「えぇーーーー!!??」
「そんな騒がなくてもいいだろ」
「だって鶴丸さんかなり警戒してたじゃないですか!」
燭台切が呼んできた皆が二振りを見て驚きの声をあげる
「まぁそれはな…深い事情があってな」
「飯に釣られただけでしょボソッ」
「そこやかましいぞ」
「ははは」
「というかいつの間にそんなに主と仲良くなったの君達」
「へへ、いーでしょ。俺、主に愛されてるからさ」
「ヒェッ」
「貴様ァ!!主に失礼だぞ!!」
ぎゅっと加州が腕に抱きついて体を寄せてくる。良い匂いがする。あぁ……Good smell……
「主君、そのお皿の上のものはなんですか?」
「あぁホットケーキですよ今日のおやつです」
「ほっとけーき…!」
「すぐ全員分用意しますからお待ちくだされ〜〜」
「僕も手伝うよ」
「できましたよ〜」
流石に材料が足りなかったので1人2枚ずつ
「わぁ!綺麗なきつね色ですね!!」
「なかなか上手くできたんですよ自信作です」
ほとんど作ったことがない割にはすごく上手くできたので本当に自信作なのだ。美味しく食べてくれるだろうか
「こ、これを掛ければいいんでしょうか…?」
「はい、お好みでバターやメープルシロップをかけて食べてみてください。甘くて美味しいですよ」
温かいホットケーキの上にバターを一欠片…そしてたっぷりのメープルシロップ…まさに至高の1品…!!!
「い、いただきます!」
あまり使った事のないフォークを慌てながらも上手く使いホットケーキを1口食べる
「あまーい!!!」
「何これちょー美味しい…ほっぺギューってする」
「世の中にこんな美味いものがあったなんて驚きだぜ」
「贅沢にバターとメープルシロップを使って食べる…なかなか罪な食べ方でしょう」
「いち兄、このほいっぷくりーむってやつ美味いぞ」
初めてのホットケーキにそれぞれが唸りながらパクパクと食べている。幸せな時間だ
「次は苺とか用意しとこうかな…」
「ごちそうさまでした」
ものの数分。ペロリと全て平らげてしまった。
「甘い物っていいね」
「加州は甘い物好き?」
「多分、好きかな。さっき食べたもの以外にもまだ甘い物ってあるの?」
「もちろん。まぁ私は普通の一般人だから作れるものは限られてるけどね」
「ふーん」
「そういえば、ここから街とかって行けたりしないの?」
「街には行けんこともない」
「何かしら事情が?」
「あぁそうだな、通常、表の門の装置を動かしてから街の方へ繋げる事ができる。だが、この本丸は門は戦場にしか繋がらない。元主が装置の一部を改造して開けなくさせてしまったらしい」
「直すとか……」
「起動させるには母屋の方にある管理室に行かなければならない」
「うえー…めんどくさいね…」
「そういや一期一振、君は管理室の運営をたまにしていただろう。あそこまでの最短の道か何か知らないか」
「そうは言われましても私は助手のような状態でしたから…詳しいといえば……博多や初期刀の山姥切殿でしょう」
「博多…山姥切……」
「博多は一期一振の弟、山姥切はこの本丸の一番初めに顕現した刀だ」
「ふむ…それで、その二振りは…」
「両方今はダメだろうな。正気ではないから手入れをしなければ確実に首を落としに来るぞ」
「…っもっと私が守れたらあのようにはならなかったのに」
拳を握り締めて悔しそうに下を向く一期一振
「落ち着け。あれは仕方のない事だ」
「…手入れさえできればいいと…そういう事ですか」
「そういう事になるな」
「じゃあやりましょう。手入れ」
「はぁ!?君、今の話聞いてたよな!?視界に入っただけでも襲いかかってくるんだぞ!」
「死ななきゃいいんですよ死ななきゃ」
「誰かこの方止めてください。早死しますよ」
「主、まずはゆっくり作戦立ててからにしようよ。その足でどーすんの」
じぃっと見つめてくる加州の視線が痛い
「…分かりました、休みますよ休みますーー」
「本当に分かってないだろ君」
「万が一あった時は貴方達が助けてくれるって信じてるからねっ」
「それは嬉しいけど無茶されると心臓に悪いからやめてよね」
「はいはい」
少し落ち着いた後、居間でそれぞれが自由にくつろいでいた
「加州〜」
「なーにー」
「近いよ〜」
当たり前のように私の膝上に寝転がっている加州
「ダメ?」
「そんな顔でそんな風に言われたら許すしかないじゃないの…」
「……」
「…ん?」
ふと視線を感じて横に視線を向けるとそこには凄く顔を顰めてじーーっと…こちらを見つめる長谷部が正座している
「…長谷部も膝枕してみます?」
「あ、主ともあろうお方にそんな事できません!!!!」
「長谷部照れてんのー?」
長谷部は顔を手で隠したままそっぽ向いてしまった。意外とシャイなのかな長谷部って
「主君!」
「わっどうしたんですか」
「僕の事まだ秋田藤四郎って呼んでますよね」
「あぁそうですね」
「僕も!秋田って呼んでほしいです!!」
元気よく目をキラキラさせてこちらを見ている。かんわいい
「あ、秋田?」
「!」
「敬語も無しに! 」
「う、うん?」
「これでもっと主君と仲良くなれますね!」
あっあかん……尊い……なんだろう……私生きてるのかな……
「ぼ、僕も…さんも敬語も付けずに呼んでみてほしいです…」
「ご、五虎退?」
「…!は、はい!」
「……」
「どうしたの主」
「……アタイこの世に生まれて良かった泣」
「な、なんか人変わってない主大丈夫?あと泣かないで」
「ビエーーン」
「主君泣かないで〜!!」
「あの、少々お話が」
「一期一振さん、どうされました?」
日が沈み始めた頃、裏側の縁側でくつろいでいた私に一期一振さんが声をかけてきた
「…そろそろ監視という名目での滞在はやめにしたいのです」
「あぁそういえばそんな理由で来てましたね」
「私は貴女を主と呼んでも良いのでしょうか」
「ファッ」
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