※会話文多めです。
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虎杖祖「来んなっつったろ!いちいち花なんか買ってくるんじゃねえ!!
お前もだ美優!!」
『えぇ?』
虎杖「いつも通りじゃん。ていうか爺ちゃんにじゃねぇし、看護師さんにだよ」
虎杖祖「尚更だ馬鹿!!!」
爺ちゃんはいつも通り部活、部活と口うるさい。
虎杖「俺だって暇じゃなけりゃ見舞いなんて来ねぇよ」
虎杖祖「よし、じゃあ暇な俺の話でも聞け」
虎杖「興味ねぇし。
美優、花瓶これに水入れて」
『りょーかい!!!』
虎杖祖「いいかよく聞け。俺は言っておきたいことがある。お前の両親のことだが」
虎杖「だぁかぁらぁ!!興味ねぇって。
爺ちゃんさぁ、死ぬ前にカッコつけるのやめてくんない?」
爺ちゃんは俺の言葉に声を荒らげて返した。
男はカッコつけて死にたいんだ、って。
そんなん知らねぇし。
虎杖「いちいちキレんなよ。
いつも通りでいいって」
虎杖祖「ケッ、ゆとりがよ」
『ゆーじ、水入れた』
虎杖「ん、ありがと」
美優はベットのすぐ側の椅子に腰かけた。
いつもより静かなのは、この病院の匂いと雰囲気が嫌いだかららしい。
わざわざ嫌いなところに着いてきてもらっているのだ。
虎杖祖「…悠仁」
虎杖「ん?」
虎杖祖「お前は強いから人を助けろ。手の届く範囲でいい、救えるやつは救っとけ。
迷ってもいい。感謝されなくても気にするな。
兎に角1人でも多く助けてやれ。」
虎杖「…なんだよ急に」
虎杖祖「美優もな」
『ん』
虎杖祖「その元気さを忘れるな。
泣いていい。弱音を吐いていい。お前の明るさは、人を笑わせられる。
こんなクソ孫だが、そばにいてやってくれ」
『うん、私、悠仁のこと守る!!』
それは頼もしいな、と爺ちゃんは優しく笑った。
…爺ちゃんの笑うとこ、久しぶりに見たな。
虎杖祖「悠仁、お前は美優を死んでも守れ。」
虎杖「当たり前だ」
虎杖祖「…お前らは、大勢に囲まれて死ね。
───────俺みたいに、なるなよ。」
虎杖「…爺ちゃん?」
『…ゆーじ』
……………………………………
No side
ナースコールが鳴り響く。
看護師「はい、どうされました?…もしもし?虎杖さん??」
看護師の耳には女の子の泣き声と、すすり泣くような声が聞こえた。
虎杖「爺ちゃん、死にました」
コメント
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神作品です!続き待ってます!
面白かったです!続き待ってます!