青 Side
桃 が学校で流行っていたうつ病診断をしたらしい。
結果は軽症うつ病。
兄弟たち皆、口を揃えてこう言った。
「無理しないでね!」
「辛いことあったら言ってね」
「学校休みたいとかあったら言ってね」
何故かこのときだけ何も考えることができなかった。
皆がなんて言ってるかなんて聞こえなかった。
ただ、自分の中が醜い感情であふれかえったのだけはわかった。
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俺と桃は双子で、クラスは違うが情報は回ってくる。
陽キャのいじられポジにいる事も、
イジりによってメンタルがやられていることも、あいつらよりも俺がよく知ってる。
だって、クラスの端っこで陽キャの会話を聞き流してる陰キャだし。
知りたくなくても知っちゃうでしょ?
でも鬱って言われても困るな、
本人に聞けないことはこっちに聞いてくるし。
いいように利用してくんじゃねぇよ、クソ野郎共が
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次の日、桃は学校を休んだ。
ゆっくりと休むことが大切って、説得されたんだって。
良かったね、心配されて嬉しい?
嬉しいだろうね、君のことだもん。
俺は嬉しくないよ。
誰にも見られてないもんね。
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放課後スマホでうつ病診断と調べてみる。
そんなに言うなら俺もやってみようって。
とりあえず出てきたサイトを適当にタップしてやり始めた。
27点中23点
極めて重度のうつ病
…死ねよ。
何なんだよ。
心当たりはある、なんなら心当たりしかない。
でもなんだろうな、知っちゃった瞬間涙が止まんないや。
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いっつも、一人だった。
学校も、馴染めなくて、いつも一人で、
家でも、双子の兄の俺は相手にされなくて。
いつしか避けられてたから、俺も避け返して、
結局いつも独りぼっちだった。
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いつの間にか、ないこは完全に不登校になった。
仕方がないのかもしれないけど、プリントなど諸々はすべて俺が運ぶことになってた。
普通に荷物は重いのにプリントも増えるとなるともうランドセルを背負うことが憂鬱で仕方がなくなる。
帰り道はそんなに長くないはずなのに足が重いせいか全然進まない。
🤪「うわっ、」
何もないところで躓いた。
荷物が重いからだろうか、
家への道を歩くのさえ憂鬱で仕方がない
なんだか、死にたくて仕方がない
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泣きながら笑う片割れを見て無性に腹がたった。
何なんだよ、愛されてるくせに。
ずるいよ、お前。
死んでくれないんでしょ?
じゃあ代わりに俺が死んであげる。
誰も、俺のことは求めるどころか、
見向きもしなかったもんね。
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また、一人の子供の命が奪われた
見向きもさえしなかった世界が、
その子の心を乗っ取って
その子の命を奪っていった
帰してくれよ、大切な兄を
返してくれよ、大切な命を
かえしに来いよ、命泥棒
コメント
1件
初コメ失礼します!陽暮夏黄と申します ヤバいめっちゃ良い(´;ω;`)(`・ω・´)b ウーニャ様の表現とかめっちゃ好きです!一生推します(`・ω・´)b