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なな🍏🐥🪽ちゃんとの合作作品
お待たせしてすみません……
・mtp
・センシティブ
・nmmn
ご本人様とは一切関係ありません
wki side
「若井、ちょっと」
スタジオの隅でいつものようにギターをかき鳴らしていたら、元貴に肩を叩かれた。
そのまま手を引かれて廊下まで連れて行かれたので、お説教だろうか、俺なにかしたかな……と身構えていると、
「今日、さ……僕の家来ない?」
と小さな声で、でも真剣な顔で言われた。
今まで幾度となく、ステージでスポットライトと何万人からの視線を浴びてきた元貴だが、今目の前にいる元貴の神妙な面持ちと不安そうな瞳から、緊張していることが見て取れる。
以前の俺だったら、そんなことかと茶化しながら即OKしていただろう。
「はっはぃ」
しかし今の俺の口から発せられたのは、予想以上に上ずった間抜けな同意の声。
返事を聞いた途端、元貴の強ばっていた肩から力が抜けていくのが分かった。
「ん、ふふ……初めてだね、“恋人”として来るのは」
挑発的な笑みを浮かべながら囁いた元貴の言葉の中で、『恋人』という単語が頭の中に何度も響く。
バンドとして活動し始めて約10年、色々な経験をしていく中でお互いの恋心を知り、俺たちは晴れて付き合うことになった。
だが、ハードなスケジュールのせいで恋人らしいことがまったくできず、そのまま一ヶ月が経とうとしていたところで、元貴からの突然のお誘い。
つまりこれ、そういうことだよね?
元貴とそういうことするってことだよね?
スタジオに戻ってからはもうそのことしか考えられなくて、そのままあっという間に解散の時刻に。
「……若井。行こうか」
元貴と一緒に、スタッフが運転する車に乗り込む。
車が発進してからは会話が一切なく、やがて気まずい空気が車内に流れ始めた。
窓に額をくっつけて風景を眺めながら、俺は必死にこの後の展開のことを考えた。
……どうしよう、ぜんぜん心の準備ができていない。
いつか来るであろうこの日のために、受けに負担がかからない方法などは何度か調べたが、それを実践で出来るかどうか……
元貴を傷つけるようなことだけは絶対したくない。
しばらく悶々とした後に隣の元貴を見ると、俺と同じく下を向いて何か考え込んでいるようだった。
不安なのは俺だけじゃないと分かり、どこか安心してる俺がいる。
こういう時になにか気の利いた言葉をかけてあげられたらかっこいいだろうに。
車内で一つも言葉を交わすことなく、車はそのまま元貴の家の前で停車。
スタッフに礼を告げて車から降り、元貴に鍵を開けてもらって家の中に入る。
「適当に座っといて」
促されるままソファに腰掛け、キッチンへと向かう元貴の背中をソワソワしながら見つめた。
元貴の家には何回も訪れたことがあるが、今日は妙に居心地が悪い。
「も、も、元貴……今日、ヤるの……?」
コップを二つ持って戻ってきた元貴に、思わずどストレートに聞いてしまった。
ムードもへったくれもないが、今の俺にはそんなこと気にしていられない。
突っ立ったまま固まってしまう元貴。
あぁ、余裕ない奴だと思われたかな……
攻めの俺がリードしてあげなきゃなのに、今の発言で不安にさせちゃったらどうしよう……
ネガティブな思考ばかりが頭を駆け巡り、少し泣きそうになりながら俯くと、元貴が俺の横にそっと腰掛けてきた。
「……嬉しい。やっぱ若井も期待してくれてたんだ?」
「……ぅん」
顎に手を添えられて、強制的に目を合わせられる。
俺を愛でるような、優しい目。
「……もう、泣かないの〜」
「だって……」
元貴の胸に顔を埋めると、くしゃくしゃ頭を撫でてくれた。
泣いたうえに慰めてもらっちゃって、ほんと情けないな俺……
「だって嬉しいんだもん……元貴を抱ける日が来るとは、思わなくて……」
「うんうん、うん……?」
俺を撫でる元貴の手がピタリと止まる。
「ん……どぅかした……?」
「一応聞くんだけどさ……どっちがネコ?」
「……元貴じゃないの?」
だって元貴は、俺よりも背が低くて、可愛らしい顔してて、末っ子みたいに甘えんぼで、二人きりの時はデレデレしてて……
当たり前に元貴が受けだと思ってたのに。
「いや若井が受けでしょ」
「……えっ」
まさかタチネコで揉めることになるとは思っておらず、自分が攻めだと自信満々に返してくる元貴に唖然としてしまった。
「お……俺が攻めだし……」
「ふぅん……じゃ、」
「ぉわっ」
視界がぐるんとひっくり返り、ギラついた目をしている元貴の顔が至近距離に映る。
数秒遅れて、ソファに押し倒されたのだと理解した。
「言い合いしてても仕方ないし、若井にネコの素質あるか見てみよっか」
遅れたうえに、続き書きづらいところでパスしちゃったかも……
若さん視点だけだし
ななちゃんごめんなさいぃぃ💦
コメント
4件
うわぁぁぁ!!!ななぽんとの合作✨✨✨もうほんっとう最高……(語彙力) タチネコ論争の始まりだ……(?)
ふわぁあっ!! やっぱりのみちゃん、お話しの転がし方上手だぁあ…!! 若井さん、途轍もなく可愛いじゃないですかっ!! 続き、上手く書けるかなぁ….笑 素敵な1話目をありがとう! 私も更新遅れるかもだけど…. 書いてきますっ!