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続きです
国立多目的競技場、一次試験のフィールド。
永久 「、、、ふぅ、、、」
上鳴 「緊張してんの~?」
永久 「寝言は寝て死ね。」
切島 「いつも通りだな!!」
永久 「、、、ゴールで待ってんで、お前ら。」
広大な敷地に足を踏み入れた瞬間、四方八方から突き刺さるような視線が永久を射抜いた。
それは単なるライバル心ではない。名門・雄英高校、その中でも一際異彩を放つ彼女を、
開始直後に完封して名を上げようとする「雄英潰し」の悪意が渦巻いていた。
真堂 「固まってんの~?ビビってんの?なぁ、永久ちゃん!!」
真堂は固まっていた雄英を自分の個性で引きはがす。
上鳴 「永久!!」
永久 「自分のことだけ考えてろお前ら!!第一試験ぐらい通過しねぇと、凍らせて砕く!!!」
そいつら、雄英潰しの狙いは、まぎれもなく、永久だった。
永久 「、、、っ」
永久は、喉の奥で小さく息を呑んだ。 彼女の強さは、常に冷徹な状況把握と、
それに裏打ちされた「準備」から生まれる。しかし、今この瞬間の熱量は、彼女の予測を遥かに上回っていた。
永久 「多すぎ、、、」
カウントダウンが終了し、スタートの合図が響き渡った直後だった。
「今だ! まずはあの赤髪を落とせ!!」
「数で押せ! 隙を見せるな!!」
一校や二校ではない。十数校、三百人近い受験生たちが、一斉に永久一人を目掛けて雪崩れ込んできた。
爆風、放水、硬質化した岩石、目にも止まらぬ速さで迫る刃。あらゆる個性の奔流が、一転に集中する。
永久の瞳が激しく揺れた。 いつもなら、この場を支配するために冷静に手を動かすはずが、
あまりの数と熱圧に、身体が一瞬硬直する。 一人の男子生徒が、
土煙の中から飛び出し、永久の肩を強く抑えつけた。
「捕まえたぞ、雄英!! お前の力が出る前に――」
永久 「触ん、、な、、っ!」
永久は珍しく声を荒らげ、パニックに陥りそうになる意識を必死に繋ぎ止める。
四肢を抑えられ、視界が他校の制服で埋め尽くされる。 彼女は「最強」であっても、
中身はまだ、急激な悪意に晒されれば一人の少女でしかなかった。
永久 「っ、、、」
自分の理想とする世界を作るために。 こんなところで、数に頼るだけの連中に屈して、何が変えられるというのか。
「、、、どけ。」
低い、地を這うような呟きが漏れた瞬間。 永久を抑えつけていた生徒たちが、
本能的な死の予感に身を震わせた。 彼女の周囲の空気が、一瞬で結晶化し、光を屈折させる。
爆発的な冷気が、彼女を中心に円状に吹き荒れた。
それはもはや「冷たい」という概念を超えていた。触れた瞬間に感覚が消え、
筋肉の収縮すら許さない、理不尽なまでの静止。 彼女を抑えていた者たちは、
叫ぶ間もなく、彫像のようにその場で凍りつき、動かなくなった。
永久は、乱れた制服を整え、まだ少し震える手でボールを握りしめる。
目の前には、自分の放った一撃によって静止した、数百人の山。
永久 「、、言ったしね、、ゴール地点で、待ってるって」
彼女は無言のまま、動けなくなった受験生たちのターゲットに、淡々と、
しかし確実にボールを当てていく。 その動きには、先程までの動揺は微塵も感じられなかった。
一度「スイッチ」が入った彼女は、もはや誰の手にも負えない、冷徹な勝利の代行者へと変貌していた。
会場に響き渡るアナウンス。 彼女は鼻から流れる血を乱暴に拭い、
凍りついた生存者たちに一瞥もくれず、出口へと歩き出した。
試験会場から通過者待機室へと続く、長く薄暗い連絡通路。 人影のないその場所で、
永久は壁に背を預けて立ち止まった。 脇腹が疼く。そして、
背後から忍び寄る「気配」に、彼女は既に気づいていた。
永久 「、、、そこにいるんでしょ。ヒミコちゃん」
影の中から、クスクスという愛らしい、けれど毒を含んだ笑い声が響く。
現れたのは、他校の制服に身を包んだ、トガヒミコだった。彼女はまだ誰にも変身しておらず、
自身の素顔のまま、愛用のナイフを弄んでいる。
トガ 「あはっ、見つかっちゃいました? 永久ちゃんは相変わらず、とっても冷たくて、、
でも、とっても熱い匂いがしますね」
永久 「何しに来たの。ここはあんたみたいなヴィランが遊びに来る場所じゃないよ」
トガ 「ひどいなぁ。お友達に会いに来ただけですよ? 永久ちゃん、さっきの凄かったです。
みんなをカチコチにして、、あんなの見せられたら、もっともっと、中身が見たくなっちゃいます。
あ、私のこと捕まえちゃいますか?永久ちゃんには勝てる気はしませんからやめてほしいかな、、」
トガは踊るような足取りで永久に近づき、その鼻先にナイフの切っ先を向けた。だが、永久は微動だにしない。
永久 「、、捕まえないよ。あんたがここに紛れ込んでても、」
トガ 「知ってます。永久ちゃんは、私を『ヴィラン』としてじゃなく、
『トガヒミコ』として見てくれますもんね。そういう優しいところ、大好きですよ」
永久 「勘違いしないで。ただ、今のヒーロー社会が押し付けてくる『正義』が嫌いなだけ。
あんたみたいな子が、ただ笑って過ごせる場所がない今のシステムが、間違ってるって思ってるだけだから」
トガ 「、、、ふふ。やっぱり永久ちゃんは、変な子。そしてツンデレで
かあいいですね!ヒーロー候補なのに、私たちの味方みたい。
ねぇ、永久ちゃん。この後の試験、もっと楽しくなりますよ? 私、あの子の血を貰いに行くんです」
トガは満足げに笑うと、小さな小瓶を取り出した。そこには、
事前に手に入れていたであろう麗日お茶子の血が入っていた。
永久 「、、デクのところに行くつもり? あんまり、あの子を困らせないでよ」
トガ 「善処しまーす。じゃあね、永久ちゃん。また、血の匂いがする場所で会いましょう」
トガは一瞬で麗日お茶子の姿へと変身し、スキップをしながら廊下の奥へ行こうとした。
そして最後に、、
トガ 「荼毘くんと弔くんが永久ちゃんのこと待ってますよ。」
と、つぶやき、姿を消した。
永久はその背中を見送り、重い溜息をつく。
永久 「荼毘、、と死柄木ね、、特に、荼毘、あの目は、、、ずっと思ってたけど、
轟と同じ目をしている。」
彼女は自分の脇腹に手を当て、再び歩き出す。 向かう先には、
自分を信じて待っている仲間たちと、自分を「異常」と見なす大人たちが待っている。
それでも、彼女は止まらない。 凍りついた世界の先にしか、
彼女がヒミコちゃんたちを救える未来はないのだから。
一方、麗日に姿を変えたトガヒミコは、人混みに紛れながら緑谷出久の姿を探していた。
その瞳には、永久に見せた親愛の情とは別の、どろりとした執着が渦巻いている。
トガ 「デクくん!大丈夫?さっきの土砂崩れ凄かったね、」
麗日の声で、麗日の顔で、彼女は「標的」へと駆け寄る。
その裏側で、永久との密談を反芻しながら。
トガ「(永久ちゃん。あなたの作る世界、私にも見せてくださいね)」
冷たい霧が立ち込める競技場の中で、少女たちのエゴと願いが、複雑に絡み合いながら、
二次試験という名の更なる混沌へと加速していく。
はい、どうでしたか。
さっき出したやつは製作時間約40秒なんですけど、
こっち軽く30分ですね、
明後日期末やのに、、、
3264文字!終わります。
めっちゃ書いたくない?
コメント
13件
あれ…通知来てなかったんかな🤔 それかうちが見逃した…?分かんないけど、めっちゃ見るの遅くなってごめんね🙇♀️💦 今回も良かったよ!続き楽しみにしとるね〜!
「寝言は寝てしね」かっちゃんのセリフやん!!シンクロだぁ✨ よってたかって1人の少女(多分みんな2年だから年下)を潰そうとか、ヒーロー志望のやることかい?って思ったけど、体育祭とか考えるとやりそう。絶対零度すごかったねぇ、、、、 トガちゃんくれてありがと!!「トガヒミコ」として見てる永久ちゃんだぁいすき! 荼毘の正体にも気づきそうやね、!続き待ってる! めっちゃ長文になったわぁ、!
30分でこんなかけちゃうんか…凄すぎる