その仕打ちというものはあまりに陰湿で、今では考えられないような、酷いものであった。
部活に顔を出す度、僕の絵の具やら、髪やら、画材やらがことごとく無くなり、その仕打ちが部活だけで済めば良かったのだが、それは学校にいる間中続き、ついに浅霧までに届いてしまった。
浅霧は、僕を心配したような顔で「大丈夫か?ごめんな笑うちのヤツらなんか勘違いしてるみたいでさ。俺から言っとくから。」って言って、部室に戻って行った。
僕は、その言葉が嬉しかった。でも、これまでの事を思い返すと、何故、もっと早く気づいてくれなかったのだろう。僕がこんなになってるとも知らずに、それに、アイツらの行動もおかしいと何故気づかなかった?気づいてくれなかったんだ!
―その瞬間、僕の彼への感情は、憎しみに近いものに変わった。
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