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55
たくとの長い長い片想いが終わる日
生徒会室
静かだった。
誰もいない2人だけの空間
だって。
ついに、
ついに、 たくとが言ったから
「りゅうきが好き」
何ヶ月も。
何ヶ月も。
胸の奥に隠していた想い。
全部込めて。
「好き」
たくとは真っ直ぐ見つめる。
逃げない。
誤魔化さない。
りゅうきの返事を待つ。
心臓がうるさい。
怖い。
今更。
こんなに怖いなんて。
思わなかった。
すると。
りゅうきが俯く。
耳まで真っ赤。
首まで真っ赤。
もう茹でだこだった。
「りゅうき」
「……」
「返事は急がなくていいよ」
たくとは笑う。
優しく。
いつものように。
「伝えたかっただけだから」
その言葉を聞いた瞬間。
りゅうきの胸がぎゅっとなる。
ずっとそうだった。
この人は。
優しい。
俺が困らないように。
俺が逃げられるように。
ずっと待ってくれていた。
俺が気づくまで。
好きになるまで。
ずっと。
その瞬間。
トムの言葉を思い出す。
トム
(先輩、ずっと待ってると思うよ)
本当に
本当に待っていたんだ。
俺を。
りゅうきはゆっくり顔を上げた。
そして。
先輩 を見る。
好きな人を。
大好きな人を。
「先輩」
「うん」
「俺」
声が震える。
緊張する。
でも。
言わなきゃ。
ちゃんと。
今度は俺が。
「俺も好き」
沈黙。
たくと停止。
完全停止。
「……え?」
たくとが珍しく間抜けな声を出す。
りゅうき
「だから!」
もう恥ずかしい。
限界。
「好きって言いよるやん!!」
たくとは数秒固まった後、ようやく笑った
今までで一番
幸せそうに
「そっか」
「うん」
「そっか……」
それしか言えない。
だって。
嬉しすぎるから。
恋慕渇仰。
恋い慕い。
会いたいと願った恋。
届かないと思っていた恋。
諦めかけた恋。
全部が。
今。
報われた。
たくとは一歩近づく。
「りゅうき」
「な、なんですか?//」
「抱きしめてもいい?」
優しい。
最後まで。
ちゃんと聞く。
りゅうきは少しだけ笑った。
そして。
「彼氏やろ」
たくとの目が大きくなる。
「え」
「彼氏なんやけん」
顔真っ赤。
でも。
ちゃんと言う。
「それくらい、いいよ」
その瞬間。
たくとはたまらず抱きしめた。
ずっと。
ずっと。
触れたかった人。
大切にしたかった人。
好きだった人。
ようやく腕の中にいる。
「好き」
「知っとる」
「本当に好き」
「知っとるって」
「ずっと好きだった」
りゅうきは少しだけ笑った。
そして。
たくとの服をぎゅっと掴む。
「俺も」
小さな声。
でも確かに。
「俺もずっと先輩が特別やった」
ー春ー
桜が舞う。
長かった片想いは終わる。
恋慕渇仰は
相思相愛になる
そして二人の恋は、
ここから始まる
〜完〜
コメント
1件
わあ……ついに、ついに片想いが実りましたね……! もう、読んでるこっちまで胸がいっぱいです。りゅうきくんが「俺も好き」って言うまでの緊張感、そしてたくと先輩のあの完全停止からの「そっか」の連発。あの幸せそうな笑顔が目に浮かびました。「彼氏やろ」って照れながら言い返すりゅうきくん、最高に可愛いです。ずっとずっと待ってた想いが報われる瞬間を、こんなに丁寧に描いてくださって、本当にありがとうございます。お二人の恋の始まり、心から祝福したい気持ちでいっぱいです🌷