入学式が終わり、私は片付けをしていた
周りからは他の生徒会役員達の愚痴が聞こえてくる
「もーなんでたった十数人でこんな数の椅子と机とシート片付けないといけないの?」
その通りだよ。重労働にも程がある
と心の中で呟きながら黙々と作業をする
するとこんな声が聞こえてきた
「会長ってー無愛想だよねー」
それに同調する声も聞こえてくる
こんなことを言われるものもう慣れたことだ
ところで彼女は教室にいるのだろうか
私の妹は
いや、ヒロインと言うべきか
思わず嘲笑が漏れた
それを見ていた役員たちが引いているのがわかる
だがいつもの事と割り切ってしまった方が楽だ
色々なことを悶々と考えている時先生が話しかけてきた
「ねぇ、結城さん」
「はい。どうかされましたか?」
「今年の新入生に結城さんの妹がいると聞いたのだけれど、、。来ていないのかしら?」
あぁ、ほらきた
私は貼り付けた笑みで
「あぁ、遅刻しているのかもしれません、、。それか、休みかも、、。」
「あら。なぜだかわかる?」
「そうですね、、、。妹は幼い頃病弱で親に心配されて引き止められているのかもしれません」
「そういえばそのような情報が入っていたわね」
「教えてくれてありがとうね」
「いえいえ。妹の事をよろしくお願いします」
「ええ。それでは失礼するわね」
「はい」
やっぱりあの子は来てなかったか
どうせめんどくさかったからーとかなんだろうなぁ
いや、あの子の事だし
「遅刻遅刻〜!」
をしたいがためのしてるかもしれないな
うちの学校ほかの学校と入学式の日が違うから
なんともため息が止まらない案件だろうか
私がそうこうしている間に片付けは終わったらしく解散しようとしていた
「お疲れ様でした。今日は特に予定はないので各自帰宅してもらって結構です。その代わり明日から忙しくなると思いますのでその時はよろしくお願いします。それでは解散!」
みんなのお疲れ様でしたという声を聞いて私は施錠し職員室に鍵を返しに行った
災難はいつでも隣に
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