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#東京リベンジャーズ
み る く 𝜗𝜚
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春の独白—1
いつもメガネをかけて真剣に机に向き合っているものだから、あなたが不良で留年してるって噂が流れてきたときは、色々びっくりしてしまった。
あんなに真面目そうなのに?とか。
たしかに中間テストの順位、上位に名前を見なかった気がするな…とか。
色々思うことはあるのだけれどとりあえず、 中学生で留年なんて相当なんだろう。
…いや、あのガリ勉が?
私も最初聞いたときは耳を疑ったし、三度、いや四度ぐらい聞き返した。
でも、本当らしい。
少なくとも 留年というところは。
人は見かけによらずとはこのことか。なんて、失礼なことを考えた。
あのきっちりメガネが…留年……
どちらにしろまともじゃないことに変わりない。
関わらないでおこう。私は誓った。
直接話したこともなかったのに。
今思えば少し、馬鹿だったかもしれない。
2年生ではじめての席替え。
偶然にもそんなギャグみたいな存在が斜め前の席になった。
それから少しずつ、彼は私の視界にはいるようになっていった。
そして、ある昼休み。 私は、たまたま見た。
辞書を引きながら真剣に紙に何かを書いているあなたを。
あまりに真剣だったものだからトイレに行くふりをしてこっそり覗いてみると、 それは手紙だった。
(めっちゃ遅筆だな…)
…彼は漢字が出てくるたびに辞書 (よく見たら漢字辞典だった)をめくっては書いてを繰り返していた。
誰に宛てたものかなんてわかりようなかったが、ただ一生懸命に慣れないであろう手紙を書いている横顔は、妙に印象に残っていた。
そこからだ。気づいたらつい彼の背中を追ってしまうようになったのは。
彼は凄い。昼休みもわからないところを頑張っているし、隣のクラスのやつにも教えてもらっているし。
ほら、授業も真面目に……あ、寝てる。
「……」
寝顔。メガネでよくわからないけど結構まぬけだな。
……本当の、本当に、彼は不良なのだろうか。
そういえば、留年してるってことは本当は一個上なんだよね。
なんて呼べばいいのかな。場地先輩?でも同級生だし…場地は馴れ馴れしいし……場地くん?
うーん。
まあ、私はきっとこの先も声をかけずに卒業するだろうけど。
コメント
1件
あら、この「春の独白」、すごく好きです。噂で「不良で留年」と聞いて距離を置こうとしたのに、漢字辞典を引きながら手紙を書く真剣な横顔を目撃した瞬間から、彼のことが気になり始める主人公の心情が、すごく丁寧に描かれていて。最初は「関わらないでおこう」と誓ったのに、いつの間にか背中を追ってしまう、その距離感の変化が絶妙でした。最後の「声をかけずに卒業するだろうけど」という諦めにも似た一文に、この先何かが動き出す予感がして、もっと読みたくなりました。