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メモ:

マミーは生きています

プレイヤーの名前は「ラン」です。

※これはシリーズです。また、チャットノベルで書いているシリーズとは異なる世界線です。






ランside

僕はマミーに怪我をさせてしまった。

マミーから逃げている最中に、僕は粉砕機を稼働させてしまった。

何が起こるかその時は分からなかった。

けど、マミーが粉砕機に挟まってしまった時、僕は一瞬で事態を理解した。

僕はどうにかして粉砕機を止めた。でも、少し遅かった。

マミーは左腕を失ってしまった。

『…私はあんなにあなたを殺そうとしたのに…助けてくれてありがとう…』

マミーはそう言ったけど、僕は怪我をさせてしまったことに納得がいかなかったし、後悔した。

僕は、マミーにポピーの居場所を教えてもらった。そして、マミーは僕について来ている。

「…私はここにポピーを捕らえていたの…」

…そう言ったマミーの視線の先には、蜘蛛の糸に囚われたポピーがいた。

僕はグラブパックを使ってポピーを助けた。

「……どうしてマミーがここにいるの…?」

ポピーは驚いた顔でそう言った。

「…マミーが死んじゃうと思うと、すごく怖くて、嫌だったから……」

「………そう………」

ポピーは考え込むような顔をしてそう言った。

「…電車で待っているわ。」

ポピーはそう言って去ろうとした。けど、ポピーが僕を家に帰してくれるつもりがないのは、薄々わかっていた。

多分、僕をプレイケアへ連れていくつもりなんだろう。

「…ポピー。僕は正直、家に帰れるとは思わない。」

「……どうしてそう思うの?」

ポピーは、僕を見ずに聞いた。

「…だって、プレイケアに行かなきゃいけないんでしょ?……」

僕はまだ、真実を何も知らない。そして、真実を知らなきゃいけないということもわかってる。

けど___

「…でも、今はまだ行きたくないんだ……」

「…どうして?」

ポピーは真剣な顔で聞いてきた。

「今の僕にはまだ真実は必要ないんだ……僕は今は、休みたいんだ___ここ最近、トラウマのフラッシュバックがひどくて、……独りでいるのが怖いんだ……独りでいることには慣れていたはずなのに、今になって、子供みたいに怖くなるんだ……このままじゃ、僕は寂しさと、恐怖に押しつぶされそうで怖いんだ…このまま誰にも愛されずに死んじゃったらどうしようって___」

僕がそう言った後、僕は自分の目から涙が溢れていることに気がついた。

ああ、そんなことを話している場合じゃない、僕は行かなきゃいけないのに!!

「…ごめん、こんな話しちゃってごめんね。情けないよね、こんな姿見せちゃってごめんね。行かなきゃ、どうせ僕は生まれた時から愛される資格なんてないんだ、僕は独りで死ななきゃいけないんだから、最後に何か、誰かの役に立てることを___」

僕がそう言った時、マミーは僕の腕を掴み、ポピーは僕の脚にしがみついて、僕が動くのを静止した。

「…あなたはまず眠る必要があるわ。目の下にひどい隈ができているわよ。」

マミーが諭すように言った。

…眠らなきゃいけないのも知っていた。けど、眠れない。

毎晩のように見る悪夢が怖いから。

「…それとも、眠れない事情があるの…?もしかして、私たちのせいで忙しかったから?」

ポピーが少し申し訳なさそうに言った。

「…寝たくないんだ。」

…そう言った僕の声は、自分でも驚くくらいに上ずっていて、弱々しかった。

「眠るのが怖いんだ……」

僕は自分の声を絞り出すように言った。

もうこの際、何がどうなってもいい。

「僕は、罵倒されても、侮辱されても、もう何でもいい。僕をどうしてくれたっていいよ。どうせ僕は近いうちに死ぬんだから。」

僕は諦めてそう言った。だって。僕を恨んでいた人が、僕を慰めてくれるわけがないんだから。

…でも、どうして涙が止まらないんだろう?

「…本当は違うんでしょう?辛いんでしょう?」

マミーは、優しく子供に聞くような口調で言った。

「ちがう、これは僕の戯言だよ、辛くなんかない___」

「…私たちは、あなたの気持ちを知りたいの。あなたは、ここで働いてた時も、本当は辛かったんじゃないの?」

ポピーが僕の顔を覗き込んで聞いた。


《子供達に対して実験をするのがひどく苦しかった。でも断れなかった。誰も助けてくれなかった。》


「違う。」

僕は答えた。そんなの違う。

働くのが辛いのはみんな一緒だ。

「…じゃあ、あなたがこの工場で働いていた時、どうして私たち家族と無理にでも仲良くなろうとしてくれたの?私はあなたと話すことすら拒んだのに…」

マミーが僕に聞いた。


《もしもロングレッグス一家が僕の「家族」だったら___》


「違う、違う。」

違う、そんなこと願っちゃいけない。

僕は愛される資格すら持ってないんだ、そんな愚かなこと願っちゃいけない!!

「お願い、教えて。少なくとも私はあなたのことが心配なの。」


《もしもポピーみたいに、僕を心配してくれる人が僕の友達になってくれたら___》


「違う、違う違う違う!!」

僕は何も望んじゃいけないんだ!!

息が苦しくなっていき、僕の呼吸が荒くなっていく。

「いやだ、ちがうっ、僕はっ、《咳き込む》こんなこと、思っちゃ、いけないんだっ、ダメなんだ!!《呼吸がさらに荒くなる》」

僕は立てなくなって、地面に崩れ落ちた。

ああ、だめだ、苦しい、助けて

___ダメだ、ダメだ!!助けなんて求めたって無駄だ!!誰も助けてくれない!!

マミー:「大丈夫、ゆっくりと息をして。」

マミーの声が聞こえた。

その時、マミーが僕の背中をゆっくりとさすっているのを感じた。

なんでだろう…。僕の気持ちが落ち着くような感じがする…。


僕の意識が遠のいていった。




続く…

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