はーい、計画性0の猫好きでーす!
続き書きます!
御本人様とは関係ございません!!
では!
trskさんside
衝撃の事実を聞いて、いたたまれなくなったのか須貝さんは出ていってしまい、伊沢さんが後を追いかけていった。
…僕達に出来ること、しなきゃ。
鶴「ねぇ、福良さん。」
福「…なに?」
鶴「福良さんが嫌でなければ、過去に何があったのか教えてくれませんか?」
山「僕も……気になります。」
河「…僕も。」
福「……そうだね。いいよ。」
そして教えて貰ったのは兄として大切な弟を守った、誰も悪くない悲劇の話だった。
推測は大体あってて、嫌な思いをしたのは、記憶がないから知らない人に話しかけられ、ストレスだったから。そこは納得した。でも…
鶴「でも…福良さんはこのままで良いんですか!?」
僕はそこが納得いかなかった。
福「だって…今も記憶は戻ってない。これ以上、おにい…須貝さんに迷惑かけてられない。」
鶴「…。」
福「…僕は、あの人の幸せを願うだけだよ。」
本当に…悲しすぎる……。どちらもお互いの幸せを願ったんだ…。自分の事より、相手を第一に願い、起こった悲劇…。
河「なんで…」
福「え?」
河「なんでお前の幸せは許されないんだ!」
鶴「か、河村さん?」
いきなり、大声を出すイメージがない河村さんが珍しく大声を出し、福良さんに言った。
河「お前は兄の…須貝さんの幸せを願ってる!それは大切な事だ!でも、何でそこに福良の幸せがないんだ!!お前に神が罰を与えた?何でだよ、お前は何も悪くない、不慮の事故なんだ!神がお前に罰を与えたのなら、それは神が間違ってる!なのに、何で…なんでお前は自分をそんなに責める!?分かるよ、自分が足を滑らせなければって思う気持ちは!だけど、きっとあの人は弟を守りたい、その一心で守ったんだ!そんな弟が自分を責め続けるのをみて、あの人は…須貝さんは喜ぶとでも思うか!?大切な弟を守りたくて…守れたと思えば責め続け…。須貝さんはお前の幸せを願ったから庇ったんだ!その想いを無駄にするのか!?」
福「!!」
河「自分のせい、そう思うのは仕方ない事だと思うよ。でも、だからって、お前の幸せが許されないなんて…おかしいだろ……
俺はただお前にも幸せになってほしいんだ…」
山「河村さん…」
河村さんは僕が…僕達が思ってた事をちゃんと言ってくれた。それが出来たのはいつも福良さんの側にいるから。2人の関係性があるから。
福「……ぼく、ずっと悩んでた…事故のことも…記憶のことも…」
河「…。」
福「…でも、それは違ったんだね。」
河「…悩むってことはそれだけ須貝さんのことを大切に想っているからでしょ?」
福「あ…」
河「僕はその悩みにそうだとも、違うとも言えない。後さ、さっきも言ったろ?誰も悪くないんだって。」
福「…うんっ……」
河「なんでも溜め込むなよ?僕達は仲間なんだ。いつでも、頼りにしてほしいんだ。」
福「………うんっ…!」
さっきまでのつらそうな表情はなくなり、今も泣いているが、そこにはどこか嬉しそうな福良さんがいた。
izwさんside
須貝さんが部屋を走って出て行った。あの人は足が速いから見失ったけど、他のメンバーの目撃情報で、屋上にいると教えてくれた。
ガチャッ
伊「……あ…。」
屋上の隅っこには大きな身体を丸め座っている須貝さんの姿があった。
伊「……須貝さん?」
須「……。」
伊「……大丈夫ですか?」
須「大丈夫だと…思うん?」
伊「…。」
須「…なぁ、伊沢。」
伊「はい?」
須「…本当に…福良さんは俺の弟なん……?」
伊「はい。」
須「…俺な、福良と初めて会った時、何処か懐かしさを感じた。別に、妹や弟に似てるとかじゃないのに。でも、気のせいかって思って、いつかそんな事を思っていたのも忘れて、生きて来た……今も福良が弟って記憶はない…でも、あんな辛そうな表情…見た事なくて…心の中で福良には笑っていてほしいって場違いな感情も浮かんだ。…そこで分かった。本当に弟なんだって…。でも俺は、生まれも育ちも京都で、福良と関わった記憶だってないんだ…。こんなチグハグな感情…分かんないよ…!俺…どうすればいいん…?」
…そっか。俺は福良さんが苦しんでるものだと思ってたけど、須貝さんも苦しかったんだ。感情がぐちゃぐちゃになって、心では弟だって分かった。なのに記憶には無い。そんな苦しい思いをしたから逃げた…いや、その場にいれなかった。
伊「どうすればいいかは部外者の俺には分かりません。でも…貴方が何故記憶を無くしたのか…そこに答えがあると思います。」
須「……教えてくれないん?」
伊「…福良さんはさっき、簡潔にではありましたが貴方との関係を自ら語りました。なら、今度は貴方が彼を自分で知る番なんじゃないですか?」
須「自分で…。」
伊「別に貴方を責めてる訳じゃありません。貴方も、福良さんも悪くないんですから。」
須「でも……記憶がない俺に…何が出来るん…?」
伊「…そんな気負わなくて良いんです。真実を知りたいなら、俺が手伝いますから。」
須「え?さっき自分でって…」
伊「手伝いはしますけど、全てするとは言ってませんよ。」
須「…俺は、真実を…知りたい!もう逃げたりしない!だから、お願い!手伝ってほしい!」
…やっと聞けた。須貝さんのその言葉。
伊「良いですよ。その言葉を待ってました。」
じゃ、俺がすることは…
伊「明日は2人とも、仕事休みにします!」
須「え?」
伊「福良さんにも言っておきます。そしてこれは貴方の口で言ってください。
“真実を知りたい”
…と。」
須「…分かった。」
伊「じゃあ、心の整理しておいて下さいね。
その間に話しておくので。」
須「…ありがとう。」
伊「お礼は全てが終わった後ですよ」
須「…うん。」
sgiさんside
正直、心の整理が追いついてないけど…逃げてちゃ駄目だ。知らないことは知る努力をする…そう。今までの俺で良いんだ。
…しばらくして俺は福良さんがいるであろう部屋へ向かった。
須「……福良さん、入って良い?」
福「良いですよ」
ガチャ…
福「どうしましたか?」
なんか…少し落ち着いてる?まぁいいや。俺には言わないといけない事がある。ちゃんと言わなきゃ。
須「なぁ、俺…真実が知りたい!」
福「!」
須「さっきは勝手に逃げ出してごめん…どうしても感情がぐちゃぐちゃになってて…でも、もう逃げたりしない!だからお願い!」
福「…もちろん、良いですよ。」
須「ほんと!?」
福「はい!じゃあ、明日、◯◯ショッピングモールに変装は一応して来てください。」
ショッピングモール??何でだろ ?
須「分かった!」
当日…
福「あ、来ましたね〜。」
須「なぁ、どこ行くん?」
福「…いろんな所!」
須「……え?」
福「早く行こう!」
そういうと福良さんは俺の腕をつかみ、走り出した。…あれ?なんかこの感じ…。
懐かしい……
福「見て見て!クレーンゲーム!一緒にやろ!」
須「え、あ、あぁ…」
少し違和感があるのは福良さんが俺に敬語を使ってない事…なのかな?
福「…あーー!惜しいー!取って取ってー!」
須「…しょうがねぇな…」
少しお金はかかったけどなんとか丸いうさぎの人形を手に入れて、福良さんに渡した。
福「やった!ありがとう!」
ズキッ…
須「いっ…!?」
なんだ…今の……小さな子が…喜ぶ姿が…
福「だ、大丈夫?」
須「あ、うん。」
福「…そっか。あ、お昼の時間だ!何処かでたべよー!」
須「わ、分かった…」
福「ここにしよう!」
そうして福良さんが選んだのはちょっとした洋食店だった。俺は辛いの以外は食べれるしそこに異論はなかった。中はかなり人がいたけど、空きはあったから待つこともなかった。
福「んーどれにしよっかなぁ♪」
なんか、今日の福良さん、楽しそう?
須「…俺はコレかな。」
福「お、良いねー。じゃ、僕はこれ!」
注文も済ませたら、福良さんが話しかけて来た。
福「久しぶりだね!こうやって出掛けるの!」
久しぶり…?
須「……初めてじゃね?」
福「そっか、”須貝さん”とは初めてだね!」
須貝さんとは…か。て事は昔、家族とかと来たんだろうな…。なんか、空気読めなかったな…さっきの言葉。
須「…ごめん。」
福「え、いやいや、謝る事じゃないよ!」
そんな感じで色々話したら注文したのが届いた。
福「いただきまーす!」
須「…いただきます。」
なんか、さっきから懐かしい気分になるな…。
(食事を終えて…)
福「ご馳走様でした!」
須「…ご馳走様でした。」
福「美味しかったね!」
須「…うん。あ、福良さん、口元少し汚れてるよ?」
福「え、うそ!?さっき拭いたはずなんだけど…」
須「……そっちじゃなくてこっち!」
全然違う所拭こうとしてるから俺がティッシュで拭いてあげることにした。
福「あ、ありがとう!」
ズキッ…
須「う…!?」
またか…また小さい子が…。
須「………他、何処かいく?」
福「あ、服見に行きたい!」
須「服?分かった。」
そうして俺は福良さんの行きたい場所についてった。たまにズキズキ痛くて、でも思い出すには至らなくて…
福「ねぇ、アイス買わない?」
そう言って指差したのはバニラ、イチゴ、チョコ、抹茶の4つしか売ってないという、少し珍しいタイプのアイス屋だった。
須「良いな。」
俺はチョコ、福良さんはバニラにしたみたいだ。近くの椅子に座り話しながら食べていると…
福「少しちょーだい!」
と言うと俺は何も言ってないのにアイスを一口分とっていった。あの福良さんの奇行にびっくりした。…でもまぁ、
須「福良さんが喜んでくれるなら…」
いっか!と言おうとした。
その時、いつもと違う激しい頭痛に襲われた。
須「うっ!?痛いっ!!」
アイスクリーム頭痛とかじゃなくてさっきまで起きてた頭痛の何倍も酷くて痛いものだった。
福「須貝さん!?大丈夫ですか!?」
ーしゅんにい!遊ぼ!ー
ーやった!ありがとう!ー
ーえへへ、口元に付いてたー
ーしゅんにいの少しちょーだい!ー
須「う、うぅ…!おれ、はッ…!」
––お兄ちゃん!!––
須「うわあァァァァァァァァァッ!!!」
…濁流のように流れてくる、小さい頃の記憶−
そうだ……俺はあの日、弟を…拳を守りたくて…!
-しゅんにい!!!−
……そっか。俺は…須貝駿貴じゃない。
俺は…。
須「福良…駿貴……」
福「……え?」
今まで、本当の家族を忘れてて、嫌だと思っていた当時の記憶を封じて…。
……大切な弟を…こんなにも苦しめてしまったんだな…。
須「……ごめんな、拳。」
福「え…お兄、さん?」
須「こんな…ワガママなお兄ちゃんで。」
福「!お兄さん!!」
ギュッ…
須「うぉ、苦し…!」
福「良かった……本当に良かった!!」
須「…ごめんな、今まで苦しめて。」
福「うぅん、僕もごめんなさい!あの時、足を滑らせなければ…!」
須「…お前はなにも悪くない。な!」
福「…うん!!」
fkrさんside
良かった…本当に…。少しずつでも思い出して貰えるように、小さい頃の僕を再現してみてた。そのせいか須貝さんは時々頭痛が表れ、最終的にアイスの思い出で全て思い出してくれたらしい。
実はこれは誰にも言ってないんだけど、初対面…大人になってから、って事ね?まぁ須貝さんからしたら初対面な訳だけど。伊沢の友人の田村さんが
“根っから明るくて面白い奴が必要だ”
って言ってたから飲み会の場でその人に会うことになった。って話は知ってるよね?後、呼んどいて来なかった田村さんの話とかも。で、そこで会った時、何処か不思議な気持ちになった。そして、自己紹介の時
「ナイスガイの須貝です!!」
って言われてハッとした。もしかして、お兄さんなんじゃないかって。
「あ、ちなみに本名は須貝駿貴です!」
って言われて確信した。お兄さんだって。
でも、自己紹介でわかる通り、”須貝”さんとして生きて来たから僕の事なんて知る訳もなかったんだ。
こっちが自己紹介する番になった時、少し反応を見てみた。
「こんばんは、福良Pこと、福良拳です!」
…すると「福良さん…」と他の人にはない反応をした。けれど
「はじめまして!」と言われてしまった。
あの瞬間は本当にショックだったなぁ。
なんてこともあったけど、これは僕だけの秘密だ。記憶が戻った今、そんな事を考えるより、お兄さんと色んな話しをしたい。そう思ったから。
福「おかえり、お兄さん…!」
須「…ただいま、拳!」
trskさんside
昨日の件を受けて、今日は2人とも休みみたい。もしかしたら記憶を取り戻す為なのかな?福良さんも須貝さんも、最初は諦めていたみたいだけど河村さんや伊沢さんの説得で過去から目を背けない事を決めた。
…不幸が重なった2人が幸せになってほしいと思うのはメンバー全員からの願いだ。
すると…
福・須「こんにちはー!」
あれ?今日午前休だっけ?てか、午前休にしては遅いけども。
須「ねぇ、みんな、ちょっと良い?」
山「どうしたんですか?」
須「……俺、全部思い出した。福良さんと兄弟って事も、昔の思い出も、あの日何があったのかも、記憶が封じられていた事も全部!」
他「!」
須「ありがとう。皆!」
そう言って笑う須貝さんは、憑き物が取れたような、晴れ晴れとした笑顔だった。
fkrさんside
河「良かったな」
福「河村、ありがとう!あの時、僕を叱ってくれなかったら、きっと何も変わらなかったと思う。山本も、鶴崎も、心配かけてごめん。でも、もう大丈夫だから!」
山「よかったです!」
鶴「うんうん!」
sgiさんside
須「……伊沢。ありがとう。俺、やっと真実を…過去を思い出した。」
伊「いえいえ、お礼はいりません。記憶が戻って良かったです。」
須「お礼は全てが終わった後なんでしょ?」
伊「覚えてんですか。」
須「もちろん!このままだとアレだしなんか奢ったる!何が良い?」
伊「えっ、良いんですか?」
須「もちろん!あの時伊沢が過去から逃げる俺に説得してくれなかったら、きっと俺はそのままだったと思う。ありがとう!」
伊「…本当に良かったです。」
izwさんside
須「こんちは!QuizKnock、ナイスガイの須貝です!」
福「福良です!」
2人は兄弟である事を世間には公表しなかった。混乱を招く恐れもあったからだ。
けれど、会社内では違う。
お昼休み中…
須「なぁ、拳、これで良い?」
福「うーん…内容は良いんだけどここが実現できるかなぁ」
須「あ、じゃあこうするのは?」
福「あーいいね!それ。流石兄さん!」
須「だろ!」
2人は大きく変わった。須貝さんは拳呼びに、福良さんは敬語を外している。
もちろん、外では気をつけているようだけと。
…でも、あの2人が心から笑ってるのをみると、なんかこっちまで嬉しくなっちゃうな。
1人は自分の幸せを願えず、1人は真実が受け止めきれず逃げてしまった。
けれど、今ではこうやって、幸せそうな日々を過ごしている。約10年と長く離ればなれになった兄弟はその分を埋め合わせるようにたくさんの思い出をこれから作っていく。
…”貴方は僕の大切な人だから”
終
終わったー!実はこの話の題名の「僕」ってどちらの事もさしてまして…え?sgiさんって「俺」じゃない?って?
それはそう。ただ割と僕呼びするシーン多いしいっか!と思って僕にしました!それとfkrさんの俺って珍しいイメージがあるからですかね。個人的にですけど。
最後は割とめちゃくちゃかもしれませんがゆるしてくれメンス。長くなりすみません!
では、閲覧ありがとうございました!
コメント
2件
猫好きさんの書き方上手すぎてほんと…マジで…凄い…なんというかめっちゃドラマ見てる気分…(語彙力皆無)