通電祭

あなたの肥えが好き

秘密主義だから括弧をつけた

満たしてよ世の核から

水面に花びらを載せる優しさ

不器用でよかったの

揺らりと潜みに恋してました

爽やかに添う調べと

光の形が透き通り冴えていた

園、絶え間ない変化

妙に暇な梦泥棒の慕う倫理学

消しては残す愚か物

懐かしがるのも許されなさげ

整然とした曖昧模糊

喩え噺が和らげた陳腐な儚さ

丁寧な空葬済の烙印

無いことにしたが全運の尽き

被害なく平らかな像

恐ろしく遥かな埋め立て場で

真鍮の忘却箱にある

恥じらいのせいで敗れた夢達

必死な自分の過ちが

知りたがってんの知らない振

逝かなきゃ済んだね

誘拐してればまともにいたし

涙ぐむ筈もないんだ

酔っ払って落っことしたから

考えなしの屑だから

懐かしむ権利も引き剥がした

守りたいから疑った

戦ぐ風にばっか襲われ続けた

最も狂った判断能力

飛んでも浮いても支えられ損

誓ってたら違ったよ

期待と執念とを幽かに零した

あなたを懐かしむ月