テラーノベル
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佐)緊張するなあ、
佐野は独り言を呟き、タクシーに乗り込む。
運転手)行先は?
佐)「静穏」ビルで、
運転手)…わかりました。
佐野の発したビルには、ホテルが隣接している。
佐野はなぜ緊張しているのか、運転手はなぜ返事に間があったのか。
それは多分、運転手が佐野の状況を理解したからであろう。
佐)…
佐野の頭の中は「愛しの恋人」でいっぱいであった。
佐野の「愛しの恋人」は8つ年上の、顔立ちの整っている人だ。
運転手)…随分緊張しているように思えますが、なにか大事なイベントでもあるんですか?
運転手は沈黙に耐えられなくなったように口を開いた。
佐)あ、はい、そうなんです。
運転手)そうなんですねー。
佐)ぼく、その、今日の予定、すごく緊張していて、笑
運転手)本日のご予定は敢えて聞きませんが、大体のことは想像つきます。
佐)え、
運転手)あれ、これってハラスメントですかね?いやでしたら会社にご連絡ください。
佐)あ、いや、
運転手)そういう面持ちの方は、 大体、すぐに車を出ていきます。ビルの前にいる人に会うために。
佐)そうなんですか、わかりやすいですかね、?
運転手)人間ですもの、仕方ありません。僕もこの仕事、何十年もやっていますが、本能には勝てませんね。笑
佐)大ベテラン、なんですね。
運転手)まあ、そんなとこでしょうか。着きましたよ。
佐)あ、ありがとうございます。
運転手)4800円です。
運転手に見抜かれた気持ちが、ビルに近づくに連れてどんどん大きくなる。
佐)ありがとうございました。
運転手)存分に楽しんできてください。応援していますよ。
佐)…ありがとうございます。
ぺこりと頭を下げて、ビルに走った。
そこにいたのは、
末)晶哉、待ち合わせまであと十分もあるのに。笑
「愛しの恋人」の誠也だった。
佐)だって、誠也くんに会いたかったもん。それに、誠也くんこそ。いつからいたんよ。
そう言って当たり前のように手を繋ぐ2人。
隣接したホテルへ歩き出す。
末)おれも晶哉に会いたかったから。でも言うて晶哉が来る5分前とかやで?思いのほか電車が早かったんよ。
佐)ははっ笑おれももっとはよ来ればよかった。
末)チェックイン、はやなってまうやん。笑
佐)そっか。笑
扉が開いて、2人は天井を見上げた。
末)チェックインしてくるから、この荷物、見ててもらってもええ?
佐)もちろんやで。ありがとう。
これから始まる夜、そして迎える朝。
まだ若い佐野にとっては、恋人とホテルに来ることすらも初めて不安であった。
それと同時に、「なにか」を期待しているような、そんな気もした。
末)荷物ありがとう、じゃあ部屋行こか。
佐)うん。何号室?
末)083号室。
佐)あ、
末)どうしたん?
佐)誠也くんの誕生月と、俺の誕生月!
末)…ああ笑 8と3な笑笑
佐)ふふ、ええ部屋やろな〜♡
末)絶好調やな。笑
エレベーターに乗って、083号室に入った。
佐野は2人きりの空間に、少し歯がゆい気持ちになる。
末)荷物解くか。
佐)うん。このあと、なにする?
末)チェックイン早かったから時間あるよ。
佐)ここのお庭、散歩しようや。
末)ええな。じゃあそのままお風呂はいっちゃうか!
佐)めちゃくちゃええやん!ほんなら、下着と浴衣も持っていこ。
こうして笑いあっている時間が、2人にとって何よりもかけがえのない時間である。
末)忘れ物ない?
佐)ないよ。
末)じゃあ、行こう。
ここのホテルは、ごく普通のホテル。
なにもやらしいことなどない。
佐野はそう分かっているのに、心が落ち着かない。
相変わらず「なにか」を期待している。
佐)涼しいー!
末)風も気持ちええな。
佐)めちゃくちゃゆったりできるな!
末)せやな〜。
2人の手はまた繋がれている。
2人は他愛のない話をしながら道を歩く。
佐)明日で付き合って2年って、あっという間よな。
末)ほんまにな。こんなに続くとは、正直思ってへんかった。笑
佐)わかる。笑
末)自分でも驚くほど、愛が冷めへん。
佐)それもわかる。ずっと、誠也くんのこと考えてる。
末)おれもや。
佐)誠也くんに会えてよかったわ、なんか。笑
末)なんや、急に。笑
佐)おれ、会えてへんかったらどうなってたんやろうって、たまに思う。
末)たしかに、どうなってたんやろうな。
佐)寂しかったやろな〜。
末)おれは、どうやろ。独りやったんかな。
佐)そう思うと、会えてよかったって結論に至る。笑
末)幸せやな。
佐)ほんまに。また部屋でも、こういうこと話そうや。
末)腹割って話すか?笑
佐)ええ機会やん。旅行なんて、めったにせえへんのやから。
末)せやな。「いつもと違うこと」、したいな。
佐)いつもと違うこと、な。
佐野はその文を敢えて復唱する。
でも誠也は、なにも気にしないように話を進めた。
末)旅行も、もっとしたいな。
佐)どこ行きたい?
末)もっと遠いところ。
佐)例えば?
末)岐阜とか。
佐)下呂温泉入ってみたいな〜。
末)別府とかも行ってみたい。
佐)温泉巡り、ええなぁ。
末)温泉好きやから、たくさん行きたい。
佐)じゃあ、3周年記念で行こう。笑
末)ふは、ええな。笑
そんなことを言っているうちに、コースを一通り歩いた。
末)ほんじゃ、風呂入ろ。
佐)風呂、楽しみやわ。
末)今日は、ワイン風呂らしいで。
佐)酔っちゃうかも〜。笑
末)大丈夫や、酔わんから。笑
誠也と佐野は、暖簾をくぐった。
どうも、あおです✋🏻
ほんとに布団入って書き始めて深夜テンション投稿します。笑
書き方少し変えてみました!
これも長編で何話か出したいと思います!
結局さのすえです。泣
さのすえ良すぎます。泣
でもこの作品はすえさのです!
めちゃくちゃ構想練ってるので、任せてください🤩‼️
感想コメントどしどし下さい🙌🏻🙌🏻
コメント数でモチベの変動が出てくるような筆者で申し訳ない😭😭
コメント多ければ多いほどやる気出ます。書けます。😭
ぜひお願いします😭😭
ではまた
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