ」
「…」
若井はじんわりと感じ取っていた
明らかな大森の違和感と、怒りを
「…もとき、?」
「…」
「んぅッ!?」
いきなり大森が動いたかと思えば、若井の後頭部を掴み、唇を奪った
舌こそ入っていないが、唇を何度もはむはむと咥える
もう片方の手は若井の腰を撫で、艶かしい手つきに息が漏れる
合わさっていた唇が離れると、大森は散々咥えた若井の唇を舐めた
「…も、もと」
若井には恐怖心が募るばかりだった
暴力など、トラウマ的な恐怖心ではなく、大森がどんな意図でこのキスを行ったのか不明だからだ
「…おいで
ご主人様が疲れてんだよ」
リードを掴み、寝室まで引き摺るように連れていく
「う”っ」
喉を苦しそうに鳴らすと、即座に身体を立て直す
「もと、きっ、もっとやさしく”っ」
「うるさい、きゃんきゃん吠えないで」
その一言を吐き捨てると、寝室の扉をしめる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はっ…はぅ…」
雑にベッドに放られ、息苦しさから一気に開放された開放感からか、浅い呼吸を繰り返した
「…今日ねぇ」
大森が若井に馬乗りになって話し出す
「…”若井最近見ないね”って、涼ちゃんが言ってきてさ」
「俺と若井、同じ匂いするんだって」
「俺から若井の匂いがするらしい」
「…気づかれたのかなぁ」
「こういうとき、犬を飼ったって言ったら信じてもらえるのかな」
大森が言葉をつらつらと並べる度、若井にとってそれは大きな疑問符をさらに肥大化させるばかり
意味が分からない、バレることなんざ当たり前に分かっていたことだろう
本当に読めない
大森が首輪を撫でると、呟く
「ストレス発散に犬を使うのは…虐待なのかなぁ」
「…」
少し黙ると、大森は溢れんばかりの笑みを浮かべ、子供のように言う
「いいね、性処理としても使おう」
脳が警告する
“今すぐに大森を突き飛ばせ”と
体を動かそうとすると、大森に腰を掴まれる
「元貴ッやめて、ッこういうことしないって言ってたじゃんッ!」
足をパタパタと暴れさせ、抵抗するがそれも虚しい
「大丈夫だよ、怖くない、怖くない」
そう優しい、母親のような表情で大森が若井の頭を撫でる
会話が噛み合わない
それが何よりも恐怖心を募らせた
「うぁ、ん…ッ」
普段は排泄に使うはずの穴なのに、今は逆に異物を入れられている
大森の細く、かといって華奢では無い指が、若井の中でぐちゅぐちゅと動く
潤滑剤のおかげで痛みはなく、所謂喘ぎ声が漏れるだけ
吐息と混じるその声が非常に艶めかしい
「若井、今の若井、すっごい綺麗だよ」
口角をにんまりと優しく上げ、本当に愛おしい物を見るかのような目をしながら見つめる
その姿を見ると、気分が悪くなった
若井は、自身のこんな姿で興奮する大森を見たくなかった
また、胸がチリチリと痛くなる
だめだ、これ以上は心が壊れる
「もうほぐれたか、力抜いて」
そう言われ腰を掴まれる
まだ体の熱が解けない中、朦朧とする意識で大森の目を見る
「あは、すっごい虚ろ」
「でも、すっごい気持ちくなるよ」
囁き方がやけにねっとりとしていて、涙が出そうになる
そう虚ろになっていると、下から内蔵を圧迫されるような感覚が腹部に伝わった
「んぉ”ッ」
「んわ、もう全部入ったよ、ちゃんと解れてたね」
動くよ、という言葉がスイッチになり、大森が抽挿を繰り返す
「あぅあッ、やぁッ」
がつがつと腰を振られ体を揺さぶられる
厚くもない胸板を撫で頬を緩ませる元貴に若井は明らかな恐怖心を感じた
「もとッ、とまッてぇ”…!」
そう言うと、緩んだ頬がいきなり固まり、大森の若井を見る目が変わる
「…吠えるなよ、うるっさいなぁ」
仰向けだった体をごろんとうつ伏せにされると、背で腕を拘束され腕の自由を失った
「ね、おねが、もと…とってぇッ」
「何が取ってだよ、俺イって無いんだから休んでる暇ないよ犬が」
冷たく言い放つ声が後ろから聞こえ、堪えていたはずの涙が溢れる
「あん”ッは、やぁあッ」
また腰を打ち付けられる
何度も何度も、止まることを知らないピストンがとっくに解れた肉壁を突く
若井のぐずぐずと自分の鼻をすする音と、そこに混ざる嗚咽、大森の一人余裕そうに漏らす吐息が部屋に響く
「あ〜、いく、ッ」
そう大森が発すると、若井の最奥で果てた
一滴も漏らさぬよう、腰を力いっぱいに打ち付け、もう出し切ったと悟るとまだ熱を帯び立ち上がる大森の下が若井から抜け出る
「は、ぁ、ひぅ」
もう声など出せるほどの気力もなく、体をびくびくと痙攣させて情けなく喘ぐだけ
「あは、すっごい、全身性感帯になっちゃうね」
そう悪戯そうに笑うと、大森が若井の臀部を一回ぱしんと音を立てて叩く
「ひぁッ、はぁう、」
「あははッ、お尻叩かれただけでびくびくしちゃって、ほんと淫乱」
「こんなんじゃ、メス犬どころかオナホだね」
そうリードに指をひっかけて若井の頭を持ち上げ、耳元で囁く
「もと、き」
「かえって、きてよ…ッ」
「こんなもとき、ッしらなぃ…ッ」
若井がまた、枕に顔を埋めてぐすぐすと泣く
「…」
きょとっとした表情で、大森は涙を流す若井を見る
「…何言ってるの?」
「俺は変わってないよ」
「お前が知らなかったとか関係ない、知ろうとしなかったんでしょ?」
先程までに熱で火照った温度の声色が、一気に冷えて冷たくなった
「ずっと前から、お前を俺のにしたかったんだよ、ずっときらきらしてる若井を」
狂わせたのは俺と出会ったお前自身なの
その否定できぬ事実に、若井はまた涙を流すことしか出来なかった
コメント
4件

うわわわわ待ってました待ってましたついにR18ーーー泣泣 大森さんに躾けられるうちに逃げる気力も生きる意味も見失いかけてる若井さんが可愛い…… もうほんと、性処理として扱われて無理矢理抱かれても、泣きながら喘ぐしかできない無力な若井さんがあまりにも可愛くって…… 虐待とか言いながら、どこまでも犬扱いをして手酷く扱う容赦のない大森さんが大好きですほんっと…… むめいさんの作品が私の毎日の楽しみ……
なーんでこんな良いの思いつくかなぁ……