テラーノベル
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学パロ mn × ri
※前話の諸注意をご確認ください。
┈┈┈┈┈┈┈┈ ri
すぅ…すぅ…と規則正しい呼吸が耳元で聴こえる。楽しい時間はあっという間に過ぎ去って、今は遊園地の帰りの新幹線に乗っていた。
マナは遊び疲れたのか、俺の肩にもたれて心地良さそうに眠っている。新幹線の微かな揺れでマナの前髪が睫毛にかかった。
くすぐったそうにしているのが可哀想で、軽く髪を耳によけてやる。すっきりしたのか俺の肩に頭を擦り寄せ、顔を綻ばせた。
「……かわい 」
「んふ…寝ちゃいました?マナ 」
「えっ、!あ、うん。寝ちゃった 」
「小柳くんも寝ちゃいました…多分カゲツ達も寝てますね 笑 」
頭で考えていたことが声に出ていたらしい。星導が小声で話しかけて来た。
「観覧車、楽しめましたか?」
「っ!?ごほっ…う”っ、うん…まぁ 」
「咳き込むほど楽しかったんですねぇ…」
ニヤニヤしながらこちらを見る星導を睨み、マナとの会話を思い出す。
今朝、駅で出会ったばかりなはずなのに、オレは何故かこんなにも彼に好感を抱いている。 これは恋愛感情ではない…と思う。
友情に分類されるであろう感情はあまりに大きくて、それでいてあたたかい。でもどこか苦しくて、考えたくなくて…思考を放棄した。
「なに、マナに告白でもされたんですか?」
「は…!?されてない!!!…はず、?」
「え、何それ。そこに?付くことあります?」
星導は怪訝そうに聞いてくる。だって仕方ないじゃん。頭が働かなくてほぼ覚えてないんだから。
「…好きとはたくさん言われた気がするけど、あれが告白だったのか分からない。
でも…」
「でも?」
「…マナを友達として大好きだなって思ったのは確か」
そっか、と星導は優しく笑う。
「ライがマナと居て、楽しかったと思うのであれば何でもいいと思いますよ 」
「…うん、ありがと 」
星導は皆に優しい。 悩んでいたら、解を求めるためのヒントをくれる。苦しんでいたら、そっと肩を抱いてくれる。
良い仲間を持ったな、なんて考えながら窓の外に広がる秋空を眺めた。段々とオレも眠くなり、左肩の温もりを追うように微睡みの中へ蕩けた。
┈┈┈┈┈┈┈┈ mn
目の前のライは、心ここに在らず、といった感じで外の雪を眺め動かない。そんなに雪を見続けていたら、目が焼けてしまいそうだ。
「ライ、大丈夫か…?」
「っあ!ごめん、ぼーっとしてた!」
ライの様子がおかしい。どこか体調でも悪いのだろうか…
俺達は時間が合う時に、放課後カフェに立ち寄り勉強会をしている。カフェはとても静かで、俺達以外客の姿が見えない。マスターが一人、佇んでいるだけ。そんな空間を二人とも気に入っていた。
お互いに勉強は好きだし、二人だけで居られて嬉しいし…そう思っているのは俺だけかもしれないけれど。
「ほんまに大丈夫?体調悪い?」
「っわ!大丈夫だって!!ほら!ここの数式もこの通り…!スラスラ解けます 」
ライのおでこに手を当てて確認をしても熱はなさそう。何なら頭はしっかりと働いている。その問題、今俺が詰まってたやつなんやけどな…相変わらず頭がええ奴。
「あんま、無理したらあかんよ?今日はこんくらいにして甘いもんでも食べる? 」
ここのカフェのプリンは絶品で、俺達は来る度に食べていた。今日はここらで切り上げて、羽を伸ばすとしよう。そう、メニューを取ろうとした手をライが掴んだ。ひんやりとした華奢な指が俺の手に触れる。
「その前に…ひとついい?」
今までに見たことないほどの真剣な表情に思わず息を呑む。
もしかしたら、とはいつも感じていた。
ここ最近、ライはどこか上の空で俺が近付くと少し避けるようになっていた。
ライは、無理して俺と会っているのではないか。俺のことを嫌いになってしまったのではないか。そう、嫌な考えが頭を埋めつくす。
それでも、 そうだったとしても俺は、
俺は… ライと友達でいたい。
「マナに、伝えたい事があって… 良い?」
ライの真剣な声色に、寸前まで考えていた思考を手放す決意をした。
ライが望むのであればこの関係は終わりにして、元の何も無かった俺達に戻る。友達になってくれたのだって、ライは優しいから気を使ってくれたんだ… と自分に言い聞かせる。
覚悟を決めるべきだ。上擦った声で俺を捉えるライの顔をしっかりと見つめ直した。
「ええよ。どないしたん?」
「…あのね、 」
ライがひゅっ、と喉を鳴らし、大きく息を吸う。
こんな時でさえも俺はライが好きで…
放たれるであろう矢を静かに受け止める的のように、ライの言葉を待つ。
「…オレ、マナのことが、好き 」
「…え、?」
俺の口から零れた声は酷く掠れていた。
耳から聞こえた言葉がぱっと理解できなくて、意味を咀嚼したいのに脳が固まる。
そんな俺を見越して、ライは決心したように俺の手を握った。
「あの日、遊園地に行った日。オレはマナと初対面で、マナのこと全然知らなかった。文化祭の時だって、忙しくてマナのこと全然覚えてないの……
でも…!一緒に遊んだり、こうやって勉強会するうちに、オレもマナを意識するようになっちゃって、マナを真っ直ぐに見れなくなって…それで、その、!」
「…オレ、マナが好きなんだ…って 」
いつも俺を小悪魔のように翻弄するその口で、ライは一気にまくし立てた。
突然の告白に理解が追い付かず、頭が回らない。
唯一俺が口に出せた、ほんまに、?という小さな声。そんな声でもライは優しく受け止めてくれる。
「うん、ほんまに 笑」
「えぇ…ほんまに、ほんっまに俺のこと好きなん…?」
己の疑い深い心はブレーキを知らずに問いかける。すると、ライは握っていた俺の手を俗に言う恋人繋ぎに変えた。冷えていた手がゆっくりと温まっていくのを感じる。
「好きだよ、マナ。遅くなっちゃってごめんね。オレと_「…まって!」
「その先は、俺に言わせてくれへん…?」
ずっと、ずっと言いたかった言葉。ライに変な気を使わせたくなくて、隠し通してきた台詞。
好きという気持ちは抑えきれない程に大きかった。ライに幾度となく伝えてきた。
いつからだろうか。観覧車に二人で乗った時?それとも、ジェットコースターで手を繋いだ時?いや、もっと、もっと前から。文化祭でライを見たあの秋の日___
あの瞬間、青天の霹靂の如く、俺はライに恋をした。それと同時にどうしようもない苦しさを知った。
俺は、ライと恋人になりたかったんだ。
友達でいられることだって幸せだと分かっているのに、俺の気持ちを弄ぶようにライは俺に笑いかける。優しい彼にそんな気持ちは一切ない、と日々自分を律した。
でも、やっと、やっと言える。
意を決して、ライの瞳を真っ直ぐ捉える。
「 好きです。俺と、付き合ってください 」
「…!はい、もちろん!」
ライは幸せそうに微笑んだ。俺は思わず恋人繋ぎをしていた手を解き、ライの手を包み込む。そうでもしないと目の前の彼が、愛おしい人が消えてしまいそうだったから。
青天の霹靂_それは雲ひとつない青空に、突然一筋の激しい雷が鳴り響くことである。
そして、激しい雷鳴が過ぎ去った後、あたりは青空に包まれる。
その瞬間の雷に衝撃と愛おしさを感じ、また似て非なる青い空を纏う。それはどれほどに儚く美しいものなのだろうか_
「んふ…笑 なに?オレのことそんなに信じられないの?オレはマナの隣から離れないし… 」
またもや衝撃的な発言をするライは、言葉を途切れさせて…俺の手を自分の頬に当てて続けた。ライの赤い頬を俺の手が撫でる。
「マナのこと、絶対に離さないから…」
覚悟してね?といつぞや聞いた覚えのある台詞を囁かれる。
賢く強かであり、同時に儚さを併せ持つ不思議な人。俺の人生に突如として現れた天使のようで小悪魔のような可愛らしい人。
俺は、そんな彼の手の甲に小さな愛を贈った。
「…はっ、マナ?!な、にして…!!」
「ん?キス…嫌やった?」
普段の彼を真似するように上目遣いで問いかける。ライは俺のこの仕草に弱いことを最近学んだ。
「やじゃない、けど…するなら_…」
そこで止めて…潤んだ瞳で俺を見つめた。
ライの言葉の意味を理解し、すぐさま行動へ移す。
ちゅっ、と可愛らしい音が響いた。
大きな目を細め微笑むライは本当に可愛らしく、俺もつられて笑う。
穏やかで、暖かい時間が流れていた。
それはまるで、二人を祝福するかのように一足先に春が訪れたようだった_
――――――――――
この小説を見つけ、ご愛読してくださりありがとうございました。まず、感謝申し上げます。あとがき、と言ってはなんですが、もう暫くお付き合いください。
この物語はざぶぅんの二人を中心に進んでいきました。この物語の大切なシーンに出てきた観覧車。 観覧車という乗り物は、言ってしまえば一定期間人を閉じ込めることができる創作における最高の切り札です!(違う)
癖を詰めに詰め、筆が止まりませんでした。
彼らの爽やかでありながら力強い雰囲気を落とし込むために、タイトルに『青天の霹靂』という言葉を選びました。
皆様、鬼○の刃はご存知ですか?知っている、という方は霹靂一閃…という言葉に聞き覚えはないでしょうか?そうです、泣き虫な彼の得意技です。(怖くてお名前も出せません、許してください)
霹靂一閃、とは激しい雷鳴と共に鋭い閃光が光る瞬間のことを指します。
つまり、『青天の霹靂』の霹靂、は雷のことなのです。青空に光る雷、ピンと来る方いるのでは…!そう、めっちゃ伊波!!呼び捨てしてごめん!もう、私ぴったり過ぎて感動したんです。あんたしかおらん!て。
じゃあ、そんな彼の相手は誰にしようとなり…私は頭が決していい方とは言えないので、『青天の霹靂』…青天…青…緋八!!、
と勢いで決めました。小柳も良いなとは考えたのですが、学パロなこと、ザ、青春!を浴びたかったので今回は見送りました。
この小説中では星導と小柳の二人が観覧車に乗りませんでした。その時のお話も後日投稿しようと考えております。
ざぶぅん、きゅんbro、ドンタコと来て、あと一組足りなくない?となった方、その通りです。リトテツが足りません。考えていた設定では、緋八赤城と同じ高校で…もちろん遊園地にも誘われています。でも二人は断りました。その理由も、後日改めて投稿させていただきます。
おい、気になるじゃねぇかという方、少々お待ち頂けると幸いです。
私の推しはMECHATU-Aの伊波さんとSpecialeの七瀬さんなので、この二つのグループに関するお話がまた投稿されることでしょう…
その際はまた、タップして覗いてくださると嬉しいです。作者にとって、♡、コメントは大きな励みになります。糧です。餌です。餌やり感覚でコメントして頂けると、次回作の投稿が早まると思われます。
長々とすみません。最後に一つ!お願いがございます。
この小説は、私、透晴が書いたものであり、無断転載、AI学習を固く禁じさせていただきます。そして、他者への悪意ある拡散、パクり等もお辞め下さい。
コメントをされる際もお名前を出す、のではなく伏字をご使用ください。
改めまして、この度は『青天の霹靂』を読んでくださりありがとうございました!
―――――――――― 透晴
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