この作品はいかがでしたか?
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この作品はいかがでしたか?
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あーあ。
S「やりたいことないなぁ…」
深夜のベッドの上。YouTubeを見てるとある曲が目に入ってくる。
S「ボカロP…?」
S(やってみようかな…)
[始まりは 小さな空想 ]
過去には沢山のやりたいことがあった。
「有名会社に務めたい」
「有名になりたい」
「なにもせずに過ごしたい」
それはそれは沢山あった。
[夢を観ては]
でも全部無くなった。
無事有名会社に就職はできた。でもパワハラや残業の毎日。精神に限界が来てやめた。
YouTubeを始めた。でもコメントも付かない。才能の無さに気がついてやめた。
宝くじを買ってみたら1等が当たった。
何もせずに過ごせるようにはなった。けど…
S「何がしたいんだろ…」
[見失って]
ボーカロイドを探してみる。
初〇ミ〇…重〇テ〇…
いまいちピンと来ない。
そんな中1人のボーカロイドが目に入った。
気になってレビューを見てみる。
レビュー☆1
話せるボーカロイドと聞いたので購入してみましたが歌が下手。おすすめしません。返品しました。
レビュー☆1
世界に1つだけのボーカロイドと聞き、購入しました。が、何度教えても歌が下手なままです。高い値段出した割にはとても損しました。返品します。
他にも☆1のレビューが沢山。
返品を繰り返されてまだ残っているようだ。
値段を見てみると300万。
普段の僕だったら辞めていただろう。
でも宝くじが当たったこともあってお金はあった。
[未完成な世界]
S「灰音なろ… 」
一目惚れに近しい感じで僕は購入ボタンを押した。
[いつか君の音で]
N「………?」
[目を覚まして]
[気づいたら知らない部屋]
いつもと違って困惑してしまう。
今までは金持ちの貴族共しか買うやつなんて居なかったのに、今回は…
N「薄暗…てか狭くない?5畳半ちょっとしかない気が…」
体を起こすと部屋のドアが空く。
どうせおじさんとかなんでしょ…
N「ねぇ…ここはどこ?あんただれ? 」
S「はじめまして 失礼な7畳とかそんくらいはあるよ!家賃2万!!風呂トイレ別!!!」
いや勢いつよ!?
こんなお兄さん見たことない… この人…面白いなw
N「でも部屋が汚い!そのせいで狭くなってるんだよ!」
S「やってみたいモノが多くて…」
N「ふーん…何このホコリ被ったもの…電子ピアノ…え、ピアノ弾けるの!?」
S「まぁ…少しだけなら…」
[過ごした日々を数えた]
N「〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪」
S「ふ〜ん…歌上手いね。」
N「え、あ、スマイリーくん!聞いてたの!?」
S「最初っからばっちり。てかなんで歌下手なフリしてたの?こんな上手いのに。」
N「それは…w」
灰音なろ…なろくんが家に来てからしばらく。
なろくんの過去を聴きながら一緒にデビューの作品を作っている。
N「なんかこの歌い方して!って言われた歌い方に出来なくて。それで失望されて返品…って感じだったんだよね。」
S「……………」
N「…スマイリーくん?」
なんだそれ。その歌い方を出来たとしてもそれはなろくんじゃないじゃん。
僕は…俺はなろくんの歌い方のままで曲に使いたい。
S「そっか。言ってくれてありがとう。」
N「…?まぁいいけど」
[曖昧な未来の象徴]
S「…歌詞考えてくれるのは嬉しいけど…」
N「ん?どうしたのスマイリーくん。」
S「…ちょっと怖いよこの歌詞。」
N「え?」
[擦れ違って]
S「………♪」
N「そこ!指使いが違う!!」
S「ピアノやっぱむずいよ〜…なろくんやって〜…」
N「それじゃあいつまで経ってもスマイリーくんが成長しないでしょ!」
[歪み合って]
S(やっぱりここのリズムは…)
N(やっぱりここの歌詞は…)
[無関心な世界]
N「スマイリーくん…!!」
S「どしたのそんな急いで」
N「これ!これ見て!!さっき上げた僕らの初めての曲が…!!!」
S「…285万再生!?やば…!?」
N「コメントもいっぱい付いてる!…次の曲も楽しみにしてます…だって!!」
[だけど次の音は]
N「どんなリズムで…何にしよっかなぁ…!」
S「…どうもw」
[僕らはみんな不完全で]
S「貴方の体を借りている」
N「貴方の心を借りている」
ずっとこのままだと思ってた僕の人生。
まだ捨てたもんじゃなかったみたい。
[忘れかけた夢の続きを]
だってこれからはずっとなろくんが居るから。
[さあ 観に行こうか]
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