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[『おかあさん!おとうさん!ぼくをおいていかないで!!ぼく、いいこになるから!!もうたたかれてもなかないから、おねがい、おいていかないで!!』
『うるっさいわねえ、あんたなんかいらないのよ!!』
『いつもいつも迷惑をかけるお前が悪い!!』
『いやだ、もうめいわくかけないから、ぼくをすてないで!!』
『あんたなんか生まれなきゃよかったのに。私たちは2度とあんたに会う事はないからね___』]
「ああぁぁぁっ!!」
…ああ……
ただの…夢……
僕はこれが夢であったことに安堵した。
昔に戻らなくて本当によかったと。
…嫌だ、だから眠りたくなかったんだ!!
毎日こんな夢ばっかり、怖いよ…!
…ああ、そういえば電気がついてない、ここはどこなの?
あまりにも暗いからどこに誰がいるのか、そもそも人がいるのかすら分からなかった。
…閉じ込められた。
僕の頭にはそんな不穏な考えがよぎった。
…ここは暗い、暗すぎる!!
物置みたいに
「怖いよ、誰か、ここから出して!助けて!!」
…僕は思わず叫んでしまった。
…ああ、叫んだって無駄だって分かっているのに。
「叫び声が聞こえたわよ、大丈夫!?」
…ドアを開けてそう声をかけたのはマミーだった。
マミーは部屋の電気をつけた。
…ここがどこか分かった。ポピーが前に閉じ込められてた部屋だ。
僕は怖くなった。
どうしてマミーは僕をこの部屋に閉じ込めたの?
どうして?
「…大丈夫?体調はどう?」
マミーはそう言いながら僕の方に近づいてきた。
でも僕は怖かった。
僕はマミーに叩かれるの…?
僕が迷惑かけたから?
僕は咄嗟に身構えてしまった。
「私はあなたを傷つけないわ。信じてほしいの。」
…マミーは優しくそう言った。
でも僕は信じられなかったし、何より怖かった。
僕は知ってる。みんなはそう言って僕を安心させてから、僕に酷い事をするんだ。殴って、蹴って、耳元で罵って、そうやって僕をいじめていたんだ。
僕は部屋の隅に逃げた。
逃げられない。
にげちゃいけない。
いやだ
こわい
ゆるして
マミーside
…私は、さっき倒れた研究員___ランの様子を見に行った。
急に場所が変わったことに驚いていたのか、何か叫んでいた。
私はそれにびっくりして、ドアを開けたけれど、結局怖がらせてしまったみたいで、部屋の隅に逃げてしまった。
私は、それでもできる限りのことをすることにした。私を助けてくれた人を、そして研究員とはいえこの工場のせいで傷つけられた人を見捨てるわけにはいかないと思ったから。
「…マミーはあなたを怖がらせてしまったかしら?」
私はさっきよりももっと優しい口調でランに聞いてみた。まるで何を見ても怖がっているみたいで、本当に心配だったから。
「ごめんなさい」
…予想していなかった言葉がランの口から出てきた。
「…どうして謝るの?」
私はそう聞いたけど、ランは怖いのか、かなり震えていて、私の質問に答えるどころか、私の質問を理解できる状態ではなさそうだった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、」
…ランはさっきとはまるで別人のように、目に涙を溜めながら、親にひどく叱られて怯える子供のように「ごめんなさい」と繰り返していた。
「もうわるいひとならないから、いうこときくから、ここからでたい」
ランは懇願するように頼んだ。
ランがさっき叫んでいた理由がようやくわかった。
ランが、私がランをここに閉じ込めたと思ってしまったから…
私がそう思わせてしまったから…
「…本当に、本当にごめんなさい。私はあなたを閉じ込めるつもりなんてなかったの。あなたが目覚めるまで少しでも安全な場所にいてほしかっただけなの。」
「でも、へや、くらかった。ものおきみたいで、こわかった。」
…物置?
ランは…物置に閉じ込められたことがあるの…!?
「…ごめんなさい。次からは電気を消さないようにするわね。そうしたら暗くないわ。」
「…ほんと?」
「ええ。」
ランは少し安心した表情を見せた。
「…ありがとう、マミー。」
ランは少し微笑んで、そう言った。
少しでも安心してくれてよかった。
私はそう思った。
続く…