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もうなんて言ったらいいのかわからないけど、とりあえず神だという事がわかった。 儚くて、どこか惹かれる。そんな作品でした。 奥ゆかしい感じがすごい好きです!!!
うつくしすぎる(語彙力崩壊)
大好きです❤️😍もうド性癖です!可哀想な日本でしか得られない栄養がある!
日本は、昔から恋愛感情というものがよく分からなかった。
誰かを「好き」という感覚がどんなものか、どうやって表現すればいいのか、曖昧なまま生きてきた。そんな日本にとって、相手が自分に愛情を伝えてくれるのは、ただ不思議で、少し照れくさいものだった。
ある日、日本にアメリカという恋人ができた。アメリカはとても優しくて、いつも真っ直ぐに「好き」と言ってくれる人だった。アメリカの言葉は本当に温かくて、心の底から自分のことを大切にしてくれている事が伝わってきた。
しかし、日本はアメリカに同じように「好き」と言うことができなかった。その感情がどういうものなのか…未だに理解できなかったからだ。
それでも、日本はアメリカのことを大切に思っていた。アメリカの笑顔を見ると、胸が少しだけ温かくなって、アメリカがそばにいると安心できた。
それが「好き」という感情なのかは分からないけれど…少なくともアメリカを悲しませたくない、アメリカの愛情に何かしら応えたいという気持ちが大きくなっていく。
日本は悩んだ末に、アメリカと身体を重ねることでアメリカの愛情に応えようとした。言葉では上手く伝えられない気持ちを、せめて行動で示そうとしたのだ。
ある晩、日本はアメリカのアパートのドアを開けると、すぐにアメリカの胸に飛び込んだ。いつもならアメリカが先に日本を抱きしめる事が多かったが、今夜は違った。
日本は自分からアメリカのシャツの襟元を掴み、物欲しそうにその瞳でアメリカを見つめる。
アメリカは驚きながらもその眼差しに抗う事が出来ず、日本をそっと抱きしめた
🇺🇸「おかえり、Japan」
🇺🇸「…今日はやけに積極的だな?」
アメリカが囁くと、日本はただ首を振り、アメリカの胸に顔を埋めた。その仕草が可愛らしくもあり、どこか儚げで、アメリカの心を掻き乱した。
🇯🇵「…私は…」
🇯🇵「…私は、アメリカさんが…」
「好き」。その2文字だけはどうしてもまだ喉の奥で足踏みをしてしまう。
🇯🇵「…アメリカさんの事が…欲しいです」
その言葉に、アメリカは心が震えた。日本が自分の事を自ら求めている。そのことが嬉しくて仕方がない。
しかし同時に、アメリカはどこか不安も感じていた。
以前、アメリカが日本に「俺のことをどう思ってる?」と尋ねた時、日本は困ったように視線を逸らし、答えを出せない様子で立ちすくんでいた。
そんな日本の悲痛な姿が、いつもどこかアメリカの頭の片隅で引っかかる。
日本の気持ちが追いつく前に身体の関係を持ってしまったことで、このままでは本当の意味で日本と繋がる事は出来ないのではないかと、アメリカは懸念していた。
🇺🇸「…日本、お前は…」
🇺🇸「…!」
どうかそれ以上は言わないで。
まるでそう言うかのように日本の唇がアメリカの口を塞ぐ
アメリカは、心のどこかに虚しさを感じつつも、目の前のいじらしい日本の姿に心を奪われ、どうしようもなく惹かれてしまうのだった。
日本がアメリカのシャツのボタンを外し、滑らかな指先でアメリカの胸を撫でる。アメリカはその拙い感触に息を飲んだ。
日本の唇が首筋に触れた瞬間、全身が熱くなっていくのを感じた。日本がこんなにも自分を求めているという事実が、アメリカの理性を奪い去っていく。
🇺🇸「…日本」
名前を呼ぶと、日本は微笑みながら顔を上げる。その瞳はどうしようもなく色慾に濡れていた。
🇯🇵「…今日もいっぱい、シてください…♡」
その刹那、アメリカはこの関係がどこか歪んでいると気づきながらも、今、日本が自分を求めている事だけがアメリカにとっての真実で、日本が自分に触れてくれるその瞬間だけは、何もかもがどうでもよくなった。
そうしてアメリカは日本の肩に手を滑らせ、深く口づけを交わしたのだった。
朝日が薄暗い部屋を照らし始める中、アメリカは目を覚ました。隣では、まだ静かに眠っている日本の寝顔が見える。その無防備な姿とは裏腹に、昨夜の淫らな記憶が鮮明に蘇り、アメリカの胸がざわついた。
🇺🇸「……あんな風に日本を変えたのは、いったい誰なんだ……?」
🇺🇸「………俺じゃね…?」
アメリカは思わず自問自答する。あんなにも無垢で、どこか儚げだった日本が、今や自分を求め、妖艶に誘うようになった。かつての日本にはなかったその姿は、いったいどこで変わってしまったのか——それが自分のせいなのかと思うと、顔を赤くしたり青くしたり、彼の表情は百面相のように変わっていく。
すると、隣で寝ていた日本が、ゆっくりと目を覚ました。ぼんやりとした表情でアメリカを見上げ、柔らかな微笑みを浮かべながら、日本はアメリカの胸に寄り添う
🇯🇵「…おはよう、ございます……アメリカさん」
その無邪気な笑顔に見とれたアメリカだったが、日本の瞳の奥に未だ冷めやらぬ熱が燻り続けている事に気がつくと、ハッとして言葉を飲み込んだ。
今再び日本に求められたら、自分も欲に流され、身体だけの関係に溺れてしまうかもしれない…日本がアメリカにそっと手を伸ばした瞬間、アメリカはその手を優しく掴み、心を決めたように深呼吸してから口を開いた。
🇺🇸「日本…ちょっと話があるんだ。」
🇯🇵「…?」
日本が不安そうな顔を浮かべる。アメリカはその視線にわずかに戸惑いつつも、心の中で覚悟を固めた。
🇺🇸「俺…正直、このままじゃいけないと思う」
アメリカは、いつになく真剣な表情をして静かな声で言った。
🇺🇸「俺達…セックスだけでお互いを繋いでいるような気がする」
🇺🇸「でも、きっとそれだけじゃ、お前の本当の気持ちが、俺もお前も分からなくなると思うんだ」
日本はその言葉に戸惑った。自分達の関係が歪だと言われたことが、日本の中で響いていた。
アメリカの愛にどう応えるべきか分からないからこそ、身体を通じて少しでも自分の気持ちを示そうとしたのに…それすらも間違っているのだろうか?
アメリカはさらに続けた。
🇺🇸「だから少しだけ、こういう事を控えよう」
🇺🇸「お互いのことを、もっとちゃんと知る時間を作りたい」
日本はその提案にどう答えればいいのか分からなかった。アメリカの望むことなら受け入れたいと思ったが、身体でしかアメリカの愛に応えられない自分にとって、それを奪われることは恐怖以外の何物でもなかった
🇺🇸「俺はお前の事を、本当に大切にしたいと思ってるんだ」
🇯🇵「……わかりました」
それでも、アメリカが求めるのならば、日本は頷くしかなかった。
それからしばらく、アメリカは変わらずに優しく接してくれた。手を繋ぎ、ふざけ合い、穏やかな時間を共有することができた。
それでも日本は、どんどん自分が追い詰められていくように感じていた。
🇺🇸「…日本」
🇯🇵「?、なんですか?」
🇺🇸「んー?いや、別に…」
🇺🇸「あー…嘘、好き、愛してる」
🇯🇵「……」
身体の関係を絶たれてからというもの、アメリカが「好きだ」と笑顔で言うたびに、日本はどう応えていいのか分からず、アメリカの愛が次第に重く苦しいものに変わっていった。
アメリカがどれだけ愛を注いでくれても、それにどう応えるべきかが分からない…。日本の心の中で「このままではダメだ」という声が響いていた。
そんな日々が続き、ついに日本は決断する。
ある夜、アメリカと二人で過ごしているときに日本は意を決して話を切り出した。
🇯🇵「アメリカさん、私…もう無理です」
🇯🇵「アメリカさんのこと、大切にしたいのに、私はどうしても、その気持ちに応えられない…」
🇯🇵「こんな私と一緒にいるのは、辛いだけ、だから」
🇯🇵「だから、私と別れて下さい」
日本は自分でも声が震えているのが分かったが、これ以上、無闇にアメリカを縛り続けたくはなかった。
日本の言葉に、アメリカは驚愕した表情を浮かべ、しばらくの間何かを考え込むように沈黙していたが、やがて悲しみとも怒りともつかない眼差しで日本を見つめ、静かに首を振った。
🇺🇸「嫌だ…絶対に別れない」
日本はその一言に困惑し、戸惑いの色を見せる。しかしアメリカは強い瞳で日本を見つめ、躊躇なくその手をつかんだ。
🇺🇸「抱いて欲しいなら、いくらでも抱いてやる」
🇺🇸「だからもう、二度とそんな事を言うな」
そう言いながら、アメリカは日本を強引に引き寄せ、乱暴にその体に触れはじめた。日本はあまりの唐突さに一瞬身を引こうとするが、アメリカの力の前ではそれも叶わず、次第に抗う気力を失っていく。
🇯🇵「っ…や、やめて…アメリカさん…!」
🇺🇸「っ…たのむから、俺を拒まないでくれよ」
🇺🇸「俺はお前を本当に愛しているんだ…!」
アメリカの執拗な愛撫が、まるで捨てられることへの恐怖と絶望をぶつけかのるように日本に絡みつく。自分の心とは裏腹に、強制的に快楽を引きずり出されていく感覚に、日本はひどく目眩がした。
🇯🇵「ッ…!やだっ…て、ば…っ!」
🇺🇸「…もう何も考えなくていい、悩まなくていい」
🇺🇸「俺のことだけでいっぱいにしてあげるから」
そう日本の耳元で囁く唇は、首筋を流れ、優しくキスをした後、血が滲む程に強く噛み付いた。
日本は最初こそ抗うような視線をアメリカに向けていたが、やがてその表情が曖昧になり、流されるままアメリカを受け入れてしまっていた。
頭では「抵抗しなければ」と思うのに、身体はアメリカの熱に応えるように反応してしまう。
長い間感じていなかったその熱に、どうしようもない高揚が湧き上がり、そんな自分に嫌悪感を抱くほどだった。日本の心と身体がバラバラになっていく
🇯🇵「っ!……ぁ、うぅ…っもう…や…ァ…」
🇯🇵「ッ!?〜〜〜っ!!ン〜〜っ!?」
アメリカは日本を強引に引き寄せ、唇を塞いだ。その行為には、かつてのような温かさはなく、むしろ日本の全てを支配するような圧迫感さえあった。
急に体勢を変えられた日本は、痛みと快感に震える四肢をアメリカに絡みつかせながら、押し寄せる快楽の波に攫われた
アメリカはそんな日本を支えるように日本の背中を押さえると、より身体が密着し、お互いの浅く早い息遣いまでが伝わって来るようだった。
🇯🇵「ン、っぷは、アメリカさっ…!あっ…!」
🇺🇸「…っ」
熱に浮かれ、うわ言のようにアメリカの名前を呼ぶ日本
しかしその瞳はどこか虚ろで、日本はアメリカが与える愛欲に身を焦がしながらも、胸の奥で何かが失われていく感覚に震えていた。
🇺🇸「あぁ、クソ…っ!」
🇺🇸「日本、どうしてお前は、…っ!」
アメリカもまた、日本の身体を揺さぶりながら、この気持ちが温かな愛ではなく、別の何かに変わっていることに気づいているようだった。
アメリカの表情にはかつての優しさは消え、ただ痛々しい悲しみの色が滲んでいた。
アメリカのその表情を見るたびに、日本は胸が締め付けられるような罪悪感に囚われる。
やがて日本の目に涙が浮かび、ぽつりと呟いた
🇯🇵「…アメリカさん…ほんとうに、ほんとうにごめんなさい」
何かの糸が切れたかのように、日本の目から涙があふれ、こぼれ落ちていく。
🇯🇵「それでも私は……こんなにも苦しいなら、愛なんて…一生理解できないままでいい…」
ぽろぽろと日本の頬を伝い落ちる涙を見て、アメリカは胸が張り裂けるような痛みを感じた。
しかし、その痛みと同時に、今まで決して揺るがなかった日本の心が動き、乱れていく様子が、そして何よりも愛を理解できないと絶望しているその姿が、アメリカは酷く美しいと思ってしまう。
🇺🇸「………」
そして、アメリカは理解した。
自分が日本に惹かれた理由は、純粋な愛などではなく、日本が「愛」を理解できないと戸惑い、苦しむ姿にあったのだと。
今、目の前にいる日本は、アメリカが望んでいた姿そのものだった。愛を拒み続け、虚ろな瞳でどこか遠くを見つめる日本…その姿がどこか儚く、美しく見えるということが、アメリカにとって何よりの苦しみであり、同時に喜びでもあった。
🇺🇸「日本…」
🇺🇸「…お前がこんなにも苦しんでいるのに、俺はお前のそんな姿が、どうしようもなく愛おしい」
そう言って、アメリカは口の端を少しだけ吊り上げて笑った
どこか泣いているようにも見えるアメリカの笑顔に、かつての暖かい笑顔が重なり、日本はただ涙を流し続ける事しか出来なかった。
愛とはほど遠い、痛みと苦しみに満ちたこの関係の中で、日本とアメリカは絡み合い、互いに深く傷つけ合いながらも、離れることができずにいた。
歪んだ愛が執着へと変わり果てたアメリカは、夢中になりながら日本に愛を囁き続ける。日本の絶望や悲しみ、そして愛を理解できない苦しみを映し出すように、日本の全てを見つめ、飲み込もうとしていた。
🇺🇸「日本…愛しているよ、今までも、これからも」
🇯🇵「……お願いだから…もうやめて…」
日本にとってアメリカは逃れられない罪であり、アメリカにとって日本は歪んだ愛の象徴だった。
アメリカはそっと日本の涙を拭い、ただひたすらにその揺れ動く瞳を見つめ続けた。そのまま二人は、痛みと共に互いを支配し合い、決して癒えることのない胸の傷を抱えながら、壊れてしまった愛の形を探し求め、どこまでも堕ちていくのだった。