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「 …弓を教えて欲しい? 」
私が思わずそう聞き返すと、雨衣ちゃんは首を縦に振る。
私は元から扱えたからあんまり教えるのに向いてないと思うんだけど…と思いつつ、ここまで来てしまった物は仕方が無い、と諦めて教える事にした。
「 じゃ、一回これで弓引いてみて。打たなくて良いから。 」
雨衣ちゃんに私が丁度持っていた弓を渡すと、そう言ってほんの少し離れた場所で結界を張って座る。
雨衣ちゃんはいきなりの事に驚きながらも、私が渡した弓に矢をつがえる姿勢を取る。
( …基礎はちゃんとしてるな…。弓力も渡したので問題無さそう。 )
そうどこか冷静に分析をしていた私は、1つ疑問を持った。
ここまで基礎が出来てるなら、どうして私に教えて欲しいと言ったのだろうか?
普通にここまで出来てるなら使えると思うんだけど…
そう思ったので聞いてみると、どうやら「 狙った所に当てられなくて… 」だそう。
「ったく…私が教えられる範囲までだからね?」
私はその場から立ち上がって雨衣ちゃんの方まで行き、呆れた様に笑いながらそう言った。
そうして雨衣ちゃんに弓を教えてる中、私の視界にふと少女が写った。
その少女は水色髪で狐耳があり、今の私よりも少し低い身長をしていた。
意味深に笑ったその少女は、私に向かってこう言った。
「 ―ねぇ、どうして貴女はわざわざその子に構うの?まだ…貴女には、やる所があるんでしょう?ね? 」