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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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あーあ。


S「やりたいことないなぁ…」


深夜のベッドの上。YouTubeを見てるとある曲が目に入ってくる。


S「ボカロP…?」

S(やってみようかな…)


[始まりは 小さな空想 ]


過去には沢山のやりたいことがあった。


「有名会社に務めたい」

「有名になりたい」

「なにもせずに過ごしたい」


それはそれは沢山あった。


[夢を観ては]


でも全部無くなった。


無事有名会社に就職はできた。でもパワハラや残業の毎日。精神に限界が来てやめた。

YouTubeを始めた。でもコメントも付かない。才能の無さに気がついてやめた。

宝くじを買ってみたら1等が当たった。

何もせずに過ごせるようにはなった。けど…


S「何がしたいんだろ…」


[見失って]


ボーカロイドを探してみる。

初〇ミ〇…重〇テ〇…

いまいちピンと来ない。

そんな中1人のボーカロイドが目に入った。

気になってレビューを見てみる。


レビュー☆1

話せるボーカロイドと聞いたので購入してみましたが歌が下手。おすすめしません。返品しました。


レビュー☆1

世界に1つだけのボーカロイドと聞き、購入しました。が、何度教えても歌が下手なままです。高い値段出した割にはとても損しました。返品します。


他にも☆1のレビューが沢山。

返品を繰り返されてまだ残っているようだ。

値段を見てみると300万。

普段の僕だったら辞めていただろう。

でも宝くじが当たったこともあってお金はあった。


[未完成な世界]


S「灰音なろ… 」


一目惚れに近しい感じで僕は購入ボタンを押した。


[いつか君の音で]



N「………?」


[目を覚まして]

[気づいたら知らない部屋]


いつもと違って困惑してしまう。

今までは金持ちの貴族共しか買うやつなんて居なかったのに、今回は…


N「薄暗…てか狭くない?5畳半ちょっとしかない気が…」


体を起こすと部屋のドアが空く。

どうせおじさんとかなんでしょ…


N「ねぇ…ここはどこ?あんただれ?

S「はじめまして  失礼な7畳とかそんくらいはあるよ家賃2万!!風呂トイレ別!!!」


いや勢いつよ!?

こんなお兄さん見たことない… この人…面白いなw


N「でも部屋が汚い!そのせいで狭くなってるんだよ!」

S「やってみたいモノが多くて…

N「ふーん…何このホコリ被ったもの…電子ピアノえ、ピアノ弾けるの

S「まぁ…少しだけなら…」


[過ごした日々を数えた]



N「〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪」

S「ふ〜ん…歌上手いね。」

N「え、あ、スマイリーくん!聞いてたの!?」

S「最初っからばっちり。てかなんで歌下手なフリしてたの?こんな上手いのに。」

N「それは…w」


灰音なろ…なろくんが家に来てからしばらく。

なろくんの過去を聴きながら一緒にデビューの作品を作っている。


N「なんかこの歌い方して!って言われた歌い方に出来なくて。それで失望されて返品…って感じだったんだよね。」

S「……………」

N「…スマイリーくん?」


なんだそれ。その歌い方を出来たとしてもそれはなろくんじゃないじゃん。

僕は…俺はなろくんの歌い方のままで曲に使いたい。


S「そっか。言ってくれてありがとう。」

N「…?まぁいいけど」


[曖昧な未来の象徴]


S「…歌詞考えてくれるのは嬉しいけど…」

N「ん?どうしたのスマイリーくん。」

S「…ちょっと怖いよこの歌詞。」

N「え?」


[擦れ違って]


S「………♪」

N「そこ!指使いが違う!!」

S「ピアノやっぱむずいよ〜…なろくんやって〜…」

N「それじゃあいつまで経ってもスマイリーくんが成長しないでしょ!」


[歪み合って]


S(やっぱりここのリズムは…)

N(やっぱりここの歌詞は…)


[無関心な世界]


N「スマイリーくん…!!」

S「どしたのそんな急いで」

N「これ!これ見て!!さっき上げた僕らの初めての曲が…!!!」

S「…285万再生!?やば…!?」

N「コメントもいっぱい付いてる!…次の曲も楽しみにしてます…だって!!」


[だけど次の音は]


N「どんなリズムで…何にしよっかなぁ…!

S「…どうもw」


[僕らはみんな不完全で]


S「貴方の体を借りている

N「貴方の心を借りている


ずっとこのままだと思ってた僕の人生。

まだ捨てたもんじゃなかったみたい。


[忘れかけた夢の続きを]


だってこれからはずっとなろくんが居るから。


[さあ 観に行こうか]

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